スペインでバードウォッチング!-世界一大きな飛べる鳥「ノガン」を見に行こう!-カスティーリャ・イ・レオン州「ビジャファフィラ・ラグーン(Lagunas de Villafafila)」

                              観察日:2020年10月18日

                               観察した鳥の種類:34種類

ビジャファフィラ・ラグーン(ビジターセンターが見えている)/写真:筆者撮影

ヨーロッパ中のバードウォッチャーがやってくるバードウォッチングの聖地

今回は、カスティーリャ・イ・レオン州のサモーラ県にある自然保護区で、ラムサール条約登録地でもある、「ビジャファフィラ・ラグーン(Lagunas de Villafafila)」に行ってきました。ここは、地球上にいる飛べる鳥類としては世界一大きな鳥「ノガン(Avutarda)」が生息していることで有名で、ヨーロッパ中のバードウォッチャーがやってきます。コロナウイルス感染者が増加中であるにもかかわらず、イギリスから来たというバードウォッチャーにも今回出会いました。「ノガン」は、オスの方がメスより大きいのですが、オスは全長115㎝、18㎏です。なかなか飛んでいるところは見れないのですが、飛ぶ姿はなかなかの見物です。久しぶりに見れたらいいな~と期待しながら行ってきました。私が住んでいるサラマンカからは車で約1時間ちょっと。この日はお天気にも恵まれ、とても気持ちの良い一日でした。

ゴーストタウン「オテロ・デ・サリエゴ(Otero de Sariego)」

ビジャファフィラのビジターセンターの開館時間まで、近くの村「オテロ・デ・サリエゴ」に行き、早速、野鳥観察。ちなみに、この村は今では全く住む人のいないゴーストタウンです。今は廃墟となった教会や、この地方でよくみられる鳩舎(Palomar)などが残っていますが、ここの住人はの野ウサギや様々の鳥たちです。鳩舎を再現したハイドが造られていて、ゆっくりのんびり思う存分野鳥観察が楽しめます。今回は、夏から全く雨が降らなかったせいか、村にある大きなラグーンはかなり干上がって小さくなっていて、残念ながら、ここではあまり水鳥は見れませんでした。でも、他の鳥は結構見れましたよ。

廃墟と化した鳩舎(Palomar)/写真:筆者撮影

この地域は野鳥保護区に指定されていて、生息数が激減している「ヒメチョウゲンボウ」もよく見れます。世界の42%に当たるヒメチョウゲンボウが、ここカスティーリャ・イ・レオン州に生息し、そのうち50%がこの野鳥保護区にいるとのこと!。実際、車でゆっくり走っていると道の両側に「飛ぶヒメチョウゲンボウ」や「止まっているヒメチョウゲンボウ」をあちこちで簡単に見ることができます。

オテロ・デ・サリエゴ(Otero de Sariego)のハイド。鳩舎(Palomar)を再現しています。向こう側にはラグーンが広がっているはずでしたが、残念ながら干上がって水がみえません。/ 写真:筆者撮影

この地方は、「パロマール(Palomar)」と呼ばれる鳩舎があちこちで見られます。これは、鳩のひな鳥(Pichón)を食用とし、鳩の糞を肥料に使用するために造られていました。現在では、一般家庭で鳩のひなを食べる習慣はあまりないようですが、レストランでは鳩のひな料理が食べられますよ。

ラグーンには、ローマ時代の橋も残っています。(Puente Romano)/写真:筆者撮影

今回、オテロ・デ・サリエゴ(Otero de Sariego)で出会えた鳥たちは以下の通りです。

・ソリハシセイタカシギ(学名:Recurvirostra avosetta / 西:Avoceta Común)

ソリハシセイタカシギ(学名:Recurvirostra avosetta / 西:Avoceta Común)/ 写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

・ツクシガモ(学名:Tadorna tadorna / 西:Tarro Blanco)

ツクシガモ(学名:Tadorna tadorna / 西:Tarro Blanco)/ 写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

・ハイイロガン(学名:Anser anser / 西:Ansar Común)

ハイイロガン(学名:Anser anser / 西:Ansar Común)/ 写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

・マガモ(学名:Anas platyrhynchos / 西:Anade Azulón)

