ズッキーニってどうやって食べるの?ズッキーニの詰め物(Calabacín relleno)

日本の野菜コーナーでもすっかりお馴染みになったズッキーニ。でも、どうやって食べようか?って悩まれている方も多いと思います。今回は、詰め物のレシピを紹介します。

ズッキーニの詰め物(Calabacín relleno)

材料:4人分

・ズッキーニ         大2本

・玉葱            中1個

・パプリカまたはピーマン   大1個 

・トマト           大1個

・マッシュルーム(好みで)  6~8個

・バージンオリーブオイル   適量

・塩             適宜

・黒胡椒           適宜

・とろけるチーズ       200g

作り方

1.ズッキーニを縦に半分に切って、中身をスプーンですくい取る。

皮を破らないように気を付けながら、中身をくりぬいていく

2.中身をくりぬいたズッキーニは、オーブン用のトレイにオーブン・ペーパーを敷いた上にのせる。

中身をくりぬき皮の入れ物状態にする

3. 全ての野菜を細かく切っておく。フライパンにバージンオリーブオイルを入れ、熱したら2の切った野菜の玉ねぎ、パプリカ、ズッキーニを熱する。

バージンオリーブオイルは、少し多めに入れた方が美味しくできる

4. 3の野菜がしんなりしてきたら、マッシュルーム、トマトも入れてさらに炒める。

蓋をして時々炒める。野菜をくたくたになるまで炒めるのがスペイン風

5. 野菜がくたくたになったら、塩胡椒で味を調える。出来上がったら火を止めて、2のズッキーニに詰めていく。

均等になるように中身を詰める

6. 詰め終わったら、上にとろけるチーズをかける。予め180℃に温めておいたオーブンの中段に入れ、約20~30分ほど焼く。

上からお好みのとろけるチーズをかける

180℃で焼くので、中身を入れた生のズッキーニもしっかり柔らかく焼き上がり、野菜の優しい味を楽しめますよ。

チーズはちょっとパリッとして中身はジュワッと野菜の旨味を引き立てる

どうぞ召し上がれ! ¡Qué aproveche!

番外編 バードウォッチング!-「羊と鳥の楽園シェットランド諸島」-3-(スコットランド/シェットランド諸島/メインランド島)

観察日: 2023年6月11日

スペインではないのですが、番外編として3回シリーズで、英国最北端に位置するシェットランド諸島でのバードウォッチングについて紹介しています。

シェットランド諸島バードウォッチングの旅、最終回はシェットランド諸島のメインランド島(Mainland island)とマウサ島(Mousa island) です。

サンバラ岬からの風景。こちらも木が全くない所です/ 写真: 筆者撮影

スピギー湖 (Loch of Spiggie) & スピギー海岸 (Spiggie Beach)

スピギー湖 (Loch of Spiggie)は、野生生物保護の目的で特別保護地区および特別科学関心地区に指定されています。英国王立鳥類保護協会 (RSPB) のウエブサイトとによると、秋から冬にかけてはオオハクチョウ (Cisne cantor)、コガモ (Cerceta común)、ヒドリガモ (Silbón europeo) が、春から夏にかけてはキョクアジサシ (Charrán ártico)、キタオオトウゾクカモメ (Págalo grande)、キンクロハジロ(Porrón moñudo)、マガモ (Ánade azulón) が湖で見られ、沼地では様々な渉禽類が見られると紹介されています。

スピギー湖 (Loch of Spiggie) 沿いにある野鳥観察舎(ハイド)/ 写真: 筆者撮影

ハイドに入ってスピギー湖を眺めるとすぐにコブハクチョウ(Cisne vulgar)が見えました。

コブハクチョウ(学名:Cygnus olor / 西:Cisne vulgar)/(写真: アルベルト・フェルナンデス・メダルデ)

英国王立鳥類保護協会 (RSPB) のウエブサイトに紹介されていたキョクアジサシ(Charrán ártico)もいました。

キョクアジサシ(学名:Sterna paradisaea / 西:Charrán ártico)/(写真: アルベルト・フェルナンデス・メダルデ)

ハイドの横にあった草むらでは、マキバタヒバリ(Bisbita pratense)が上手に虫を捕っている姿を観察できました。

マキバタヒバリ(学名:Anthus pratensis / 西:Bisbita pratense)/(写真: アルベルト・フェルナンデス・メダルデ)

