ここスペインでは、11月1日は諸聖人の日(Día de Todos los Santos)と呼ばれ、祝日となっています。そして翌日11月2日は死者の日(万霊節)です。今年は、1日が金曜日で3連休となったので久しぶりにレオン市(León)に行ってきました。
この日は、スペインの多くの人たちが実家に帰り家族と一緒に過ごします。そして、花を持って年に一回のお墓参りにいきます。最近では、こういう伝統的な過ごし方をする人は少なくなってきましたが、それでもまだまだ健在です。
レオンの魅力
レオン市は、スペイン、カスティーリャ・イ・レオン州にあり、高度837m、夏は涼しく冬は寒さが厳しい街です。かつてのレオン王国の首都で、その歴史は2,000年にもさかのぼります。レオンの魅力は、レオン市内を歩いて回ると感じることのできる居心地の良い空間、川に沿って伸びる緑地遊歩道を家族連れやお年寄り、カップルがのんびりとおしゃべりしながら散歩するそのゆったりと流れる時間、ロマネスク様式のサン・イシドロ教会(11~12世紀)、ゴシック様式の大聖堂(13世紀)、ルネッサンス様式のサン・マルコス教会(16~17世紀)、モデルニスモでガウディ建築のカサ・ボティネス(19世紀)に代表される各時代の建物が物語る歴史にあると言えるでしょう。
巡礼道にある街レオン
キリスト教の三大巡礼地に挙げられるサンティアゴ・デ・コンポステーラは、聖ヤコブ(スペイン語では聖サンティアゴ)の遺骸があるとされています。その巡礼地サンティアゴ・デ・コンポステーラへヨーロッパ各国から巡礼者が訪れていました。最盛期の12世紀には年間50万人を超えたというから驚きます。
今も、ユネスコの世界遺産に登録されている「サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路」は、年間約30万人の巡礼者が訪れていて、過去25年間で毎年その数が増えている人気のルートです。
そして、この「サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路」の主要道はレオンの街を通っています。この「サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路」と和歌山の「熊野古道」は、1998年に姉妹道となりました。
そして、ここ巡礼路の主要地であるレオン市内には、レオン市と日本の姉妹交流、協力と歓迎の意味を込めてモニュメントも作られています。それは、「Ruta del Conocimiento(知の道)」と呼ばれ、巡礼者や日本人観光客のためにレオン市が作ったルートで、「サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路」にも重なっているものです。
ちょっと中心地から離れたレオン市入口にあるプエンテ・カストロ地区の公園内に、朱塗りの鳥居が建てられ、桜の木も植えられています。また、ルート内に5つの道標が設置してあり、それぞれの道標にはスペイン語と日本語のメッセージが書かれています。
日本から1万km以上離れた異国の地スペインで、レオン市が日本人観光客を歓迎し、思いがけなく日本の文化を感じる鳥居に出会うという不思議な体験ができます。旅の思い出に立ち寄って見てみるのも一興でしょう。春には、桜の花も見ることができますよ。
バリオ・ウメド(Barrio Húmedo)VS バリオ・ロマンティコ(Barrio Romántico)
レオンに来て絶対行かなきゃいけないところ!旅の醍醐味は観光のみではありません。地元の人たちが行く気さくなバルやカフェに立ち寄り、まるで自分も地元の一人になった気分になれるようなところ、地元の人たちの素顔を垣間見ることができるところでのんびり過ごすことも旅の楽しみのひとつでしょう。
バリオ・ウメド(Barrio Húmedo)と呼ばれる地区は、昼も夜もとても賑やかなところです。数々のバルやレストランがひしめき合い、通りには冬でも外にテーブルが出て賑わっています。レオンのバルは、それぞれのバルのおつまみがあり、ピリッと辛めの揚げたてポテトチップスが食べたければここ、色んな種類のコロッケが食べたかったらここ、ムール貝だったらここ、という風に、食べたいおつまみで行く店を決めるのがここレオン風です。
最近は、バリオ・ロマンティコ(Barrio Romántico)と呼ばれる地区もとても人気があります。こちらは、バリオ・ウメドに比べるともう少し落ち着いた感じでしょうか。こちらの方が家族ずれが多いようです。サント・ドミンゴ広場からレオン大聖堂に向かって伸びるルア通りを挟んで両方の地区が広がっているので、ぶらぶら歩きながら3~4軒ほどバルに立ち寄りワインまたはビールなどと一緒にピンチョスをつまんでみてはいかがでしょうか。
数件バル巡りをしたい方にお勧めの注文方法は、「コルト(corto)」と呼ばれる小さいコップのサイズのビールとピンチョス。あまりお酒に強くない方は、「コルト・デ・クララ(corto de clara)」がいいかも。これは、小さいコップにソーダ水で割ったビールがでてきます。これだと飲みやすいので、数件はまわれますよ!この小さいサイズの「コルト(corto)」はマドリッドなどではないサイズのビールで、マドリッドで「ウン・コルト・ポルファボール(Un corto, por favor)」と注文しても、きょとんとした顔でウエイターから見られるのでご注意を!
