ちょっとスペイン語 -31-  (Chachi-素晴らしい、とても良い)

ここでは、ちょっとしたスペイン語の言い回しや、ことわざ、話し言葉など、辞書には載っていない単語も含めて紹介していきます。スペイン語を勉強している方には言葉の幅が広がるお手伝いができればいいなと、スペイン語には興味ないという方には雑学として楽しんでいただければいいなと思っています。

この「素晴らしい」「とても良い」という表現「Chachi(チャチ)」は、スペインでよく使われる口語表現の一つです。最初にこの言葉を聞いたとき、どうしても日本語の「ちゃち」と同じ音に引っ張られて、「安っぽい、見劣りする、つまらない」という意味が一番に頭に浮かんできて、どうも相手が言っている言葉のシチュエーションは正反対のようだが…と違和感を持って話を聞いていたのを思い出します。(笑)

Chachi-素晴らしい、とても良い

Decías que ibas al festival de verano, y ¿qué tal fue?

サマーフェスに行くって言ってたけど、どうだった?

¡Chachi! y fue la primera experiencia.

初めて行ったけどとっても良かった

また、この「Chachi」は、「pirulí(ピルリ)=円錐形の棒付きキャンディー」を伴い、「Chachi pirulí(チャチ・ピルリ)」ということもあります。ここで「棒付きのキャンディー」が何故出てくるんだろう⁈と疑問がわきますが、語源はよくわからないようですね。きっと、音の響きが良いから使われるようになったんじゃないかな、と。これは勝手な憶測にすぎませんが。

¿Vamos al cine mañana para ver la película que querías ver?

明日、お前がが見たかった映画を観にいこうか。

¡Chachi pirulí! ¡Gracias, papá!

やったー!パパ、ありがとう!

日本人にとっては、「ちゃち」は真逆の意味になるので変な感じですが、同じ発音の語彙ということもあって覚えやすい単語ではありますね。是非、使って試してみてください。

ちょっとスペイン語 -30-  (Caer la del pulpo-どしゃ降り雨、滝の様な雨が降る)

ここでは、ちょっとしたスペイン語の言い回しや、ことわざ、話し言葉など、辞書には載っていない単語も含めて紹介していきます。スペイン語を勉強している方には言葉の幅が広がるお手伝いができればいいなと、スペイン語には興味ないという方には雑学として楽しんでいただければいいなと思っています。

7月に入りましたが、日本はまだまだ梅雨の季節ですね。

私が住むサラマンカでは、今年は本当に雨の多い年です。そして、単に雨が降るだけではなく激しい雨に見舞われることもあります。

日本も梅雨時期の豪雨やバケツをひっくり返したような雨はよくありますよね。

今回は、スペインでよく使われている大雨に関する面白い表現を取り上げます。

Caer la del pulpo-どしゃ降り雨、滝の様な雨が降る

スペイン語で動詞「caer」には、「落ちる、落下する、転ぶ、倒れる、垂れ下がる、減少する、等々」色んな意味が含まれますが、「Cae lluvia(雨)」で「雨が降る」という意味があります。

「pulpo(プルポ)」とはスペイン語で軟体動物の「タコ」のことです。

「Caer la del pulpo」を直訳すると「タコが降る」という意味になります。エッ⁈ 何それ⁈ ですよね。(笑)

そういえば、英語でも It’s raining cats and dogs. という表現がありますよね。

スペインではとても激しい雨が降っていたりするとこの「タコが降る」というおもしろい表現を使うのです。

Ayer, nada más salir de casa empezó a caer la del pulpo.

昨日、家を出てすぐに土砂降り雨になったよ。

Así que me calé entero a pesar de que tenía paraguas.

お陰で、傘を持ってたけどずぶ濡れになっちゃった。

大きなタコが沢山空から降ってきたら大変だろうな・・・等ど漫画チックな想像をしながらいつもこの表現を聞いています。(笑)

この「タコ」を使った表現には、誰かが叱られたり、殴られたりすることを表すのにも使われこともあり、こちらは「le va a caer la del pulpo」「~は叱られた、~は殴られた」という言い方をします。

¡Vaya! ¡Se ha roto el cristal de la ventana!

しまった!窓ガラスが割れちゃったよ!

¡Uy! ¡Nos va a caer la del pulpo! Justo ayer nos dijo mamá que no jugaramos con balón en nuestra habitación.