残念ながらキタオオトウゾクカモメ (Págalo grande)、キンクロハジロ (Porrón moñudo)はいませんでした。

その後、スピギー湖と反対側に歩いていきスピギー・ビーチに着きました。とても清澄な海が広がっていて、私がこれまで見てきた海岸の中でもかなり気に入ったものの一つとなりました。海の色が薄く、透明感が強く、清涼な空気も手伝い、日本の海ともスペインの海とも印象が異なっていました。双眼鏡をのぞいてみると、向こう岸に20頭ほどのアザラシが浜辺で日向ぼっこしている姿が見えましたよ。

人っ子一人いない浜辺は、波の音と鳥の声のみの心地よい世界。/(写真: 筆者撮影)

全く人けのない海辺で、キタオオトウゾクカモメ (Págalo grande) が水浴びをしていました。離れた場所から双眼鏡を通して観察していると、かなり長い時間をかけて水浴びをしていました。

水浴びするキタオオトウゾクカモ(学名:Stercorarius skua / 西:Págalo grande)/(写真: アルベルト・フェルナンデス・メダルデ)

時々、アジサシ(Charrán común)が海の上を飛んできては魚を捕まえようとしていました。

アジサシ(学名:Sterna hirundo / 西:Charrán común)/(写真: アルベルト・フェルナンデス・メダルデ)

浜辺の岩肌には、フルマカモメ(Fulmar)たちの巣も沢山ありました。

フルマカモメ(学名:Fulmarus glacialis / 西:Fulmar) /(写真: アルベルト・フェルナンデス・メダルデ)

海の水に手を入れてみて驚いたのは、思ったより海の水が冷たくないということ。スペイン北部の大西洋側の海の水の方がずっと冷たいなと思いました。海辺の岩に座り、飽きもせずいつまでも海を見ていて、この浜辺から離れがたい思いでした。

穴場的なスポット、スピギー海岸 (Spiggie Beach) / 写真: 筆者撮影

サンバラ岬(Sumburgh head)

前回もサンバラ岬(Sumburgh head)には行き、沢山のフルマカモメ(Fulmar)が目の前で、私の目線と同じ高さで飛んでいたのがとても印象的でした。今回も彼らは飛んでいましたが、数的にはかなり少なかったようです。やはり去年の鳥インフルエンザの災難がフルマカモメたちにも降りかかってきたのでしょうか。はっきりとしたことは分かりませんでした。

フルマカモメ(学名:Fulmarus glacialis / 西:Fulmar) /(写真: アルベルト・フェルナンデス・メダルデ)

サンバラ岬(Sumburgh head)の駐車場で車をとめ、灯台まで歩いていく途中、海を見下ろしてみてびっくり!大きな岩の上にウミガラス(Arao común)のコロニーが!所狭しと無数のウミガラスたちがひしめき合っています。前回来たときは8月下旬ということもあり、殆ど姿を見ることができなかったウミガラスでしたが、今回は卵を孵化させているようです。面白いことに、ウミガラスはフルマカモメやパフィンのように巣作りはせず、岩の割れ目など卵が海に落ちていかない場所に卵を産み落としていました。

柔らかい草などで卵を保護することもなく、岩の上にそのまま卵が産み落としてあります / 写真: アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

ウィキペディアによると、このウミガラスの卵は、他の鳥の卵に比べ一端が尖っている「セイヨウナシ型」と呼ばれている形状のもので、この形状だと転がってもその場で円を描くようにしか転がらないため、断崖から落ちにくいものだそうです。なるほど!と感心すると同時に安堵しました。

右上のウミガラスに注目!ウミガラス(学名:Uria aalge / 西:Arao común) /(写真: アルベルト・フェルナンデス・メダルデ)

上の写真を見ていただくとお気づきになると思いますが、まるで白いサングラスをかけているようなウミガラスがいます。これは、大西洋などに分布する目の後ろ側に白い線の入ったウミガラスです。

