スペインでバードウォッチング!-壮観! シロエリハゲワシ(Buitre Leonado)-カスティーリャ・イ・レオン州-ロス・アリーベス・デ・ドゥエロ(Los arribes de Duero)

観察日:2021年3月14日

ドゥエロ川はスペイン国内で3番目に長い川で、カスティーリャ・イ・レオン州ソリア県にあるピコス・デ・ウルビオン(Picos de Urbión)を水源地とし、全長約897km、そのうち213kmはポルトガルを流れています。ポルトーワインで有名なポルトーを流れる川でもあり、大西洋に流れ込んでいます。ドゥエロ川が流れるスペインとポルトガルの国境地帯がロス・アリーベス(Los arribes)と呼ばれる地帯です。ここはカスティーリャ・イ・レオン地方の中でも比較的低いところにあるため、気候も温暖です。3月14日に行ってきましたが、ミモザの花も終わり、場所によってはアマポーラの花が咲いていたのでびっくりしました。同じサラマンカ県とはいえ、サラマンカ市内ではアマポーラの花は4月から5月にかけて咲く花です。1ヶ月くらい早いですね。今回は、ドゥエロ・ロス・アリーベス自然公園内にあるバードウォッチングスポットを紹介します。

日本語の名前は分かりませんでしたが、ウィキペディアでは「アスフォデルス・アルブス」と紹介されていました

シロエリハゲワシ(Buitre Leonado)がすぐ目の前に!

バードウォッチャーにとっても、あまりバードウォッチングに興味のない人にとっても、お薦めの野鳥観察スポットは、ピコン・デ・フェリペ展望台(Mirador del Picón de Felipe)とフライレ展望台(Mirador del Fraile)です。かなりの数のシロエリハゲワシ(Buitre Leonado)が、切り立った断崖を背にして飛び交ったり、私たちの頭上または眼下で飛び交う姿は、鳥に興味がない人にとっても忘れられない思い出になること間違いなしです。なんせ、普通シロエリハゲワシを見ることができても遠い空のかなたを飛んでいる鳥なので、ここの展望台から見れるようにすぐ目の前でそれも眼下に見れる場所はそうそうないからです。今回は日が暮れる前の6時から7時(3月14日はまだスペインでは冬時間です)にかけて見に行きましたが、30~40羽のシロエリハゲワシ(Buitre Leonado)がどこからともなく現れて空を飛んでいました。この時間帯には風の流れに乗って飛べるため、本当に沢山のシロエリハゲワシが悠々と飛び交い、なかなか見れない光景でした。肉眼でもシロエリハゲワシの顔や翼の模様まで見えて、訪れていた家族連れなどから感嘆の声があがっていました。バードウォッチャーやシロエリハゲワシの写真を撮りたい方には絶好のスポットです。

風の流れに乗って悠々と飛ぶシロエリハゲワシ(Buitre Leonado)/ 写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

悲しい愛の伝説「ピコン・デ・フェリペ(Picón de Felipe)」

さて、このピコン・デ・フェリペ展望台の名前は、この地方で語り継がれている伝説の若者の名前から付けられました

昔、フェリペという山羊飼いの若者が、毎日山羊を連れてこのロス・アリーベスの切り立った断崖に来ていました。川を隔てた向こう側にはブルソスというポルトガルの村がありました。そして、その村のある女性を川の反対側から見ているうちに恋に落ちます。しかし、滔々と流れるドゥエロ川と切り立った断崖という物理的な隔たりが障害となって、フェリペは遠くから見ているだけで会いに行くことができません。恋焦がれる女性に会いに行きたい一心で、フェリペは命も顧みずこの二人を隔てる自然の国境を何度も渡ろうとしますが、無情にも徒労に終わっていまいます。それでもフェリペはあきらめず無我夢中で岩を砕き橋を作って川を渡ろうと試みます。しかし、過酷な自然の前にフェリペはとうとう絶望して自殺してしまいました。

この伝説は、スペインとポルトガルを隔てる自然の国境であるドゥエロ川とその川の両面の断崖が、容易に二つの国を行き来できない過酷な自然環境であったことを物語るものです。実際、1840年にこのピコン・デ・フェリペ展望台からほど遠くないアルデアダビラ(Aldeadávila)という村から定期船が就航するまでは、川を隔てて見える反対側の村や人々を訪ねて行く方法はなかったのです。