マガモ(学名:Anas platyrhynchos / 西:Anade Azulón)/ 写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

・アカトビ(学名:Milvus milvus / 西:Milano Real)

アカトビ(学名:Milvus milvus / 西:Milano Real)/ 写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

・ノビタキ(学名:Saxicola rubicola / 西:Tarabilla Común)

ノビタキ(学名:Saxicola rubicola / 西:Tarabilla Común)/ 写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

・クロヅル(学名:Grus grus / 西:Grulla Común)

クロヅル(学名:Grus grus / 西:Grulla Común)/ 写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

10月18日に野鳥観察に行ったのですが、驚いたことに、クロヅルの群れの中に一回り大きく白いツルが一羽混じっていました。どうもこれは日本のタンチョウヅルだったようです。ビジャファフィラの野鳥のサイトにも17日と22日に目撃されたことが出ていました。ちょっと遠くてよくは見えなかったのですが、こんな遠い西の果ての国でタンチョウヅルに出会えるとは嬉しい驚きでした。

・アカアシイワシャコ(学名:Alectoris rufa / 西:Perdíz Roja)

アカアシイワシャコ(学名:Alectoris rufa / 西:Perdíz Roja/ 写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

・ヨーロッパチョウヒ(学名:Circus aeruginosus / 西:Aguilucho Lagunero)

ヨーロッパチョウヒ(学名:Circus aeruginosus / 西:Aguilucho Lagunero)/ 写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

・イソシギ(学名:Actitis hypoleucos / 西:Andarrios Chicos)

イソシギ(学名:Actitis hypoleucos / 西:Andarrios Chicos)/ 写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

・ハタホオジロ(学名:Miliaria calandra / 西:Escribano Triguero)

ハタホオジロ(学名:Miliaria calandra / 西:Escribano Triguero)/ 写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

・タゲリ(学名:Vanellus vanellus / 西:Avefría)

タゲリ(学名:Vanellus vanellus / 西:Avefría)/ 写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

・ハシグロヒタキ(学名:Oenanthe oenanthe / 西:Collalba Gris)

・ヒメチョウゲンボウ(学名:Falco naumanni / 西:Cernícalo Primilla)

ヒメチョウゲンボウ(学名:Falco naumanni / 西:Cernícalo Primilla)/ 写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

・チョウヒワシ(学名:Circaetus gallicus / 西:Águila Culebrera)

チョウヒワシ(学名:Circaetus gallicus / 西:Águila Culebrera)/ 写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

・ワタリガラス(学名:Corvus corax / 西:Cuervo)

・ニシコクマルガラス(学名:Corvus monedula / 西:Grajilla)

・カワラバト(学名:Columba livia / 西:Paloma Doméstica o Paloma Bravía)

「ノガン(Avutarda)」との再会

さて、オテロ・デ・サリエゴ(Otero de Sariego)からビジャファフィラ(Villafafila)まで行き、ビジターセンターに寄ろうとしましたが、残念ながらコロナウイルス感染予防のため、ビジターセンターの中には入れませんでした。このビジターセンターは、ビジャファフィラ・ラグーンで昔塩が取れていたその歴史や塩の採取方法などが詳しく説明されたパネルなどもあり、一見の価値ありです。次回行くときはコロナウイルスが終息していることを祈りながら、ビジターセンターの外の敷地内での野鳥観察に行きました。敷地内には、幾つものハイドが造られていて、ゆっくりバードウォッチングを楽しめます

カサ・デル・パルケ(Casa del Parque)と呼ばれるビジターセンター / 写真:筆者撮影

今回見た鳥たちは以下の通りです。

・ノガン(学名:Otis tarda / 西:Avutarda)

ノガン(学名:Otis tarda / 西:Avutarda)/ 写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

・カイツブリ(学名:Tachybaptus ruficollis / 西:Zampullín Común o Zampullín Chico)

カイツブリ(学名:Tachybaptus ruficollis / 西:Zampullín Común o Zampullín Chico)/ 写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

・オオバン(学名:Fulica atra / 西:Focha Común)

オオバン(学名:Fulica atra / 西:Focha Común)/ 写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

・タシギ(学名:Gallinago gallinago / 西:Agachadiza Común)