サンバラ岬(Sumburgh head)は、パフィンのコロニーが見れる所でもあります。ただ、このブログの番外編の第1回で紹介したアンスト島(Unst island)にあるハーマネス国立自然保護区(Hermaness Natural Reserve)で見たようなパフィンのコロニーを見ることはできませんでした。そしてハーマネス国立自然保護区ほど近くでパフィンを見ることはできませんが、かなり近い距離で岩肌に居るパフィン達の姿を見ることができました。

パフィンまたはニシツノメドリ(学名:Fratercula arctica / 西:Frailecillo atlántico) / (写真: アルベルト・フェルナンデス・メダルデ)

その他、サンバラ岬で見れた鳥たちは次の通りです。

-ヨーロッパタヒバリ(学名:Anthus petrosus / 西:Bisbita costero)

岬中に小さな花が咲いていて、遅い春の真っ盛りという感じでした / 写真: アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

-マキバタヒバリ(学名:Anthus pratensis / 西:Bisbita pratense)

虫を捕まえて雛へ持っていくのかもしれません / 写真: アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

-ヨーロッパヒメウ(学名:Gulosus aristotelis / 西:Cormorán moñudo)

巣作りに精を出すヨーロッパヒメウ(学名:Gulosus aristotelis / 西:Cormorán moñudo) / 写真: アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

-オオカモメ(学名:Larus marinus / 西:Gavión atlántico)

オオカモメ(学名:Larus marinus / 西:Gavión atlántico) / 写真: アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

-ミツユビカモメ(学名:Rissa tridactyla / 西:Gaviota tridáctila)

こちらにはミツユビカモメの巣があるようです。ミツユビカモメ(学名:Rissa tridactyla / 西:Gaviota tridáctila) / 写真: アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

-キバシヒワ(学名:Linaria flavirostris / 西:Pardillo piquigualdo)

キバシヒワ(学名:Linaria flavirostris / 西:Pardillo piquigualdo) / 写真: アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

プール・オブ・バーキー(Pool of Virkie)

サンバラ岬(Sumburgh head)のすぐ近くにプール・オブ・バーキー(Pool of Virkie)があります。サンバラには空港がありますが、滑走路を横切って!! プール・オブ・バーキーまで行きました。

滑走路を車で横切るなんて体験はなかなかできるものではありません(笑) / 写真: 筆者撮影

ここは入江になっていて、サンバラ空港の滑走路の横に位置します。海辺の横には少し背の高い草地があり、鳥たちが巣を作るには格好の場所です。私たちが観察している間に、ダイシャクシギ(Zarapito real)が草むらから飛び立ち入江に降りてきました。

入江に降りてきたダイシャクシギ(学名:Numenius arquata / 西:Zarapito real) / 写真: アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

その他、プール・オブ・バーキーで見れた鳥たちは次の通りです。

-ハジロコチドリ(学名:Charadrius hiaticula / 西:Chorlitejo grande)

ハジロコチドリ(学名:Charadrius hiaticula / 西:Chorlitejo grande) / 写真: アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

-アビ(学名:Gavia stellata / 西:Colimbo chico)

アビ(学名:Gavia stellata / 西:Colimbo chico) / 写真: アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

-ヨーロッパヒメウ(学名:Gulosus aristotelis / 西:Cormorán moñudo)

サンバラ岬で巣作りしていたヨーロッパヒメウ(学名:Gulosus aristotelis / 西:Cormorán moñudo)/ 写真: アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

-ミユビシギ(学名:Calidris alba / 西:Correlimos tridáctilo)

忙しそうに食べ物を探して食べるミユビシギ(学名:Calidris alba / 西:Correlimos tridáctilo) / 写真: アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

-セグロカモメ(学名:Larus argentatus / 西:Gaviota argéntea europea)

セグロカモメ(学名:Larus argentatus / 西:Gaviota argéntea europea) / 写真: アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

マウサ島(Mausa island)

今回、夜にマウサ島(Mausa island)へ行き、ヒメウミツバメ (Paíño europeo) を見に行きました。

この島には、「モウサ島のブロッホ(Broch of Mousa)」と呼ばれる石組みの円形城塞形の塔があることでも有名です。ブロッホ(Broch)は、鉄器時代(紀元前700年~紀元200年)にスコットランド北部と西部に数多く作られていたものですが、「モウサ島のブロッホ(Broch of Mousa)」は、その中でも最も保存状態が良く最も大きいもので、高さ13メートルにも及びます。