わー、叱られるぞ!昨日、ママから部屋でボール遊びするなって言われたばっかりなのに。

どちらの表現も日本人の感覚では不思議で面白い表現ですね。

ちょっとスペイン語 -29-  (Tener tela marinera-厄介である、手間がかかる、大変な苦労をする)

ここでは、ちょっとしたスペイン語の言い回しや、ことわざ、話し言葉など、辞書には載っていない単語も含めて紹介していきます。スペイン語を勉強している方には言葉の幅が広がるお手伝いができればいいなと、スペイン語には興味ないという方には雑学として楽しんでいただければいいなと思っています。

写真: ウィキペディアドメイン

スペイン語圏で最も権威の高いスペイン王立アカデミー(Real Academia Española)が発行している辞書によると、「Tener tela marinera」は「Tener gran dificultad」という説明があります。つまり、「大きな困難を伴う」という意味で、「厄介である、手間がかかる、大変な苦労をする」ということです。「Tela」は「布」、「Marinera」は「船舶の」という意味があり、直訳すると「船舶の布を所持する」ということですが、この言い回しは船の帆に使われる布地を指しているようです。船の帆に使われる布は高価なうえ大量の布が必要であり、作るのが大変だったので、こういう言い回しができたと言われています。その意味から派生して、「とても難しいこと」「骨の折れる事」の他にも「大量のもの」という意味にも口語ではよく使われています。

Después de trabajar 8 horas ir a la autoescuela tiene tela marinera.

8時間仕事した後に自動車学校に行くのは大変だよ

¿Cuántas horas te quedan las clases de la práctica?

実習クラスはあと何時間残っているの?

Me queda aún por lo menos 20 horas…

少なくとも20時間は残っているよ…

¡Vaya tela marinera!/¡Vaya tela!/¡Tela!

そんなに残ってるの!

上の例文でお分かりの様に、「Tela marinera」や「Tela」だけでも使えます。場面によって意味が少し異なり、「量が多い」という意味で使われたり「大変だ」という意味でも使われたりします。単に「¡Tela!」と言ったり、驚嘆を表す「Vaya」を付けて「¡Vaya tela!」と言ったりもします。

それにしても、16世紀に世界で初めて地球を一周する貿易路を開拓・支配した歴史を持つ海洋国スペインならではの言い回しかもしれませんね。

スペインでバードウォッチング!-種類別 スペインの野鳥 日本語名(ハト科)

ここでは、スペインに生息する野鳥の名前を、種類別に集めてみました。スペイン語名をクリックしてもらうと、スペイン鳥学会のホームページに飛びます。残念ながら日本語版はありませんが、英語での鳥の名前は出ています。スペインで野鳥観察されるとき、またはスペインの旅の途中で見かけた鳥のスペイン語名を知りたいときに、少しでもお役に立てれば幸いです。

モリバト(Paloma Torcaz)/ (写真: アルベルト・F・メダルデ)

Palomas = ハト科

スペイン語日本語ラテン語//常駐/偶然
Paloma bravíaドバトColumba livia常駐
Paloma zuritaヒメモリバトColumba oenas常駐
Paloma torcazモリバトColumba palumbus常駐
Paloma rabicheゲッケイジュバトColumba junionae常駐 (Canarias)
Paloma turquéカナリーバトColumba bollii常駐 (Canarias)
Tórtola turcaシラコバトStreptopelia decaocto常駐
Tórtola europeaコキジバトStreptopelia turtur
Tórtola orientalキジバトStreptopelia orientalis偶然
Tórtola senegalesaワライバトStreptopelia senegalensis偶然

ちょっとスペイン語 -28-  (¡Buen viaje!-[旅立つ人への挨拶]ご無事で、いってらっしゃい、良い旅を)

ここでは、ちょっとしたスペイン語の言い回しや、ことわざ、話し言葉など、辞書には載っていない単語も含めて紹介していきます。スペイン語を勉強している方には言葉の幅が広がるお手伝いができればいいなと、スペイン語には興味ないという方には雑学として楽しんでいただければいいなと思っています。

3月も終盤となり、日本では卒業式や異動の時期となりました。こちらでは、明日22日は「悲しみの聖母の金曜日(Viernes de dolores)」と呼ばれ、いよいよ聖週間(イースター週間)が本格的に始まります。と同時に、学校ではイースター休暇に入ります。会社では聖木曜日と聖金曜日だけが休みという所も多いのですが、有給休暇を取って1週間程の休みにする人も多いですね。

旅立ちの人達への送り言葉に「¡Buen viaje!」というスペイン語があります。これは、「ご無事で、いってらっしゃい、良い旅を」という意味ですが、スペインではよく使う言葉です。

Mañana ya me voy de vacaciones. Este año iré de viaje a Japón. Imagino que ésta época Japón estaría muy bonito por las flores de cerezos.

明日はもう休暇に入るよ。今年は、日本旅行に行く予定さ。今頃はきっと桜の花が咲いていてきれいだろうな。

¡Qué bien! ¡Qué envidia! Seguro que te lo vas a pasar muy bien y un viaje muy bonito.