タシギ(学名:Gallinago gallinago / 西:Agachadiza Común)/ 写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

・ハシビロガモ(学名:Anas clypeata / 西:Pato Cuchara)

・オカヨシガモ(学名:Mareca strepera/ 西:Ánade Friso)

オカヨシガモ(学名:Mareca strepera/ 西:Ánade Friso)/ 写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

・ヒドリガモ(学名:Anas penelope / 西:Ánade Silbón)

ヒドリガモ(学名:Anas penelope / 西:Ánade Silbón)/ 写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

・コサギ(学名:Egretta garzetta / 西:Garceta Común)

コサギ(学名:Egretta garzetta / 西:Garceta Común)/ 写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

・ダイサギ(学名:Egretta alba / 西:Garceta Grande)

ダイサギ(学名:Egretta alba / 西:Garceta Grande)/ 写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

・イエスズメ(学名:Passer domesticus / 西:Gorrión Común)

イエスズメ(学名:Passer domesticus / 西:Gorrión Común)/ 写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

・カササギ(学名:Pica pica / 西:Urraca)

カササギ(学名:Pica pica / 西:Urraca)/ 写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

・バン(学名:Gallinula chloropus / 西:Gallineta Común)

・シュバシコウ(学名:Ciconia ciconia / 西:Cigueña Blanca)

シュバシコウ(学名:Ciconia ciconia / 西:Cigueña Blanca)/ 写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

・アオサギ(学名:Ardea cinerea / 西:Garza Real)

アオサギ(学名:Ardea cinerea / 西:Garza Real)/ 写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

・ヨーロッパノスリ(学名:Buteo buteo / 西:Busardo Ratonero)

・ムジホシムクドリ(学名:Sturnus unicolor / 西:Estornino negro)

・ムジホシムクドリ(学名:Sturnus unicolor / 西:Estornino negro) / 写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

飛ぶ「ノガン」には出会えませんでしたが、ビジターセンター(Casa del Parque)敷地内で傷ついた「ノガン」を飼っていて、ハイドからゆっくり観察することができました。本当に近くから見るとかなり大きいサイズの鳥だということを実感できます。このビジャファフィラ・ラグーンは、スペインの中でも最も「ノガン」が多く生息している場所です。今回は、秋に行ったので野生の「ノガン」はかなり遠くに、かすかに確認できるぐらいにしか見えなかったのですが、恋の季節に当たる3月から4月には、よく見えるそうです。現在、ビジャファフィラで確認されている「ノガン」の数は約3000羽で、ヨーロッパ全体で2万5000羽ほどが生息していると言われています。

ビジターセンター(Casa del Parque )敷地内にあるハイドの一つ / 写真:筆者撮影

是非、一度は世界一大きな飛べる鳥「ノガン」や、「ヒメチョウゲンボウ」に会いに、ビジャファフィラ・ラグーンまで望遠鏡持参で来てくださいね!

ビジャファフィラ 情報

・ビジャファフィラ・ラグーンについての一般情報やビジターセンター、「ノガン(Avutarda)」や「ヒメチョウゲンボウ(Cernícalo Primilla)」の情報が紹介されています。ただ、残念ながらスペイン語版のみです。左側の「Fauna」の「Avistamientos」をクリックすると、最新の目撃された鳥の名前が出てきます。

https://villafafila.com/default2.asp

・カスティーリャ・イ・レオン州の公式観光ウエッブページ。これは英語もあります。

https://www.turismocastillayleon.com/es/rural-naturaleza/espacios-naturales/reserva-natural-lagunas-villafafila#locale=es_ES!nearLat=41.85600299999999!nearLon=-5.593235999999992!nearDistance=40!minLat=44.385354163710005!minLon=-2.4190489023474515!maxLat=39.145651419206914!maxLon=-8.78936102683819!zoom=6

・サモーラ県観光ウエッブページ。英語版もあります。

https://www.turismoenzamora.es/villafafila/

ビジャファフィラ近辺 観光情報

・スペイン観光公式サイト。サモーラ県の10点の魅力を日本語で紹介しています。

https://www.spain.info/ja/toppu/samora-wo-otozureru-riyuu/

・ビジャファフィラから割と近くに廃墟となった12世紀のシトー会の修道院「サンタ・マリア・デ・モレルエラ修道院(Monasterio de Santa María de Moreruela)」があります。興味のある方は立ち寄ってみてください。

https://www.romanicozamora.es/es/monumentos/ver/monasterio-granja-de-moreruela/141