ブロッホ(Broch)が何に使用されていたのかは未だに謎に包まれていて、研究者たちが様々な使用目的を指摘しています。捕虜たちの収容場所、島の有力者たちの富や権力を敵に見せ示すための建物、食料や薬の保存庫、共同の台所、また比較的最近の時代には密輸業者の秘密の貯蔵庫等々、様々な用途が想像されていますが、ハッキリとしたことは分かっていません。

船から降りてモウサ島に着き、案内人の説明を聞きながら「モウサ島のブロッホ(Broch of Mousa)」へ向かいました / 写真: 筆者撮影

夜10時半にメインランドを出発しましたが、こちらはまだ明るく島へ上陸した後もしばらくは光がありましたが、「モウサ島のブロッホ(Broch of Mousa)」に着くころにはもうかなり暗くなっていました。案内人は、所々で止まって島の歴史などの紹介をしてくれましたが、スコットランド訛りが強く理解するのに苦労しました。(笑)

彼が話してくれたモウサ島の面白い話の一つに次のような話がありました。18世紀のシェットランド、ある夫婦が暮らしていましたが、妻の方がアルコール依存症となり、夫はアルコールが簡単には手に入らないモウサ島へしばらく住むことで妻のアルコール依存症を治癒しようと考えました。ところが、モウサ島へやってきても妻の依存症はなかなかよくなりません。どうしたことかと不思議に思っていると、実はこの島にはアルコール密輸商人たちが沢山いたので、妻は彼らからアルコールを簡単に手に入れていたのです。ちなみに、19世紀からこの島には人は誰も住んでいません。

ヒメウミツバメ (Paíño europeo) は、この「モウサ島のブロッホ(Broch of Mousa)」の住人ならぬ住鳥のようです。円形の石組みの窪みや穴を利用して巣を作っていした。数多くのヒメウミツバメ (Paíño europeo) がブロッホ(Broch)の周りを飛び回っていましたが、私の顔をかすめていくヒメウミツバメ もいました。暗闇の中、いきなりすぐ近くを飛び回っているヒメウミツバメには驚かされました。

ブロッホ(Broch)の中にも入り、狭くて急な階段を上っていくと一番上に着きます。人がやっとすれ違うことができるくらいの円形状に沿ったスペースがあり、真ん中は下まで筒抜けです。ここでもヒメウミツバメたちがせわしく飛び回っていました。

ヒメウミツバメ (Paíño europeo) を実際にゆっくり観察することはかなり難しいものでした。というのも、日中は海に居てモウサ島には暗くなってから巣に戻ってきます。ただ、とにかくジッとしていない鳥たちで常に飛び回っているという感じです。巣の中に止まることは勿論ありますが、暗くなっているのでハッキリと見ることはできませんでした。残念ながら、写真は1枚も撮れませんでした。

これは wikipedia domain の写真です。こんな鳥だったんですね!(笑)

「eBird」というサイトでは、ヒメウミツバメ (Paíño europeo) 写真やモウサ島で撮影した動画も投稿されていますので、ご覧ください。

https://ebird.org/species/eurstp1?siteLanguage=ja 

ラーウィック (Lerwick)

シェットランド諸島の州都で港町です。17世紀にニシン漁のために建設され、現在も漁港として栄えています。有名な行事として、1月の最終火曜日に毎年開催されているバイキングの伝統を祝う火祭り「ウップヘリ―アー(Up-Helly-Aa)」があります。15世紀までシェットランド諸島はバイキングの子孫の島としてノルウェー領だった歴史があり、実際、ノルウェーの港町ベルゲンからは370㎞の距離しかありません。ノルウェーからシェットランド諸島に個人所有の船で訪れる人も多いようです。

ラーウィック港に停泊していたノルウェーの旗を掲げた船 / 写真: 筆者撮影

ラーウィック(Lerwick)の港は絶好のバードウォッチング・スポットです。すぐ近くで水鳥たちを見ることができます。ウミガラス(Arao común)やハジロウミバト(Arao aliblanco) の姿をよーく観察することができました。

港でのんびり泳いでいたウミガラス(学名:Uria aalge / 西:Arao común) / 写真: アルベルト・フェルナンデス・メダルデ
魚を捕まえたハジロウミバト(学名:Cepphus grylle / 西:Arao aliblanco) / 写真: アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