ピコン・デ・フェリペ展望台から見れるドゥエロ川 右側はスペイン、左側はポルトガル
ピコン・デ・フェリペ展望台にある岩 山羊飼いフェリペは岩を川に落とし橋にしようとしました

まとめ

フライレ展望台は車で近くまで行くことができますが、ピコン・デ・フェリペ展望台へは、駐車場から1km以上歩いたところにあります。途中歩きにくいところもあるので、できれば歩きやすい靴を履いていくことをお薦めします。ここからは雄大なドゥエロ川とスペイン領、ポルトガル領が見渡せます。また、1960年代にスペインとポルトガル両国共同で造られたアルデアダビラダム(Presa de Aldeadávila)があり、両国の技術の粋を尽くして建設したダムのある風景も一見の価値があります。車がないと行くのは難しいですが、レンタカーでスペインを旅行される場合は、是非足を延ばして頂きたい場所の一つです。勿論、バードウォッチングするにはとてもお薦めスポットです。

1965年の映画「ドクトル・ジバゴ」にも出てくるアルデアダビラダム

情報

カスティーリャ・イ・レオン州のオフィシャルサイト。英語版もあります。ピコン・デ・フェリペ展望台へ行くルートの紹介があります。

Ruta del Picón de Felipe – Portal de Turismo de la Junta de Castilla y León (turismocastillayleon.com)

トリップアドバイザーのサイトでもピコン・デ・フェリペ展望台とフライレ展望台が紹介されています。

Mirador del Picón de Felipe (Aldeadávila de la Ribera) – 2021 Qué saber antes de ir – Lo más comentado por la gente – Tripadvisor

El mirador del Fraile (Aldeadávila de la Ribera) – 2021 Qué saber antes de ir – Lo más comentado por la gente – Tripadvisor

ピコン・デ・フェリペ展望台(Mirador del Picón de Felipe)

フライレ展望台(Mirador del Fraile)

スペインでバードウォッチング!-種類別 スペインの野鳥 日本語名(海ガモ類)

ここでは、スペインに生息する野鳥の名前を、種類別に集めてみました。スペイン語名をクリックしてもらうと、スペイン鳥学会のホームページに飛びます。残念ながら日本語版はありませんが、英語での鳥の名前は出ています。スペインで野鳥観察されるとき、またはスペインの旅の途中で見かけた鳥のスペイン語名を知りたいときに、少しでもお役に立てれば幸いです。

Patos buceadores = 海ガモ類

スペイン語日本語ラテン語//常駐/偶然
Porrón europeoホシハジロAythya ferina常駐
Pato coloradoアカハシハジロNetta rufina常駐
Porrón pardoメジロガモAythya nyroca常駐
Porrón bastardoスズガモAythya marila
Porrón moñudoキンクロハジロAythya fuligula常駐
Porrón acollaradoクビワキンクロAythya collaris偶然
Porrón osculadoホオジロガモBucephala clangula
Porrón islándicoキタホオジロガモBucephala islandica偶然
Eider comúnホンケワタガモSomateria mollissima
Eider realケワタガモSomateria spectabilis偶然
Negrón comúnクロガモMelanitta nigra
Negrón especuladoビロードキンクロMelanitta fusca
Negrón caretoアラナミキンクロMelanitta perspicillata偶然
Pato haveldaコオリガモClangula hyemalis
キンクロハジロのつがい / 写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

スペインでバードウォッチング!-カスティーリャ・イ・レオン州-フラへネダ(Frageneda)

観察日:2021年2月28日

観察した鳥の種類:37種類

今年もアーモンドの花を見に行こうと楽しみにフラへネダ(Frageneda)まで行ってきましたが、残念なことに今年は花が例年より早く咲き、その上咲いた後に風が強くて、行った日は既にアーモンドの花は散ってしまった後でした。

しょうがないので、もう一つのお目当てだったバードウォッチングを楽しんできました。2月も終わりの28日、寒さが残る早春でしたがお天気に恵まれ気持ちの良い1日でした。

ドゥエロ・ロス・アリーベス自然公園/写真:筆者撮影

今回会った鳥たちは、なんと37種類の鳥たち! 携帯アプリの鳥の鳴き声につられてやってきた鳥などは、とても良く見れて大満足でした。

・カササギ(学名:Pica pica / 西:Urraca)

どこでも見かけるカササギ(学名:Pica pica / 西:Urraca)/ 写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

・シュバシコウ(学名:Ciconia ciconia / 西:Cigüeña blanca)