ピーマン嫌い解消!スペイン流、とっても美味しいピーマンの食べ方「焼きピーマン(Pimientos Asados)」&「揚げ煮シシトウ(Pimientos de Padrón Frito)」

10月も半ば過ぎ、我が家の畑の夏野菜もそろそろ終わりの時期となっています。

ピーマンの収穫がここ1ヶ月程続いていますが、朝晩の気温もグッと下がってきたので今年のピーマンも最終段階に入ってきました。

子供の頃、私自身それほどピーマンが好きではありませんでしたが、スペインに来てピーマンの美味しさ発見!日本では知られていない食べ方や料理の仕方等で、イマイチだったピーマンがピカイチになりました。

そこで、今回はスペインで一般的なとってもおいしいピーマンの食べ方を紹介します。

まずは、焼きピーマン。日本ではパプリカという呼ばれている肉厚のもので作ります。

赤と黄パプリカをオーブンで焼きました

焼きピーマン(Pimientos Asados)

材料:4人分

・赤パプリカ                 2~3個

・黄パプリカ                 2~3個

作り方

1.パプリカは軽く水洗いし、よく水けを拭いておく。

2.180℃に熱したオープンに入れ、約30分焼いたらひっくり返して約30分焼く。しんなりしたら出来上がり。(写真参照)

こんな感じになったら焼き上がりです

3.冷めたら、薄皮と種をきれいに取り除き、焼き汁と一緒に瓶に詰め真空にして保存します。この保存の際、ニンニクを切って焼きピーマンと一緒に瓶に入れたり、焼き汁を少々とバージン・オリーブ・オイルを入れて保存すると、すぐお肉の付け合わせとしても使えますよ。

この焼きピーマン、作り置きしておくと色んな場面で重宝します。

レタス・アボカド・スイートコーン・トマト、そして黄パプリカの焼きピーマンを飾ってサラダに

この他にも、ツナ缶と焼きピーマンを混ぜて、バルサミコ酢、バージン・オリーブオイルと塩で味付けしたものをクラッカーにのせて、カナッペスタイルでもなかなかお洒落なおつまみができます。

また、お肉やお魚をフライパンで焼いて、この焼きピーマンとニンニク、それにそれに瓶に残っているピーマンの焼き汁も少し混ぜてオリーブオイルで軽く炒め、焼いたお肉やお魚その付け合わせにするのもいいですよ。時間がない時にあっという間にできる、便利な料理の一つです。

豚ヒレをフライパンで軽く焼き、焼き汁と焼きピーマンを合わせてトッピングしたトスタ

この焼きピーマン、スーパーなどでも赤パプリカで作ったものが瓶詰めで売っています。ちょっとしたお土産にも喜ばれること間違いなしです!

次に、日本のシシトウにそっくりなピミエントス・デ・パドロン(Pimientos de Padrón)をオリーブオイルで揚げ煮するという、夏になるとレストラン等でもよくみる定番の料理を紹介します。

スペイン版シシトウ(ピミエントス・デ・パドロン)の揚げ煮(Pimientos de Padrón fritos)

材料:4人分

・ししとう                 300g

・オリーブオイル              適宜

・粗塩                   適宜

作り方

1.シシトウには、少し切れ目を入れておく。

2.フライパンに多めにオリーブオイルを敷き、中強火にして温める。

3.オリーブオイルが温まったら、重ならないようにシシトウを入れてゆっくり揚げ煮する。ひっくり返しながら、焦げないように気を付けて揚げる。しんなりなったらすぐ取り出し、油を切る。

4.皿にのせ、粗塩を軽く振って熱いうちに召し上がれ!

手前の大きいやつはイタリアン・ピーマン。同じやり方で揚げ煮したらとても美味しかったですよ!

このまま、パクパク食べてもよし、お肉などの付け合わせにしてもよし。決め手は、オリーブオイルなので、サラダ油ではなく、オリーブオイルでお試しくださいませ。