レオンの食べ物とワイン
レオンで是非試していただきたい食べ物は、モルシージャとセシーナ、そして子羊料理でしょう。ワインはビエルソ地方のワインがお薦めです。また、レオンは地ビールも種類豊富なので、是非試してくださいね。マラガト地方の郷土料理「コシード」も一度は食べてみたい料理です。マドリッドの「コシード」とは異なり、最後にスープがでてきます。ワインの美味しいビエルソに合う郷土料理は「ボティン」です。また、レオンはジビエ料理も美味しいですよ。また、ビエルソ地方の焼き赤ピーマンは絶品です。お肉の添えやサラダにしても美味しいこの焼き赤ピーマン、是非お試しください。お土産に買って帰るのもいいですね。
レオンのお薦めのお土産
まずは、チョコレート。レオンからバスで1時間のアストルガにはチョコレート博物館があり、これは、ヨーロッパで初めてチョコレートが生産されたところがアストルガだからです。カカオ90%というチョコレートや、モルシージャ味のチョコレートなど他ではお目にかかれない不思議な味のチョコレートもあります。
次に、同じアストルガのお菓子「アストルガのパイ(Hojaldres de Astorga)」と「アストルガのマンテカード(Mantecados de Astorga)」もお薦め。マンテカードは、小麦粉、砂糖、卵、バターを材料とするパウンドケーキやマドレーヌに似たお菓子です。
また、「テクラス(Teclas de Hojaldre)」と呼ばれるお菓子や「聖ギジェルモのリボン(Lazos de San Guillermo)」は、私も大好きなお菓子です。是非ご賞味あれ!
ビエルソ地方のワインもお薦めです。ビエルソ地方の特産品赤ピーマンの瓶詰も美味しいですよ。
食べ物以外には、大聖堂の前のお土産屋さんにあるサン・イシドロ教会の暦プレートや手作りのバインダーなどが買える紙のお店屋さん(Abadía)も私のお気に入りのお店です。
ぜひ、レオン市内、レオン県内の街を散策しながら、あなたのお気に入りを見つけてくださいね。
レオン観光 情報
http://www.leon.es/leon_turismo/
アストルガのチョコレート博物館 情報
住所:アストルガ市 アベニーダ・デ・ラ・エスタシオン16番地(Avd. de la Estación 16 )
TEL:(34)987 616 220
開館時間:火~土 10:30~14:00、16:30~19:00(最終入館 13:30、18:30) 日・祝 10:30~14:00(最終入館 13:30)
*月曜日・1月1日・1月5日・1月6日・5月22日・12月24日・12月25日・12月31日は休館 入場料:2,50€ ウエッブサイト: http://www.aytoastorga.es/turismo-y-ocio/MUCHA/index.html
レオンお土産・お店 情報
レオンの地元のお菓子はこれ! http://lazosdesanguillermo.es/es/
「La Rosaleda]-レオン大聖堂の近くにあるレオンの伝統的な食べ物-セシーナ、お菓子、瓶詰の保存食、チーズ、ワイン等-が売ってあります。是非のぞいて見てください! http://www.despensalarosaleda.com/
「Abadía 」-本当に、素敵な紙が豊富に揃っていて、紙が好きな私はあれもこれも欲しくなってしまうお店です。ウメド地区にあります。 http://encuadernacionabadia.blogspot.com/
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