ちょっとスペイン語 -6-(Escalofrío – 悪寒、ぞっとする)

ここでは、ちょっとしたスペイン語の言い回しや、ことわざ、話し言葉など、辞書には載っていない単語も含めて紹介していきます。スペイン語を勉強している方には言葉の幅が広がるお手伝いができればいいなと、スペイン語には興味ないという方には雑学として楽しんでいただければいいなと思っています。

Escalofrío 悪寒、ぞっとする

この単語は、一般的に複数形で使われることがほとんどです。辞書には意味として、悪寒、悪寒による震え、戦慄などが出ています。

例えばー

Creo que estoy incubando una gripe. Es que desde esta mañana tengo escalofríos.

どうやら風邪をひきかけているみたい。だって、今朝からずっと寒気がしてゾクゾクしてるんだ。

この場合は、悪寒による震えのことを意味しています。

¿Has visto la película que emitió anoche en la 1?

Sí, pero no pude terminar de verla, es que me cogieron escalofríos.

夕べ1チャンネルで放送していた映画見た?うん、だけどぞっとして最後まで見れなかったよ。

この場合は、悪寒がするほど怖かったという意味です。

毎年冬になるとよく聞くこの言葉ですが、今年はあまり聞かないようです。コロナウイルスのせいで、インフルエンザが影を潜ませているせいでしょうか。それとも、マスクが義務付けられ、皆体調管理に気を配っているせいでしょうか。

とにかく、コロナウイルスにもインフルエンザにも感染しないで乗り切りたいですね。

おいでよ!スペインの素敵な村(2)-カスティーリャ・イ・レオン州-ラ・アルベルカ(La Alberca)

アルベルカ (La Alberca) のマヨール広場 (Plaza Mayor) にある十字架 (写真:筆者撮影)

スペインで最も美しい村

サラマンカから車で1時間半程で行けるアルベルカの村は、「スペインで最も美しい村」という協会に認定され登録されている村の一つです。「日本で最も美しい村」という日本版の協会もあるのでご存知の方も多いかもしれません。ちなみに、この「スペインで最も美しい村」という協会は2011年に設立され、人口1万5000人以下(歴史地区の人口は5000人以下)であること、建築的遺産または自然遺産があることなどを条件に、村内の環境、宿泊施設、案内板に至るまで厳正に審査し、登録を認定しています。2020年12月末時点で、105村が認定されています。(ウィキペディアより)

そして、このアルベルカは1940年に歴史的・芸術的な村としてスペインで宣言された最初の村でもあります。これは、アルベルカの村があるシエラ・デ・フランシア(Sierra de Francia)地方の伝統的な建物によるものです。

この村は、ただただぶらぶらと歩きまわって見るだけでもとても美しい村です

イグレシア広場にある家々。夏になるとベランダの花が咲いて目を楽しませてくれます。(写真:筆者撮影)

また、この村からバトゥエカスと呼ばれる場所まで行くと、新石器時代の岩画が残っていて、歴史的にも古い地方です。バトゥエカスは、散歩道沿いに川が流れていて夏になると川遊びができ、涼しいので週末ともなると家族連れでにぎわいます。

また、カルメル会のバトゥエカス修道院(Monasterio de Las Batuecas)があり、現在も少人数の修道士達が静かに瞑想の生活を送っているそうです。一般観光客には公開されていませんが、一定の期間、世俗を離れて瞑想の生活を送りたい人々のための宿泊所として開かれています。

このアルベルカ辺りに住む人が増えてくるのは12~13世紀ころからです。そして、シエラ・デ・フランシア(Sierra de Francia)地方にある大きな岩の上であるペーニャ・デ・フランシア(Peña de Francia)にて聖母像が発見されると、礼拝堂が建てられ巡礼者が訪れるようになりました。15世紀のことです。「銀の道」というスペインのサンティアゴ巡礼の道の一つがこの礼拝堂を通り、南からの巡礼者たちの巡礼の道となっていたところでもあります。ちなみにこの礼拝堂は、標高1727mの岩山の上にあり、世界で最も高い位置にある礼拝堂です。冬になると雪のため通行不能になるような場所ですが、ここの修道士たちは南米やフィリピンへ宣教師として派遣されていたとのことです。

現在のようなアルベルカの村が作られていくのは16世紀末以降ですが、それまでアルベルカの村があるこの地方には、ローマ人、西ゴード人、ユダヤ人、アラビア人と様々な文化を持つ人々が綿綿と暮らしてきました

