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レオン(León)へ行こう!(5)―ナショナル ジオグラフィック トラベル リーダーズ チョイス アワード 2023

去る2023年4月25日、ナショナル ジオグラフィック トラベル マガジンで、スペイン国内ベスト デスティネーションを読者の方々に選んでもらうという第1回読者賞「ナショナル ジオグラフィック トラベル リーダーズ チョイス アワード 2023(Premios de los Lectores 2023 de Viajes Nacional Geographic)」の授賞式が行われました。そして、私が大好きなレオン市が栄えある「ベスト アーバン デスティネーション賞」に輝きました!

夜になるとレオン大聖堂の中の照明が美しいステンドグラスを浮かび上がらせます。鮮明に撮れず残念ですが、雰囲気だけでもお届けします(写真:筆者撮影)

ベスト アーバン デスティネーション賞 (Mejor Destino Urbano Nacional)

この賞は、ナショナルジオグラフィックトラベルマガジンの読者数千人の投票によって選ばれました。これは、歴史的遺産と文化的生活という面において、レオン市が「スペインの中で最も重要な都市のひとつ」という理由でこの賞に選ばれました。このブログでもレオン市の魅力についての記事があります。興味のある方はこちらもどうぞ。

レオン市内には、2000年の歳月をレオンの街と共に経てきた「ローマ時代の城壁(Muralla Romana)」、スペインの精神的バックボーンを作ってきたキリスト教の建築物でもあり、レオン王国の歴代王が埋葬されている霊廟がある「聖イシドロ王立参事会教会(Real Colegiata de San Isidoro)」、レオン市民の誇りでもありレオン市民の心の拠り所でもある「レオン大聖堂(Catedral de León)」、修道院、病院、刑務所、パラドールと使用目的が変遷していった「サン・マルコス教会(Iglesia de San Marcos)」、日本人でも知らない人はいないくらい有名なアント二・ガウディが建築した「カサ・ボティネス (Casa Botines)」、2005年に開館した現代美術館「ムサク(MSAC)」という、時代ごとの素晴らしい建築物をまるでタイムスリップして楽しめるように見て回ることができます。これが受賞理由の一つ「歴史的遺産」に当たるものです。

ガウディ建築「カサ・ボティネス」とベンチに座るガウディ。
ガウディの隣には地元のおばあちゃんとお孫さんが散歩の休憩中でした。(写真:筆者撮影)

もう一つの理由「文化的生活」の中の重要な要素として含まれていることに、レオンの街にある「バル」と呼ばれる多くタパスバーがあります。スペイン人にとって、「バル」のない生活は考えられません。どんなに小さな村でも必ずと言っていいほど「バル」はあります。数多くの「バル」で出される様々なタパスの質の高さもレオンの魅力の一つです。地元の食材を使った伝統的なタパスや家庭的なタパス、前衛的なタパスや切ったフランスパンを軽く焼き、その上に様々な料理を載せて食べる「トスタ」と呼ばれるものなど、実に色んな種類の美味しいタパスがレオンでは食べれます。「食」は旅の喜びの一つ、発見の一つ、そしてそこに住む人の生活様式や文化を知るすべとなるものの一つです。実は、スペインの中で、住民一人当たりのバルが最も多い都市はこのレオン市なのです!人口1,000人当たり5.03軒のバルがあるということ。確かに、ウメド地区(Barrio Húmedo)やロマンティコ地区 (Barrio Romántico)には沢山の「バル」が軒を争っており、どこに入ろうか?と、迷ってしまうほどです。

ロマンティコ地区(Barrio Romántico)にあるバル「エル・ガジネロ(El Gallinero)」。ここは手作りトルティージャ・デ・パタタス(Tortilla de patatas)がタパス。(写真:筆者撮影)
バル「エル・ガジネロ(El Gallinero)」の看板タパス、トルティージャ・デ・パタタス(Tortilla de patatas)美味しいですよ!(写真:筆者撮影)

「住民一人当たりのバルが最も多い都市はどこ?」というタイトルで「ラ・ラソン(La Razón)」という新聞に記事(2023年2月8日付)が載っています。スペイン語ですが、こちらです。

https://www.larazon.es/castilla-y-leon/cual-ciudad-espana-mas-bares-habitante_2023020863e13c3c308cc00001feb77b.html

レオンの魅力をもっと知りたい方は、こちらもどうぞ。

こちらがナショナルジオグラフィックトラベルのウエブサイトに出ている「ベスト アーバン デスティネーション賞」の内容です。

https://viajes.nationalgeographic.com.es/a/48-horas-sorprendentes-leon_12963

カスティージャ・イ・レオン州は観光の穴場!