最後に

ラーウィックの街は、小さいながらもなかなか趣のある街です。

ラーウィックの街のメインストリート。お店やレストラン等々 / 写真: 筆者撮影

6月7月は観光にも適し、バードウォッチングも一年の中で一番良い時期ということもあり、今回はシェットランド諸島での宿泊施設を探すのにかなり苦労しました。アドバイスとして、旅程が決まったらなるべく早めに宿泊施設を予約された方が良いでしょう。

前回はラーウィックではB&Bに泊まったのですが、今回はメインストリートにある由緒ある「グランド・ホテル(The Grand Hotel Lerwick)」に泊り、時代を感じさせる建物の中を見ることができました。口コミではあまり高い評価をされていなかったのですが、スタッフ皆とても温かく迎えてくれ、居心地の良いホテルでした。ただ、古い建物の改装などがなかなか行き届いていないようで、エレベーターやエスカレーターはなく階段のみなので大きな荷物を持っている人にとってはちょっと大変かもしれません。朝食は希望を尋ねられ、英国特有の朝食がでてきました。ビーンズやブラックプディングもおいしくて大満足!

ベーコン・目玉焼き・焼きトマト・ソーセージ・ビーンズ・2種類のブラックプディング。その他、トーストなども出てきました / 写真: 筆者撮影

ただ、前回泊まったB&Bではキッパー(Kippers)が出てきてとても美味しかったのですが、今回のシェットランド旅行では1度もキッパー(Kippers)が出てこなかったのがとっても残念でした。キッパー(Kippers)はニシンの燻製で、日本の干し魚を思い出させます。ラーウィックはもともとニシン漁港として発達したので、当然キッパー(Kippers)が朝食に出てくると思い込んでいたので落胆度も大きかったです。(苦笑)

グランド・ホテルの食堂。歴史を感じさせる内装です / 写真: 筆者撮影

4泊5日のシェットランド諸島バードウォッチングの旅は、お天気にも恵まれ、沢山の珍しい鳥たちにも出会えて、とても充実した毎日でした。そして、島々で出会った人たちの温かさに心も満たされた旅となりました。バードウォッチングが目的の人達にも、単に自然に身を任せてのんびり過ごしたいという人達にも大いに推薦したい場所です。英国へ行かれる方は、思い切ってシェットランド諸島まで足を伸ばしてみてください!

参考

・英国王立鳥類保護協会 (RSPB) のウエブサイトはこちらです。

https://www.rspb.org.uk/reserves-and-events/reserves-a-z/loch-of-spiggie/

・今回訪れたルートは次の通りです。

・モウサ島(Mousa island)の場所はここです。

・モウサ島(Mousa island)までのツアーはこちらから予約しました。

https://www.mousa.co.uk/storm-petrel-trip

第1回で紹介したアンスト島(Unst island)について興味のある方は、こちらからどうぞ。

第2回で紹介したフェトラー島(Fetlar island)について興味のある方は、こちらからどうぞ。

番外編 バードウォッチング!-「羊と鳥の楽園シェットランド諸島」-2-(スコットランド/シェットランド諸島/フェトラー島)

観察日:2023年6月10日

スペインではないのですが、番外編として今回から3回シリーズで、英国最北端に位置するシェットランド諸島でのバードウォッチングについて紹介します。

第2回は、第1回に紹介したアンスト島(Unst island)から近いフェトラー島(Fetlar island)です。

フェトラー島にある教会と教会墓地。(写真: 筆者撮影)

シェットランドの庭 (The Garden of Shetland)

アンスト島(Unst island)からフェリーに乗ってフェトラー島(Feltar island)に渡りました。

この島には、多様な動植物や野生生物が生息していて、島の3分の2は特別科学保護区(SSSI)、自然保護特別地域(SAC)、英国王立鳥類保護協会(RSPB)の保護区など、何らかの形で保護区や特別地域として指定されています。(フェルター島公式サイトより)また、土壌肥沃度が高く、200種以上の野花が確認されていて、「シェットランドの庭 (The Garden of Shetland)」と呼ばれています

「シェットランドの庭 (The Garden of Shetland)」と呼ばれるフェトラー島には、可憐な花が沢山咲いていました。(写真: 筆者撮影)

フェルター島公式サイトによると、現在、この島には69人が住んでいます。たった69人!とびっくりしましたが、2009年初頭の人口48人に比べると少しですが増えているようです。

島にあったコーヒーショップ兼雑貨屋さんの前に居た立派なニワトリたち。(写真: 筆者撮影)

アカエリヒレアシシギ(Falaropo picofino)に会いに行く!

