まず、何といってもクリスマスのお菓子の代表格はトゥロン(Turrón)です。様々なトゥロンがありますが、スーパーなどでも手に入る代表的なものは、柔らかいトゥロン・デ・ヒホナ(Turrón de Jijona)と固いトゥロン・デ・アリカンテ (Turron de Alicante)があります。また、その他にも、街のお菓子屋さんが作るお店独特のトゥロンもいろいろあります。お菓子屋さんのお手製のトゥロンは、チョコレート味、コーヒー味、オレンジ味等様々で、飾りつけもきれいです。切り売りしてくれます。
マサパン(Mazapan)& パン・デ・カディス(Pan de Cádiz)& ピニョナーダ(Piñonada)
クリスマスのお菓子の多くは、アーモンドが入っていますが、スペインのマサパン(Mazapan)ことマジパンもその一つです。そのマジパンの仲間にパン・デ・カディス(Pan de Cádiz)やピニョナーダ(Piñonada)があります。パン・デ・カディスの方はしっとりとした感じですが、ピニョナーダのほうはちょっと堅めです。ピニョン(Piñon)というのはスペイン語で松の実のことですが、マジパンに松の実が一杯!のお菓子です。個人的にはピニョナーダが好きです。
パン・デ・カディス(Pan de Cádiz)は羊羹のように切って食べます。/(写真:筆者撮影)松の実一杯のピニョナーダ(Piñonada)/(写真:筆者撮影)
ロスコン・デ・レージェス (Roscón de Reyes)
ロスコン・デ・レージェス(Roscón de Reyes)は、1月6日のみに食べるクリスマス最後のお菓子です。ケーキに近い感じですね。1月6日は、スペインでは「東方の三賢王の日」つまりカトリックの「公現祭」に当たる日で祭日です。この日は、幼子イエスの誕生をしり贈り物を持って拝みに来たと言われる「東方の三賢王」の日に当たり、この日をもってスペインの長いクリスマスが終わります。この日は、三人の王様達がみんなにクリスマスプレゼントを持ってきてくれる日にも当たり、スペインの家庭、特に小さい子供がいる家庭では、プレゼントが来たかどうかを知りたくてワクワクしながら朝早くから目を覚まし、プレゼントを楽しみにしている待ちに待った一日なのです。そして、夕方家族みんなや友人たちもよんで、このロスコン・デ・レージェス(Roscón de Reyes)と飲むチョコレートを食べながらワイワイおしゃべりに花が咲きます。このロスコン・デ・レージェス(Roscón de Reyes)は、生クリームやカスタードクリームが入っている物もありますが、基本的にはちょっとパサッとした感じで、砂糖漬けの果物が入っている菓子パンのようなものです。ちょっとしっとり感が足りないので、これを飲むチョコレートに付けながら食べると丁度良い感じですね!
面白いことは、ロスコン・デ・レージェス(Roscón de Reyes)の中には必ず人形や乾燥豆(乾燥ソラマメやひよこ豆など)が隠されています。切り分けられたとき、人形が当たった人はその年は良い年だとか。でも乾燥豆が当たった人は、次の年のロスコン・デ・レージェス(Roscón de Reyes)を買ってきて皆にごちそうしなければならない、といわれています。いかにも集まってワイワイすることが好きなスペイン人の都合の良い来年の約束って感じですよね! 「わー、私が当たっちゃった! じゃ、来年はロスコン・デ・レージェス持ってくるから、またみんなで集まろうね!」というわけです。