建物の特徴

この村の建物の特徴は、石と木材を使い、柱が見える真壁造り(しんかべづくり)となっていることです。

また、一階部分は石造りで二階から上が張り出した形になっていて、屋根に至っては向かいの建物の軒に届きそうなくらい張り出しています。この狭い通りの両側にある家々が作り出す光と影は、この村を散歩する際に是非楽しんでいただきたい点の一つです。

アルベルカの家々(写真:筆者撮影)

アルベルカの村を歩いていると、まるで迷路に迷い込んでしまったような錯覚を起こさせます。まるでユダヤ人街の中にいるようです。実際、アルベルカの村にはユダヤ教からキリスト教に改宗したユダヤ系の人が多く住んでいたとか。

アルベルカの村の中心はマヨール広場です。花崗岩でできたアーケード、古いバルコニー、石灰によって白塗りされた壁に光が当たるとまばゆいばかりの白です。白壁と横木のこげ茶色のコントラストが奏でる軽快なリズムを是非自分自身で感じてみてください。

夏になると、バルコニーに色とりどりの花が飾られて私たちの目を楽しませてくれます。

まるで集合写真を撮るかのように十字架の足元に集まる若者たち(写真:筆者撮影)

家の扉の上にある様々なしるし

村の道を歩きながら家々を見ていくと、扉の上にその家が建てられた年や紋章のようなものが彫られていることにすぐ気づくことでしょう。

これらは、キリスト教ドミニコ会の紋章や異端尋問であるインキシシオン(Inquisición)の紋章等やアナグラムが刻まれています。なぜこのような宗教的な紋章を刻んだのでしょうか。ここアルベルカは前述したようにユダヤ教からキリスト教に改宗したユダヤ系の人や、またイスラム教からキリスト教に改宗した人も多かったのですが、自分たちはちゃんと改宗していますよという信仰の目じるしとして、自分の家の扉の上に刻み込んで信仰を表明したと言われています。

ちなみに、ドミニコ会はスペインにおいて異端の改宗と取り締まりを先頭に立って活動していた修道会です。スペインカトリックの暗い時代の片鱗をこの村の家々に見るような気がしました。

ドミニコ会紋章(写真:筆者撮影)
インキシシオン(Inquisición)紋章(写真:筆者撮影)))

手工芸品・お土産

今回、私は有名なアルベルカの蜂蜜を自宅用のお土産に買って帰りました。周囲を山で囲まれたこのアルベルカは、特に栗の花の蜂蜜が有名です。実はまだ栗の花の蜂蜜を食べたことがなかったのですが、濃厚でちょっとビターな今まで食べた蜂蜜とは全く違う味でとても美味しいものでした。また、美味しいだけではなく、栗の花の蜂蜜には様々な効能があるとのこと。含有するタンニンが、動静脈にくっつこうとする脂肪を回避する働きをしてコレステロールを下げたり、酸化防止によるアンチエイジングの効能もあります。その他、血の巡りを良くしたり、鉄欠乏性貧血の方には鉄分補給にも役立ち、抗菌等の効能もあり、蜂蜜の中でも特に体に良い蜂蜜だそうです。

他に、私の好きなラベンダーの蜂蜜とクリーム状の蜂蜜も買ってきました。お土産に良いサイズでラベルも可愛くて、お友達にプレゼントしても喜ばれそうです。日本ではあまり売ってない蜂蜜もいろいろありますよ。イグレシア広場にある今年オープンしたてのお洒落なお店「レイナ・シエラ・デ・フランシア(Reina Sierra de Francia)」を見つけたので紹介します。現在(2021年1月)はコロナウイルスのため行われていませんが、蜂蜜採集などを体験するツアーなども開催したいとのことでしたので、コロナ収束後が楽しみです。

お洒落なハチの巣形の棚(写真:筆者撮影)
右から栗・クリーム・ラベンダーの蜂蜜(写真:筆者撮影)
試食用の蜂蜜(写真:筆者撮影)

他にアルベルカのお土産でお薦めなのは、伝統手工芸品である刺繍が施されている布ものです。

色彩豊かで見ているだけで気持ちが明るくなるようなその素晴らしい刺繍は、母から娘へ、娘から孫へと伝わってきた伝統的なものです。モチーフとしては鳥や魚、ライオンや双頭の鳥、花柄に宗教的な絵柄等です。それぞれに意味があるそうで、鳥は女性、ライオンは男性を表し、双頭の鳥は結婚を意味するとか。また、色合いにも意味があり、全体の柄を青色で刺繍する場合は「死」を表し、故人と共に棺に入れて埋葬していたそうです。大きなテーブルクロスなどはちょっと手が出ないくらい高価なものも多いのですが、花瓶敷きなど小物であれば手ごろな値段で買えるので、お土産にはもってこいですね。

また、同じ柄の陶器もアルベルカの工芸品の一つです。

私も次回アルベルカへ行ったときは、サラダボールを買いたいなと思っています。陶器は割れる心配もあるのでお土産にはためらわれるかもしれませんが、小さな指ぬきや小皿等だったら割れる心配はないかもしれません。こんな素敵な柄のカップでお茶を飲みながらアルベルカの村の思い出に浸るのもいいですね!