今回この島へ足を延ばした目的は、アカエリヒレアシシギ(Falaropo picofino)に会うためです。島の東にあるファンジー湖(Loch of Funzie)は、アカエリヒレアシシギの繁殖地があります。他にも、チョウシャクシギ(Zarapito Trinador)やクロトウゾクカモメ(Págalo parásito)の繁殖地があるとのことですが、残念ながら、チョウシャクシギとクロトウゾクカモメを見ることはできませんでした。

アカエリヒレアシシギ(Falaropo picofino)は、ファンジー湖(Loch of Funzie)へ行く途中の道の右側の海辺で見ることができました。丁度、別のバードウオッチャーが車を止めて、海辺で大きなカメラを据えて写真を撮っている姿が見えたので、私たちも車を止めて海辺へ降りていくと、数羽のアカエリヒレアシシギ(Falaropo picofino)の姿が見えました。かなり近い場所で見ることができ、大満足でした!もっと大きな鳥かと想像していたら、とても小さく20cmにも満たない大きさです。

車を止めて海岸へ降りていく途中に、ここがアカエリヒレアシシギ(Falaropo picofino)を見れるビューポイントだという掲示板がありました。(写真: 筆者撮影)

この浜辺に着いたのが午前11時過ぎ頃。5~6羽のアカエリヒレアシシギがしきりと水の中に嘴を突っ込んで食事中でした。上の写真の掲示板に注意書きがあるように、草べりから観察するようにとありますが、十分に近い距離だったので問題なくゆっくり観察することができました。

つがいのアカエリヒレアシシギ。鳥の中では珍しく、首が赤く美しい方がメス。アカエリヒレアシシギ(学名:Phalaropus lobatus / 西:Falaropo picofino)/(写真: アルベルト・フェルナンデス・メダルデ)

この海辺では、アカエリヒレアシシギの近くにホンケワタガモ(Éider común)の親子が気持ちよさそうに泳いでいました。4羽の雛たちはお母さんガモから少し離れると、お母さんガモから呼び戻されているようでした。ここではお父さんガモの姿は見れませんでした。

お母さんガモと一緒に泳ぎ回る4羽の雛たち。ホンケワタガモ(学名:Somateria mollissima / 西:Éider común)/(写真: アルベルト・フェルナンデス・メダルデ)

他にも、これまたすぐ近くにミヤコドリ(Osterero)がいました。人間自体が極端に少ないせいか、野生の鳥でありながら殆ど私たちに対して警戒心を示すこともなく、お陰で私は草べりの岩に座り込んでゆっくり観察することができました。

オレンジ色の嘴、足、目の周りが印象的なミヤコドリ(学名:Haematopus ostralegus / 西:Ostrero euroasiático)/(写真: アルベルト・フェルナンデス・メダルデ)

道の右側は海岸沿いでしたが、左側は草原が広がりシェットランド・ポニーたちがのんびり草を食んでお食事中でした。シェットランド・ポニーは、シェトランド諸島が原産の小型のウマです。以前、北海道で見た日本の「どさんこ」を彷彿とさせます。どちらも小型の割にはがっちりとした体形です。

フェトラー島もアンスト島と同じく、全く自生の木がない島です。シェットランド・ポニーが草を食んていました。(写真: 筆者撮影)

ファンジー湖(Loch of Funzie)とその周辺

お目当てのアカエリヒレアシシギ(Falaropo picofino)をじっくり観察でき、大満足で最初の目的地だったアカエリヒレアシシギの繁殖地ファンジー湖(Loch of Funzie)に向かいました。

広い湖には鳥たちの姿はなく、期待していたアカエリヒレアシシギ(Falaropo picofino)を見ることはできませんでした。ここに着く前に十分見れたので良かったけれど、もしそのまままっすくここに来ていたらアカエリヒレアシシギに会えず、残念至極だったと思います。湖の先の方に野鳥観察舎(ハイド)があったので、そこから野鳥観察することにしました。