今回の第1回読者賞「ナショナル ジオグラフィック トラベル リーダーズ チョイスアワード2023」の中では、カスティージャ・イ・レオン州の活躍が目立ちました。

「スペイン ベスト ガストロノミー デスティネーション賞 (Mejor Destino Gastronómico de España)」にはブルゴス市が、そして「ベスト ガストロノミック ルート賞(Mejor Ruta Gastronómica)」の最終候補に残りながら惜しくも賞を逃した「リベラ・デ・ドゥエロのワインルート(Ruta del Vino Ribera de Duero)」が特別賞 (Mención especial) を獲得しました。

カスティージャ・イ・レオン州は、美味しいワインあり、料理あり、歴史あり、文化ありの観光にはうってつけの場所なのです。その上、バルセロナやグラナダのように常に多くの観光客でにぎわっている所と異なり、もっとゆっくりと静かに自分のペースでまるでそこで生活しているように旅を楽しめる所です。

リベラ・デ・ドゥエロのワイン(Ribera de Duero)「マタロメラ(Matarromera)」
マドリッドにあるティッセン-ボルネミッサ美術館とのコラボで絵画がラベルに使われています(写真:筆者撮影)

ナショナルジオグラフィックトラベルのウエブサイトに出ている「スペイン ベスト ガストロノミー デスティネーション賞 (Mejor Destino Gastronómico de España)」を受賞したブルゴスの記事です。

https://viajes.nationalgeographic.com.es/a/burgos-sin-salir-ciudad_16573

こちらがナショナルジオグラフィックトラベルのウエブサイトに出ている「リベラ・デ・ドゥエロのワインルート(Ruta del Vino Ribera de Duero)」の記事。

https://viajes.nationalgeographic.com.es/a/ruta-por-ribera-duero_8054

「リベラ・デ・ドゥエロのワインルート(Ruta del Vino Ribera de Duero)」のウエブサイトです。興味のある方はこちらもどうぞ。英語版もあります。

https://www.rutadelvinoriberadelduero.es/

日本は大人気

「海外のベスト デスティネーション賞 (Mejor Destino Internacional)」では、日本が選ばれました!

最近、スペインでの日本人気は高いなと実感していただけに「やっぱり!」という感想です。私の周りでも日本を訪れたことがある人、訪れてみたいと考えている人は多く、和食レストランがどんどん増えてきていることからも、スペインから日本への旅行者がしばらくは増え続けそうですね。それに、若者の間で日本の漫画やアニメのポップカルチャーも根強い人気で、若者層から中年層まで幅広く層の厚い日本大好きスペイン人がいます。(笑)

ただ、日本も東京浅草や京都などの人気観光地は、外国人観光客が増えて一体ここは日本なの?というような状況だと聞いています。ある程度人数を制限するなどの対策を取っていかないと、スペイン語でもよく使われる「Morir de éxito (成功による死)」という表現のように、あまりに人気があり観光客が増えすぎて逆に観光客から避けられることになり遂には観光客が大幅に減るという事態が起こる可能性も起こりうるなという危機感を覚えています。住む人も、訪れる人たちも皆が心地よく過ごせるような工夫を民間共に知恵を絞って実行していかなければならないターニングポイントに来ていると思います。

最後に

ナショナル ジオグラフィック トラベル マガジンのスペイン語版は、スペイン国内だけではなく、スペイン語語圏の中南米の国々でも読まれている非常にポピュラーな雑誌です。スペイン国内を対象にした賞を中心に行われた読者投票なので、投票した人はスペインに住む人々が多かったと推測されますが、今回の受賞内容を見て分かることは、一般的な観光地や観光客でごった返している所ではなく、地元の人達から愛されている場所、居心地の良い場所、今もスペインらしさが残されている場所などが選ばれているということです。「観光地」という仮面を被ったまるで人工的でよそよそしく、地元の人々の日常からかけ離れてしまった場所ではなく、もっと地に足のついた「地元の人達が住みやすい場所、地元の人達のための場所」を見てみたいという方には、レオンはお薦めの街です。是非、次の旅行にレオンを加えて計画を立ててみてくださいね。

最近ファザード部分がきれいになって、華麗な姿を現したサン・マルコス教会(写真:筆者撮影)

今回の内容の元となったナショナルジオグラフィックトラベルのウエブサイトはこちらです。

https://viajes.nationalgeographic.com.es/a/asi-fue-la-entrega-de-los-i-premios-de-los-lectores-2023-de-viajes-national-geographic_19258

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