再びスペインに戻ってきた渡り鳥シュバシコウ(学名:Ciconia ciconia / 西:Cigüeña blanca)/
写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

・アカトビ(学名:Milvus milvus / 西:Milano real)

V字の尻尾が目印 アカトビ(学名:Milvus milvus / 西:Milano real)/ 写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

・ヨーロッパノスリ(学名:Buteo buteo / 西:Busardo Ratonero)

ヨーロッパノスリ(学名:Buteo buteo / 西:Busardo Ratonero)/ 写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

・ムジホシムクドリ(学名:Sturnus unicolor  / 西:Estornino negro)

ムジホシムクドリ(学名:Sturnus unicolor  / 西:Estornino negro)/ 写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

・イエスズメ(学名:Passer domesticus / 西:Grrión común)

イエスズメ(学名:Passer domesticus / 西:Grrión común)/ 写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

ハタホオジロ(学名:Miliaria calandra / 西:Escribano triguero)

鳴き声が特徴のハタホオジロ(学名:Miliaria calandra / 西:Escribano triguero)/ 写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

・ヒゲホオジロ(学名:Emberiza cia / 西:Escribano montesino)

ヒゲホオジロ(学名:Emberiza cia / 西:Escribano montesino)/ 写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

・ヨーロッパセリン(学名:Serinus serinus / 西:Serrín verdecillo)

ヨーロッパセリン(学名:Serinus serinus / 西:Serrín verdecillo)/ 写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

・ゴシキヒワ(学名:Carduelis carduelis  / 西:Jilguero)

美しい鳥ゴシキヒワ(学名:Carduelis carduelis  / 西:Jilguero)/ 写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

・クロウタドリ (学名:Turdus merula/ 西:Mirlo común)

その名の通り歌声のような鳴き声のクロウタドリ (学名:Turdus merula/ 西:Mirlo común)
/ 写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

・シロエリハゲワシ(学名:Gyps fulvus/ 西:Buitre leonado)

シロエリハゲワシ(学名:Gyps fulvus/ 西:Buitre leonado))/ 写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

・チャイロツバメ(学名:Ptyonoprogne rupestris / 西:Avión roquero)

忙しく飛び交うチャイロツバメ(学名:Ptyonoprogne rupestris / 西:Avión roquero)/ 写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

・ニシイワツバメ(学名: Delichon urbicum/ 西:Avión común)

子育て中 ニシイワツバメ(学名: Delichon urbicum/ 西:Avión común)/ 写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

・タイリクハクセキレイ(学名:Motacilla alba / 西:Lavandera blanca)

長い尾をしきりに上下させるタイリクハクセキレイ(学名:Motacilla alba / 西:Lavandera blanca)
/ 写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

・アカアシイワシャコ(学名:Alectoris rufa / 西:Perdíz roja)

走って逃げる姿が可愛い アカアシイワシャコ(学名:Alectoris rufa / 西:Perdíz roja)/ 写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

・シジュウカラ(学名:Parus major / 西:Carbonero común)

シジュウカラ(学名:Parus major / 西:Carbonero común)/ 写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

・アオガラ(学名:Cyanistes caeruleus/ 西:Herrerillo común)

アオガラ(学名:Cyanistes caeruleus/ 西:Herrerillo común)/ 写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

・ワタリガラス(学名:Corvus corax / 西:Cuervo)

あまりよい写真ではないですが…ワタリガラス(学名:Corvus corax / 西:Cuervo)/ 写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

・クロジョウビタキ(学名:Phoenicurus ochruros  / 西:Colirrojo tizón)

尾が赤いクロジョウビタキ(学名:Phoenicurus ochruros  / 西:Colirrojo tizón)/ 写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

・ズアオアトリ(学名:Fringilla coelebs / 西:Pinzón vulgar)

名前の通り頭が青い ズアオアトリ(学名:Fringilla coelebs / 西:Pinzón vulgar)/ 写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

・モリバト(学名:Columba palumbus  / 西:Paloma torcaz)

モリバト(学名:Columba palumbus  / 西:Paloma torcaz)/ 写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

・チフチャフ (学名:Phylloscopus collybita / 西:Mosquitero común)

この辺りではお馴染みのチフチャフ (学名:Phylloscopus collybita / 西:Mosquitero común)/
写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

・カケス(学名:Garrulus glandarius / 西:Arrendajo euroasiático 又は Arrendajo común)