Artesanía
「La Alberca」ウエブサイトより

お薦め

アルベルカには是非一泊することをお薦めします!

何故なら、陽が沈み、空気が冷たくなる時刻には街灯がつき始め、お昼とは全く異なる顔のアルベルカを見せてくれるからです。夜になると多かった観光客もグッと少なくなり、お昼に歩いた通りをもう一度歩いてみると、まるでタイムスリップしたような錯覚に陥ります。300年以上も前に同じ石畳の道を改宗したユダヤ系の人たちやアラビア系の人たち、そしてローマ人や西ゴード人の末裔の人たちが、おしゃべりしながら闊歩していたことを想像するのは楽しいものです。流石に、その頃は東洋人は居なかっただろうななどと思いながら歩いていると、ついついもし当時の人が私に出会ったらどんな顔するかしら、などと勝手な想像が膨らんできます。スペインの保存状態の良い村々を訪れる機会があれば、是非一泊されて時空の旅を楽しまれることをお薦めします

オレンジ色の街灯は暖かいイメージを抱かせてくれて、今回冬に訪れた際もかなり寒さが厳しかったにも拘わらず、心はほっこりと暖かくなりました。コロナウイルスの影響で泊まることはできませんでしたが、朝日を浴びたアルベルカの村もきっと素晴らしく、別の印象を与えてくれることでしょう。

オレンジ色の街灯がついたマヨール広場(写真:筆者撮影)

食べ物では、アルベルカの村でリモン・セラーノ(Limón Serrano)と呼ばれるこの地方の名物料理やオルナッソ(Hornazo)を是非お試しください。

また、アルベルカの村から近いサン・マルティン・デル・カスタニャル(San Martín del Castañar)モガラス (Mogarraz)にもぜひ足を延ばしてほしいですね。サン・マルティン・デル・カスタニャル(San Martín del Castañar)とモガラス (Mogarraz)も「スペインで最も美しい村」という協会に認定され登録されている村です。

このシエラ・デ・フランシア(Sierra de Francia)地方は、遊歩道もいろいろあり、散歩するのにもいい場所です。是非、一度訪れてみてくださいね!

アルベルカと周辺 情報

La Alberca :日本語版もあります!アルベルカがざっくり紹介されています。

Historia – La Alberca :アルベルカの歴史について。残念ながらスペイン語のみです。

Oficina de Turismo Municipal de la Alberca – Portal de Turismo de la Junta de Castilla y León (turismocastillayleon.com):カスティーリャ・イ・レオン州のオフィシャルサイト。日本語はありませんが、英語はあります。

Mancomunidad de la Sierra de Francia(サラマンカ)の観光ポータル (turismosierradefrancia.es) :シエラ・デ・フランシア(Sierra de Francia)地方全体を紹介したウエブサイト。日本語版もあります。

レイナ・シエラ・デ・フランシア(Reina Sierra de Francia) Reina Sierra de Francia – ホーム | Facebook:このブログで紹介した蜂蜜のお店。教会の前にあります。

住所:ラ・イグレシア通り32番地 アルベルカ サラマンカ県(C/La Iglesia, 32 La Alberca)   TEL:(34)675 394 593 / (34) 639 180 852  E-mail:reinasierradefrancia@hotmail.com

スペインでバードウォッチング!-種類別 スペインの野鳥 日本語名(ハクチョウ類)

ここでは、スペインに生息する野鳥の名前を、種類別に集めてみました。スペイン語名をクリックしてもらうと、スペイン鳥学会のホームページに飛びます。残念ながら日本語版はありませんが、英語での鳥の名前は出ています。スペインで野鳥観察されるとき、またはスペインの旅の途中で見かけた鳥のスペイン語名を知りたいときに、少しでもお役に立てれば幸いです。

Cisnes = ハクチョウ類

スペイン語日本語ラテン語//常駐/偶然
Cisne vulgarコブハクチョウCygnus olor常駐
Cisne cantorオオハクチョウCygnus cygnus偶然
Cisne chicoコハクチョウCygnus columbianus偶然