いいなー!うらやましい!きっと素晴らしい時間を過ごし、とても素敵な旅になると思うよ。

Eso espero. Ya contaré cuando vuelva.

そう願うよ。戻ったら旅の話を聞かせるね。

Sí, por favor. ¡Buen viaje!

うん、お願い。気を付けていってらっしゃい!

¡Muchas gracias!

どうもありがとう!

スペイン旅行をされた方は、きっといろんな場面でスペイン人の人達から「¡Buen viaje!」と声をかけられたことでしょう。もし、日本国内で旅行しているスペイン人(中南米のスペイン語圏の人達も含めて)に出会ったら、気軽に「¡Buen viaje!」と声をかけてみてくださいね。きっと彼らにとっても素敵な旅の思い出となること間違いなしです!

ちょっとスペイン語 -27-  (Media naranja-[理想的な]伴侶、夫、妻、ソウルメイト) 

ここでは、ちょっとしたスペイン語の言い回しや、ことわざ、話し言葉など、辞書には載っていない単語も含めて紹介していきます。スペイン語を勉強している方には言葉の幅が広がるお手伝いができればいいなと、スペイン語には興味ないという方には雑学として楽しんでいただければいいなと思っています。

Media naranja-[理想的な]伴侶、夫、妻、ソウルメイト

「Naranja」は「オレンジ」のことです。「Media」が「半分の」という形容詞の女性形で、直訳すると「Media naranja」は「半分のオレンジ」という意味になりますが、これは「[理想的な]伴侶、夫、妻、ソウルメイト」を言い表しています。

「ソウルメイト」という意味では、「Alma gemela (同じ精神の人)」という言い方もでき、共通の趣味、好み、価値観などを持ち、深い親和性のある相手で、気性の合った人、初対面でも直感的に懐かしさを感じる人等、相手を自分の半分のように見ている人のことを指します。

スペインでは、話し言葉としてこの言葉は使われています。「ソウルメイト」という意味もありますが、「Encontrar a su media naranja」という言い回しで「理想の伴侶が見つかる」という意味で使われることが多いようです。

¡Enhorabuena! Me han dicho que te vas a casar en este verano.

おめでとう! 今年の夏結婚するって聞いたよ。

Gracias. Sí, al final he encontrado a mi media naranja de mi vida.

ありがとう。そうなの。やっと人生の伴侶が見つかったわ。

¡Ay, qué bien! Me alegro de que seas muy feliz.

おー!よかったね!幸せそうで嬉しいよ。

Sí, estoy muy feliz. Ya te mandaré la invitación de nuestra boda.

ええ、とっても幸せよ。そのうち結婚式の招待状を送るわね。

¡Vale! Me hace ilusión.

了解!楽しみにしてるよ。

バレンシアオレンジで有名なスペインなので、スペインらしい表現だなって思っていましたが、実は「Media naranja」の語源は紀元前のギリシャ時代まで遡るらしく、また、「Naranja」という語源も14世紀末にアラビア語からきていました。

ちょっとスペイン語 -26-  (Que sueñes con los angelitos.-いい夢みてね。おやすみなさい。)

ここでは、ちょっとしたスペイン語の言い回しや、ことわざ、話し言葉など、辞書には載っていない単語も含めて紹介していきます。スペイン語を勉強している方には言葉の幅が広がるお手伝いができればいいなと、スペイン語には興味ないという方には雑学として楽しんでいただければいいなと思っています。

Que sueñes con los angelitos.-いい夢みてね。おやすみなさい。

スペイン語には、小さいものや親愛の情を表す示小語または縮小辞(diminutivo)と呼ばれる「-ito」「-illo」がありますが、この「angelitos」は「ángel」の示小語または縮小辞(diminutivo)に当たります。「ángel」の意味は「天使」で、「angelitos」は「小さな天使たち」という意味です。

「sueñes 」は動詞「soñar」の2人称で、この動詞の後に前置詞「con」を付けて「夢をみる」という意味になります。

「Que sueñes con los angelitos」の意味を直訳すると「小さな天使たちの夢をみてね」ということです。つまり、「いい夢見てね」「よく眠ってね」という意味なのです。

スペインでは、親が子供に寝る前に言う言葉の一つでよく使われているようです。

Mamá, estoy muy cansado.

ママ、ぼく疲れちゃった。

Vete a la cama pronto y que descanses bien.

早く寝て休んだら。

Sí, creo que me voy a la cama ya.

うん、もう寝るよ。

Que sueñes con los angelitos.

いい夢みてね。

Gracias, mamá.

