ちょっとスペイン語 -30-  (Caer la del pulpo-どしゃ降り雨、滝の様な雨が降る)

ここでは、ちょっとしたスペイン語の言い回しや、ことわざ、話し言葉など、辞書には載っていない単語も含めて紹介していきます。スペイン語を勉強している方には言葉の幅が広がるお手伝いができればいいなと、スペイン語には興味ないという方には雑学として楽しんでいただければいいなと思っています。

7月に入りましたが、日本はまだまだ梅雨の季節ですね。

私が住むサラマンカでは、今年は本当に雨の多い年です。そして、単に雨が降るだけではなく激しい雨に見舞われることもあります。

日本も梅雨時期の豪雨やバケツをひっくり返したような雨はよくありますよね。

今回は、スペインでよく使われている大雨に関する面白い表現を取り上げます。

Caer la del pulpo-どしゃ降り雨、滝の様な雨が降る

スペイン語で動詞「caer」には、「落ちる、落下する、転ぶ、倒れる、垂れ下がる、減少する、等々」色んな意味が含まれますが、「Cae lluvia(雨)」で「雨が降る」という意味があります。

「pulpo(プルポ)」とはスペイン語で軟体動物の「タコ」のことです。

「Caer la del pulpo」を直訳すると「タコが降る」という意味になります。エッ⁈ 何それ⁈ ですよね。(笑)

そういえば、英語でも It’s raining cats and dogs. という表現がありますよね。

スペインではとても激しい雨が降っていたりするとこの「タコが降る」というおもしろい表現を使うのです。

Ayer, nada más salir de casa empezó a caer la del pulpo.

昨日、家を出てすぐに土砂降り雨になったよ。

Así que me calé entero a pesar de que tenía paraguas.

お陰で、傘を持ってたけどずぶ濡れになっちゃった。

大きなタコが沢山空から降ってきたら大変だろうな・・・等ど漫画チックな想像をしながらいつもこの表現を聞いています。(笑)

この「タコ」を使った表現には、誰かが叱られたり、殴られたりすることを表すのにも使われこともあり、こちらは「le va a caer la del pulpo」「~は叱られた、~は殴られた」という言い方をします。

¡Vaya! ¡Se ha roto el cristal de la ventana!

しまった!窓ガラスが割れちゃったよ!

¡Uy! ¡Nos va a caer la del pulpo! Justo ayer nos dijo mamá que no jugaramos con balón en nuestra habitación.

わー、叱られるぞ!昨日、ママから部屋でボール遊びするなって言われたばっかりなのに。

どちらの表現も日本人の感覚では不思議で面白い表現ですね。