カケス(学名:Garrulus glandarius / 西:Arrendajo euroasiático 又は Arrendajo común)/
写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

・セアカモズ(学名:Lanius collurio / 西:Alcaudón dorsirrojo)

・オナガ(学名:Cyanopica cyanus / 西:Rabilargo)

オナガ(学名:Cyanopica cyanus / 西:Rabilargo)/ 写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

・アオカワラヒワ(学名:Chloris chloris/ 西:Verderón común)

アオカワラヒワ(学名:Chloris chloris/ 西:Verderón común)/ 写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

・カンムリヒバリ(学名:Galerida cristata / 西:Cogujada común)

まるでとさかのよう カンムリヒバリ(学名:Galerida cristata / 西:Cogujada común)/ 写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

・ムネアカヒワ(学名:Carduelis cannabina / 西:Pardillo común)

ムネアカヒワ(学名:Carduelis cannabina / 西:Pardillo común)/ 写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

・モリヒバリ(学名:Lullula arborea / 西:Alondra totovía)

モリヒバリ(学名:Lullula arborea / 西:Alondra totovía)/ 写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

・オナガムシクイ(学名:Sylvia undata / 西:Curruca rabilarga)

オナガムシクイ(学名:Sylvia undata / 西:Curruca rabilarga)/ 写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

・クロガシラムシクイ (学名:Sylvia melanocephala / 西:Curruca cabecinegra)

スペイン語でも黒い頭という意味のクロガシラムシクイ (学名:Sylvia melanocephala / 西:Curruca cabecinegra)/
写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

・シラヒゲムシクイ(学名:Sylvia cantillans / 西:Curruca carrasqueña)

これもムシクイの仲間 シラヒゲムシクイ(学名:Sylvia cantillans / 西:Curruca carrasqueña)/
写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

・ズグロムシクイ(学名:Sylvia atricapilla / 西:Curruca capirotada)

黒い帽子をかぶっているような ズグロムシクイ(学名:Sylvia atricapilla / 西:Curruca capirotada)
/ 写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

・ボネリークマタカ(学名:Aquila fasciata / 西:Águila-azor Perdicera)

ボネリークマタカ(学名:Aquila fasciata / 西:Águila-azor Perdicera)/ 写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

・ニシノビタキ(学名:Saxicola rubicola / 西:Tarabilla común 又は Tarabilla europea)

ニシノビタキ(学名:Saxicola rubicola / 西:Tarabilla común 又は Tarabilla europea)/ 写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデス

・ヤツガシラ(学名:Upupa epops / 西:Abubilla)

ヤツガシラ(学名:Upupa epops / 西:Abubilla)/ 写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデス

コロナの中、県外への外出もままならない毎日ですが、お天気にも恵まれ県内でのバードウォッチングを楽しめたことは幸いでした。遠出ができないができないので近場を散策する機会が増えたのは、コロナのお陰かなとも思ったりしています。今は遠出はできませんが、近場で楽しみましょう!

スペインでバードウォッチング!-種類別 スペインの野鳥 日本語名(淡水ガモ類)

ここでは、スペインに生息する野鳥の名前を、種類別に集めてみました。スペイン語名をクリックしてもらうと、スペイン鳥学会のホームページに飛びます。残念ながら日本語版はありませんが、英語での鳥の名前は出ています。スペインで野鳥観察されるとき、またはスペインの旅の途中で見かけた鳥のスペイン語名を知りたいときに、少しでもお役に立てれば幸いです。

スペイン語日本語ラテン語//常駐/偶然
Ánade azulónマガモAnas platyrhynchos常駐
Ánade frisoオカヨシガモMareca strepera常駐
Ánade rabudoオナガガモAnas acuta常駐
Cuchara comúnハシビロガモAnas clypeata常駐
Silbón europeoヒドリガモAnas penelope
Silbón americanoアメリカヒドリAnas americana偶然
Cerceta pardillaウスユキガモMarmaronetta angustirostris常駐
Cerceta comúnコガモAnas crecca常駐
Cerceta carretonaシマアジAnas querquedula
Cerceta aliazulミカヅキシマアジAnas discors偶然
マガモのつがい Pareja de Ánade azulón (写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ)

スペインでバードウォッチング!-種類別 スペインの野鳥 日本語名(ガン類)

