観察日:2022年3月20日
観察した鳥の種類:37種類
エストレマドゥーラ州にある「モンフラグエ国立公園 (Parque Nacional de Monfragüe)」は、様々な猛禽類やナベコウ等を一目見ようとヨーロッパ中からバードウォッチャーたちが訪れるバードウォッチングの聖地です。(「モンフラグエ国立公園 (Parque Nacional de Monfragüe)」については、スペインでバードウォッチング!-エストレマドゥーラ州「モンフラグエ国立公園 (Parque Nacional de Monfragüe)」 | おいでよ!スペイン (shiroyshishi.com)をどうぞ)
今年も、イベリアカタシロワシ(Águila imperial ibérica)やナベコウ(Cigüeña negra)に会いに行ってきました。去年は5月の半ば頃に行きましたが、今年はまだ肌寒い3月、春先に行ってきました。
ナベコウ(Cigüeña negra)の求愛(cortejo)
今回は、春先の時期で鳥たちの恋の季節真っ盛りという感じでした!
「フエンテ・デ・フランセス(Fuente de francés)」という泉のわきに行ってみると、鳥たちが水を飲むためや行水をするために、代わる代わるやってきていました。ここでは、ズアオアトリ(pinzón vulgar)、ズグロムシクイ(curruca capirotada)、アオガラ(herrerillo)、シジュウカラ(carbonero)、クロウタドリ(mirlo)、ヨーロッパコマドリ(petirrojo europe)、チフチャフ(mosquitero común) を見ることができました。そして、ズアオアトリとズグロムシクイはつがいでやって来て一緒に水を飲んだり、オスがしきりと歌を歌ってメスの気を引いているご様子。クロウタドリも相手探しに忙しそうで、ご自慢ののどを披露してその美しい声で高らかに鳴いていました。あー、鳥たちは相手を探すための求婚に忙しい季節なんだなって思いながら、鳥たちの美しい歌声に聞き入っていました。
その後、「サルト・デ・ヒタ—ノ(Salto de Gitano)」展望台に行くと、とてもラッキーなことに、すぐ目の前を2羽のナベコウ(Cigüeña negra)が仲良く一緒に飛んでいました。かなり長い時間2羽は一緒に飛んでいましたが、よくよく見ているとどうも空中で求愛中のようです。2羽一緒に平行にシンクロナイズしながら飛んだり、一緒に回って飛んだりしていました。まるで、空中で一緒にダンスをしているよう!ナベコウの求愛飛行を自分の目で見るのは初めてで、見ていてほほえましくもあり、美しくもあり、ただただ見とれていました。
(お薦め! 鳥たちの興味深い求愛行動の動画が紹介されているバードライフ・インターナショナル東京のサイトはこちらです。7つの素敵な鳥の求愛行動 | バードライフ・インターナショナル東京 (birdlife.org))
巣作りに忙しいシロエリハゲワシのつがい(Buitre leonado)
別の場所では、シロエリハゲワシのつがいが巣作りに精を出していました。枯れた枝などを岩の上に敷いて巣ができているようでしたが、じっと観察していると、1羽のシロエリハゲワシが巣の近くにある草を嘴でしきりにむしり取っています。最初は、「えっ?!シロエリハゲワシが草を食べてるの⁈」とびっくりしてしまいましたが、実は、その嘴でむしり取った緑色の草を巣の中央部分に置いていたのです。そうです。生まれてくる雛たちが新鮮な草の上のふかふかベッドで快適に過ごせるように、シロエリハゲワシの親は気を使っているようですね。一生懸命草を嘴でむしり取っては巣の中央に置いているシロエリハゲワシを見ていると、鳥にも親心があるんだな、なんて思ってちょっと感動しました。
今回見れた鳥たち
残念ながら、今年はお目当ての一つであるイベリアカタシロワシ(Águila imperial ibérica)に出会うことができませんでした。それでも、沢山の可愛い鳥たち、格好いい鳥たちに出会うことができました。
– クロハゲワシ(学名:Aquila adalberti / 西:Buitre negro)
– エジプトハゲワシ(学名: / 西:Alimoche común)
– トビ(学名: Milvus migrans / 西:Milano negro)
– アカトビ(学名:Milvus milvus / 西:Milano real)
– シュバシコウ(学名:Ciconia ciconia / 西:Cigueña blanca)
– アオサギ(学名: Ardea cinerea / 西:Garza real)
– カワウ(学名:Phalacrocorax carbo / 西:Cormorán grande)
– チャイロツバメ(学名:Ptyonoprogne rupestris / 西:Avión roquero)
– イソヒヨドリ(学名:Monticola solitarius / 西:roquero solitario)
– ニシイワツバメ(学名:Delichon urbicum / 西:Avión común)
– ツバメ(学名:Hirundo rustica / 西:Golondrina común)
– チョウヒワシ(学名:Circaetus gallicus / 西:Culebrera europea)
– マガモ(学名:Anas platyrhynchos / 西:Anade azulón)
– ヨーロッパノスリ(学名:Buteo buteo buteo / 西:Bastardo ratonero)
– チョウゲンボウ(学名:Falco tinnunculus / 西:Cernícalo vulgar)
–ハヤブサ(学名:Falco peregrinus/ 西:Halcón peregrino)
-イソシギ(学名: Actitis hypoleucos / 西:Andarríos chico)
– カワラバト(学名: Columba livia / 西:Paloma doméstico)
– モリバト(学名: Columba palumbus / 西:Paloma torcaz)
-タイリクハクセキレイ(学名: Motacilla alba / 西:Lavandera blanca)
– カササギ(学名:Pica pica / 西:Urraca)
–イベリアオナガカササギ(学名:Cyanopica cooki / 西:Rabilargo ibérico)
– ゴシキヒワ(学名: Carduelis carduelis / 西:Jilguero europeo)
– ミソサザイ(学名:Troglodytes troglodytes / 西:Chochín común)
– セリン(学名: Serinus serinus / 西:Serín verdecillo)
– クロジョウビタキ(学名: Phoenicurus ochruros / 西:Colirrojo tizón)
– イエスズメ(学名:Passer domesticus / 西:Gorrión común)
– ワタリガラス(学名:Corvus corone / 西:Cuervo grande)
バードウォッチングお薦めの春
今の時期を逃すとなかなか見れない鳥たちの求愛行動。是非とも春のこの時期にモンフラグエ国立公園でバードウォッチングを楽しまれることをお薦めします。
木々には新芽が少しずつ出てきていました。この国立公園内に自生するロックローズ(jara)の白い花がぽつぽつと咲き始めていました。あと2週間程したら一面に白いロックローズが咲き乱れていることでしょう。
今回は、道路わきのすぐ近くでお食事中の鹿2頭にも出会いました。車を止めて車の中から写真を撮ったのですが、彼らはあまり驚きもせず、夢中で草を食べていました。
ここモンフラグエ国立公園は様々な遊歩道もあり、家族で訪れても楽しめます。プラセンシアやトゥルヒ―ジョ、カセレスといった観光地もこの国立公園から割と近くですよ。
情報
スペイン政府エコロジーへの移行と人口動態への挑戦のための省庁のウエッブサイト。英語版あり。
Parque Nacional de Monfragüe (miteco.gob.es)
¡Nos sienta bien Extremadura! ¡Nos sienta bien Monfragüe! (miteco.gob.es)
Monfragüe: Centro de visitantes (miteco.gob.es)
スペイン観光公式サイト。嬉しい日本語版です。
「モンフラグエ国立公園(Parque Nacional de Monfragüe)」
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