フェトラー島の野鳥観察舎(ハイド)に入る道は、鳥がいる水辺側に低木が植えてあり、ハイドに出入りする人間の姿が鳥たちから見えないように工夫されています。(写真: 筆者撮影)

ハイドに入ると、すぐ手前の水辺にタジキ(Agachadiza común)が居るのを発見しました。じっと観察していると、羽の身繕いの最中のようです。念入りに羽の身繕いをする姿は、まるで若い女性が念入りに化粧をしている様子と似ています。こんな鳥の様子に出会うと、鳥の観察って面白いなとつくづく思いますね。

入念に羽の身繕いをするタジキ(学名:Gallinago gallinago / 西:Agachadiza común)/(写真: アルベルト・フェルナンデス・メダルデ)

ファンジー湖(Loch of Funzie)の周辺にある別の小さな湖の岸辺には、アビ(Colimbo chico)が居ました。卵を温めているのでしょうか、じっと動かずにちょっとぐったりしている様子でした。

アビ(学名:Gavia stellata / 西:Colimbo chico) / (写真: アルベルト・フェルナンデス・メダルデ)

その他の鳥たち

ファンジー湖(Loch of Funzie)を後にして、多分この島にある唯一のコーヒーショップに立ち寄って手作りのケーキとビスケットをお茶と一緒に頂きました。素朴な味で何だか気持ちがほっこりしました。その後、フェリーの時刻までかなりの時間があったので、海辺に降りていき散歩することにしました。

ここでも別の種類の鳥たちに出会うことができたので、紹介します。

-アジサシ(学名:Sterna hirundo / 西:Charrán común)

かなり足が短くて、飛んでいる姿の方が美しいですね。アジサシ(学名:Sterna hirundo / 西:Charrán común)

-ハジロコチドリ(学名:Charadrius hiaticula / 西:Chorlitejo grande)

あっちへ行ったりこっちへ来たり、じっとしていない鳥ハジロコチドリ(学名:Charadrius hiaticula / 西:Chorlitejo grande)

-ユリカモメ(学名:Chroicocephalus ridibundus / 西:Gaviota reidora)

ユリカモメ(学名:Chroicocephalus ridibundus / 西:Gaviota reidora)

-ニシセグロカモメ(学名:Larus fuscus / 西:Gaviota sombría)

ニシセグロカモメ(学名:Larus fuscus / 西:Gaviota sombría)

クロトウゾクカモメ(Págalo parásit)には会えませんでしたが、同じトウゾクカモメの仲間キタオオトウゾクカモメ(Págalo grande)には会えました。

-キタオオトウゾクカモメ(学名:Stercorarius skua / 西:Págalo grande)

キタオオトウゾクカモメ(学名:Stercorarius skua / 西:Págalo grande)

車をのんびり走らせていると、道路沿いの家から人が出てきました。私たちの方を見ると手を挙げて挨拶しニッコリ笑顔をこちらに向けていました。この島に住む人たちは、島の訪問者たちにも温かい気持ちで接してくれます。居心地の良い所、そんなフェトラー島でした

参考

旅のアドバイスとして、ちょっと一言。

フェトラー島往復のフェリーは、事前に予約していかれることを強くお薦めします。私たちは、フェリーの事前予約ができることに気が付かず、予約していませんでした。時間に余裕をもってフェリー乗り場まで行って待っていましたが、フェリー待機場所には予約済の車専用レーンと予約していない車専用レーンの二つがあり、予約していない車は私たちだけでした。幸運なことに、最後の1台分の場所に滑り込むことができ、無事にフェトラー島からイェル島(Yell island)のガッチャー(Gucher)フェリー港ま行くことができ、ほっと胸をなでおろしました。

下のウエブサイトからフェリーの予約ができますので、参考にしてください。

・フェリー時刻表・予約のウエブサイト

https://ferry.shetland.gov.uk/booking/web100.asp

・フェルター島についての公式サイト

https://www.fetlar.org/

第1回で紹介したアンスト島(Unst island)について興味のある方は、こちらからどうぞ。

https://goo.gl/maps/Un5g1xAVUKCm5to37