去る2026年5月6日、「スペインのノーベル賞」とも呼ばれる「アストゥリアス王女賞」のコミュニケーションおよびヒューマニズム部門の今年の受賞者に、日本アニメを代表するスタジオジブリが決まりました!おめでとうございます!

ちなみに「アストゥリアス王女賞(Premios Princesa de Asturias)」には、「コミュニケーションおよびヒューマニズム部門(Comunicación y Humanidades)」、「社会科学部門(Ciencias Sociales)」、「芸術部門(Artes)」、「文学部門(Letras)」、「学術・技術研究部門(Investigación Científica y Técnica)」、「国際協力部門(Cooperación Internacional)」、「共存共栄部門(Concordia)」、「スポーツ部門(Deportes)」の8部門の賞があります。

アストゥリアス王女財団の公式サイトによると、「アストゥリアス王女賞は、『国際的な分野において、個人、機関、あるいは個人や機関のグループによって行われた科学的、技術的、文化的、社会的、人道的な活動』を称えることを目的としている。 これらの原則に基づき、アストゥリアス王女賞(コミュニケーションおよびヒューマニズム部門)は、『人文科学とみなされる科学および学問分野の育成・発展、ならびにあらゆる形態の社会メディアに関連する活動』に対して授与される。」と規定されています。

16名の審査員から成る審査によって選ばれた栄えある賞ですが、今回の「コミュニケーション・人文科学賞」には、20カ国計48件の候補者がいました。スタジオジブリは、2026年アストゥリアス王女芸術賞の審査員2名の推薦により候補者となったそうです。そして、様々な国の候補者の中から日本のアニメを代表するスタジオジブリが選ばれたという訳です。

今回の受賞に当たって、「アニメーション界における世界的存在であるスタジオジブリの作品は、繊細な感性、ファンタジー、そして環境へのメッセージに満ちた物語で高く評価されている。専門家によると、その影響力は世代や国境を越え、異なる背景を持つ人々をつなぐ文化的架け橋となり、友情、共感、尊重といった時代を超えた価値観を伝えているという。 その作品は、卓越した創造性、手作りのアニメーション、そして自然への愛、寛容さ、人間、特に高齢者への敬意といったテーマの探求によって特徴づけられている。 スタジオジブリの映画は、日常の中に美を見出し、静寂と内省の瞬間を物語の重要な要素としている。また、その作品のもう一つの特徴は、勇気、複雑さ、そして変容する力に満ちた、力強く意志の強い女性主人公たちである。」と評価されています。(アストゥリアス王女財団の公式サイトより)

更に、「手描きイラスト、アクリル画、水彩画を用いた伝統的な作風は、スタジオジブリの作品の特徴の一つであり、その物語が世界中で愛される一因となっている。」と続きます。

確かに、自然を畏敬し、高齢者への敬意という昔から日本人の心に宿る魂を描き出している作品が多いようです。そして、スタジオジブリが描く世界の主人公に女性が多く、少女から女性へと変容する過程やその女性たちの逞しさ、意志の強さを持った主人公の姿が描き出されています。日本の報道では特に言及されていませんが、受賞に際して特に女性主人公たちについて言及されていることは注目すべきことでしょう。まだまだ男尊女卑の風潮が残っていた昭和・平成の時代に、スタジオジブリが作品を通して女性に大きなエールを送り続けてきたように思います。

スペインでも絶大な人気を誇るスタジオジブリの作品たち。そして、スタジオジブリの作品に魅了されてアニメの世界に入っていく多くのスペイン人がいます。今回の「アストゥリアス王女賞」のコミュニケーションおよびヒューマニズム部門の受賞は、やや遅いくらいかもしれません。

気になる授賞式は、スペイン国王陛下ご夫妻が主宰し、アストゥリアス王女と妹のソフィア王女も同席され、10月に開催される予定です。アストゥリアス王女賞には、同賞の象徴であるジョアン・ミロの彫刻、認定証、記章、および5万ユーロの賞金が授与されます。

ジョアン・ミロの彫刻がどのように作られるかの動画はこちらからどうぞ。

多くの日本人の方々が活躍し、それを他国でも認められることは矢張り嬉しい事です。スペインのアストゥリアス王女賞(以前の名前はアストゥリアス皇太子賞)は、これまでも多くの日本人の方々が受賞されています。これからも沢山の日本人の方々の活躍を願うとともに、スペインと日本の関係が深まるといいなとも思っています。

2023年に作家の村上春樹氏が受賞した際の記事も是非読まれてください。この「アストゥリアス皇太子賞」についての簡単な説明もしています。

今回は「アストゥリアス皇太子賞」ではなく「アストゥリアス王女賞」と表示を改めました。スペインの次期王位継承者はレオノール王女で、去年20歳を迎え、時期王位継承者として陸軍士官学校で士官として3年間の軍事訓練を受けられるなど、着々と準備を整えられていらっしゃいます。スペインでは、「議会君主制において、王位継承者は軍隊での経験と職歴を持つ必要がある」定められていることにより、このような教育も受けているという訳です。日本の報道では「アストゥリアス皇太子賞」という名前を使っていますが、そろそろ正式な名称に変更してもいいんじゃないかなと思い、今回は「アストゥリアス王女賞」と記しています。

参照サイト

・アストゥリアス皇太子財団(Fundación Príncipe de Asturias)の公式サイト

https://www.fpa.es/es/area-de-comunicacion-y-prensa/notas-de-prensa/studio-ghibli-premio-princesa-de-asturias-de-comunicacion-y-humanidades