ここでは、ちょっとしたスペイン語の言い回しや、ことわざ、話し言葉など、辞書には載っていない単語も含めて紹介していきます。スペイン語を勉強している方には言葉の幅が広がるお手伝いができればいいなと、スペイン語には興味ないという方には雑学として楽しんでいただければいいなと思っています。

A buenas horas, mangas verdes-あとの祭り
時機を逃したことを意味する慣用句に、日本語でも「あとの祭り」という表現がありますが、スペイン語でもちょっと不思議な慣用句「A buenas horas, mangas verdes」があります。
スペイン語で「A buenas horas」と言うと、「今さら、手遅れ」という意味がありますが、「mangas verdes」とは「緑色の袖」という意味です。直訳すると「緑の袖、手遅れだ」という意味です。では、この「緑色の袖」とは一体何を指しているのでしょうか?
実は、1476年から1834年まで活躍していた市民警察「サンタ・エルマンダッド(Santa Hermandad)」の制服の緑色の袖を表しています。この市民警察「サンタ・エルマンダッド(Santa Hermandad)」は、スペイン王国の基礎を築き、イベリア半島最後のイスラム教国「ナスル朝グラナダ王国」を無血開城で降伏させ、約800年間続いたレコンキスタを完了させたイサベル王女とフェルナンド王であるカトリック両王が創設したものなので、この慣用句は500年もの長い歴史を持つものなのでした。
この市民警察「サンタ・エルマンダッド(Santa Hermandad)」は、犯罪者の逮捕と投獄を担当していましたが、たいてい到着するのが遅く、泥棒たちはすでに逃げてしまっていたそうです。(笑) その無能さに対する批判、皮肉を込めて、この言葉が使われるようになりました。
Ayer fue el último día del plazo de presentación de solicitudes. ¿Lo presentaste ya?
昨日が願書の受付最終日だったけど、もう出願した?
¡No me digas! Pensaba que era mañana.
なんだって!明日かと思ってた!
¡Vaya! Era ayer. A buenas horas, mangas verdes.
えっ!昨日だったよ。あとの祭りだね。
この慣用句、¡A buenas horas! だけで使われることも多いです。
Perdón por el retraso, paso a buscarte en diez minutos.
遅れてごめん、10分後に迎えに行くよ。
¡A buenas horas! Como no venías ya he cogido el autobús.
今さら遅いよ!あんまり来ないから、もうバスに乗っちゃったよ。
それにしても、駆け付けるのが遅くて泥棒達に逃げられていた市民警察官たちですが、機能していなかったら350年も続かなかったでしょうから、スペイン人特有の大袈裟な表現だったのかも⁈と市民警察官たちを擁護したくなりました。(笑) でも、市民警察官たちの役立たずぶりは、スペインの文学の中で350年間ずっと皮肉られてきたみたいです(「Cuento de cuentos」 Néstor Luján著より)。
批判・皮肉が好きなスペイン人ならではの慣用句ですね。(笑)