ちょっとスペイン語 -9- (en el quinto pino) はるか遠くに

ここでは、ちょっとしたスペイン語の言い回しや、ことわざ、話し言葉など、辞書には載っていない単語も含めて紹介していきます。スペイン語を勉強している方には言葉の幅が広がるお手伝いができればいいなと、スペイン語には興味ないという方には雑学として楽しんでいただければいいなと思っています。

en el quinto pino- はるか遠くに

直訳すると「5番目の松に」という意味ですが、このスペイン独特の言い回し(多分南米では使われていない表現です)の由来は、18世紀初頭のフェリペ5世の時代まで遡ります。所はマドリッド。その頃、マドリッドの中心部から北に向かっていたレコレトス通りに生い茂った松の木を5本植えました。1本目の松は街の中心地に近かったのですが、最後の5番目の松はかなり遠い所(今のカステリャーノ通りにあるヌエボス・ミニステリオスの近く)に植えられていたそうです。そこから、「5番目の松に」=「はるか遠く」、「とても遠く」というこの表現が生まれたということです。

¿Dónde está la casa de Juan? Quiero hacerle una visita.

フアンの家はどこ? 訪ねて行こうと思ってるんだけど。

Está en el quinto pino, te recomiendo que vayas en autobús.

すっごく遠いよ。バスで行った方がいいね。

さて、この「5番目の松」があった場所は人目に付かない場所だったので、その当時の恋人たちの待ち合わせの場所だったとか。残念ながら、今はこのロマンチックな「5番目の松」はなくなってしまいました。


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