ママ、ありがとう。

スペイン王立アカデミーのスペイン語辞書には載っていない言い回しですが、日常の会話では、特に親が子供に寝る前によく使う言い回しです。小さな可愛らしい天使たちの夢をみている小さな愛らしい子供たちの情景が目に見えてくるような言い回しで、私も寝る前の自分の子供たちによく言っていました。この言い回しは、別に子供相手限定というものではないので、気軽に恋人や仲の良い友人に対して使っても問題はありませんので、使ってみてくださいね。

スペインでバードウォッチング!-種類別 スペインの野鳥 日本語名(サケイ科)

ここでは、スペインに生息する野鳥の名前を、種類別に集めてみました。スペイン語名をクリックしてもらうと、スペイン鳥学会のホームページに飛びます。残念ながら日本語版はありませんが、英語での鳥の名前は出ています。スペインで野鳥観察されるとき、またはスペインの旅の途中で見かけた鳥のスペイン語名を知りたいときに、少しでもお役に立てれば幸いです。

シロハラサケイ (Ganga ibérica) /(写真: ウィキペディアドメイン)

Gangas = サケイ科

スペイン語日本語ラテン語//常駐/偶然
Ganga ortegaクロハラサケイPterocles orientalis常駐
Ganga ibericaシロハラサケイPterocles alchata常駐

スペインでバードウォッチング!-種類別 スペインの野鳥 日本語名(ウミスズメ科)

ここでは、スペインに生息する野鳥の名前を、種類別に集めてみました。スペイン語名をクリックしてもらうと、スペイン鳥学会のホームページに飛びます。残念ながら日本語版はありませんが、英語での鳥の名前は出ています。スペインで野鳥観察されるとき、またはスペインの旅の途中で見かけた鳥のスペイン語名を知りたいときに、少しでもお役に立てれば幸いです。

ハジロウミバト (Arao aliblanco) /(写真: アルベルト・F・メダルデ)

Alcas, araos, etc. = ウミスズメ科

スペイン語日本語ラテン語//常駐/偶然
Mérgulo atlánticoヒメウミスズメAlle alle
Frailecillo atlánticoパフィンFratercula arctica
Arao aliblancoハジロウミバトCepphus grylle偶然
Arao comúnウミカラスUria aalge
Alca comúnオオハシウミガラスAlca torda
オオハシウミガラス(Alca común) /(写真: アルベルト・F・メダルデ)

ちょっとスペイン語 -25-  (¡Oído cocina!-了解!)

ここでは、ちょっとしたスペイン語の言い回しや、ことわざ、話し言葉など、辞書には載っていない単語も含めて紹介していきます。スペイン語を勉強している方には言葉の幅が広がるお手伝いができればいいなと、スペイン語には興味ないという方には雑学として楽しんでいただければいいなと思っています。

マドリードの生ハムが食べれる有名なバル。店内につるされている生ハムは圧巻です!(写真: 筆者撮影)

¡Oído cocina!-了解!

スペイン王立アカデミー編纂の西西辞典(Real Academia Española)には載っていませんがスペインの日常生活で使う言葉に、「¡Oído cocina!」があります。これは、日本語に訳すと「了解!」という意味で使われています。

「Oído」は「耳、聴覚、音感」等の意味があり、「cocina」には「台所、料理台、料理」等の意味がありますが、「¡Oído cocina!」はどうやらレストラン等の厨房や、飲み物や食べ物を提供する所で使われていた言葉が一般的にも使われるようになったようです。注文が殺到する時間帯の厨房は大変ですが、料理人たちが「厨房でも聞こえたよ!注文了解!」とでも威勢のいい声が返ってきている状況が想像できます。

この厨房等で使われていた言葉は、スペインの日常生活でも、「伝言を正しく受け取ったよ!」「ちゃんと理解したよ!」「了解!」というときに使われています。

1.Mañana a las 17h en la sala de reunión del instituto hay una reunión de los alumnos de segundo. ¡No te olvides de acudirlo!

明日の17時、高校の会議室で2年生のミーティングがあるよ。忘れずに行ってね!

  ¡Oído cocina! Gracias. No te preocupes que no me lo olvido.

了解!サンキュー。忘れないから心配しなくてもいいよ。

2.Si recibe este correo, por favor contéstame aunque sea sólo ¡Oído cocina!

  このメールを受け取ったら、「受け取ったよ!」の一言でもいいから返事をしてね。

街中に沢山の美味しいバルやレストランがある美食の国スペイン。そして、元気の良いスペイン人たち。この言葉は、そんなスペインを彷彿させる表現の一つです。スペインにいらしたら、是非使ってみてください。スペイン文化に溶け込んでいる感覚を味わうことができるかもしれません。