ここでは、スペインに生息する野鳥の名前を、種類別に集めてみました。スペイン語名をクリックしてもらうと、スペイン鳥学会のホームページに飛びます。残念ながら日本語版はありませんが、英語での鳥の名前は出ています。スペインで野鳥観察されるとき、またはスペインの旅の途中で見かけた鳥のスペイン語名を知りたいときに、少しでもお役に立てれば幸いです。

Gansos = ガン類

スペイン語日本語ラテン語//常駐/偶然
Ánsar nivalハクガンAnser caerulescens偶然
Ánsar caretoマガンAnser albifrons
Ánsar chicoカリガネAnser erythropus偶然
Ánsar campestreヒシクイAnser fabalis
Ánsar piquicortoコザクラバシガンAnser brachyrhynchus偶然
Ánsar comúnハイイロガンAnser anser
Ánsar indioインドガンAnser indicus偶然
Barnacla canadienseシジュウカラガンBranta canadensis偶然
Barnacla cariblancaカオジロガンBranta leucopsis
Barnacla carinegraコクガンBranta bernicla
Barnacla cuellirojaアオガンBranta ruficollis偶然
Tarro blancoシクシガモTadorna tadorna常駐
Tarro caneloアカツクシガモTadorna ferruginea偶然
Ganso del NiloエジプトガンAlopochen aegyptiaca偶然

スペインでバードウォッチング!-種類別 スペインの野鳥 日本語名(ハクチョウ類)

ここでは、スペインに生息する野鳥の名前を、種類別に集めてみました。スペイン語名をクリックしてもらうと、スペイン鳥学会のホームページに飛びます。残念ながら日本語版はありませんが、英語での鳥の名前は出ています。スペインで野鳥観察されるとき、またはスペインの旅の途中で見かけた鳥のスペイン語名を知りたいときに、少しでもお役に立てれば幸いです。

Cisnes = ハクチョウ類

スペイン語日本語ラテン語//常駐/偶然
Cisne vulgarコブハクチョウCygnus olor常駐
Cisne cantorオオハクチョウCygnus cygnus偶然
Cisne chicoコハクチョウCygnus columbianus偶然

スペインでバードウォッチング!-カスティーリャ・イ・レオン州-ベハール(Bejar)からカンデラリオ(Candelario)への遊歩道

私が住むカスティーリャ・イ・レオン州のサラマンカ県にあるベハールという町からカンデラリオというとても美しい村までの遊歩道でバードウォッチングしてきました。

このベハールからカンデラリオの地域は、2006年にユネスコ協会により「ベハール山脈とフランス山脈の生物圏保護区」(ユネスコエコパーク)として宣言されました。また、「野鳥保護特別地区」にも指定されており、バードウォッチングには最適の場所です。

カンデラリオ(Candelario)の山々 / 写真:筆者撮影

今回、出会えた鳥たちは以下の通りです。

・カケス(学名:Garrulus glandarius / 西:Arrendajo)

カケス(学名:Garrulus glandarius / 西:Arrendajo)/ 写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

・タンシキバシリ(学名:Certhia brachydactyla / 西:Agateador Europeo o Agateador Común)

タンシキバシリ(学名:Certhia brachydactyla / 西:Agateador Europeo o Agateador Común)/ 写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

・ゴジュウカラ(学名:Sitta europaea / 西:Trepador Azul)

ゴジュウカラ(学名:Sitta europaea / 西:Trepador Azul)/ 写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

・マミジロキクイタダキ(学名:Regulus ignicapilla / 西:Reyezuelo Listado)

マミジロキクイタダキ(学名:Regulus ignicapilla / 西:Reyezuelo Listado)/ 写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

・アオガラ(学名:Cyanistes caeruleus / 西:Herrerillo Común)

アオガラ(学名:Cyanistes caeruleus / 西:Herrerillo Común)/ 写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

・カンムリガラ(学名:Lophophanes cristatus / 西:Herrerillo Capuchino)

カンムリガラ(学名:Lophophanes cristatus / 西:Herrerillo Capuchino)/ 写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

・シジュウカラ(学名:Parus major / 西:Carbonero Común)

シジュウカラ(学名:Parus major / 西:Carbonero Común)/ 写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

・ヒガラ(学名:Periparus ater / 西:Carbonero Garrapinos)

ヒガラ(学名:Periparus ater / 西:Carbonero Garrapinos)/ 写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

・クロジョウビタキ(学名:Phoenicurus ochruros / 西:Colirrojo Tizón)

ヒガラ(学名:Periparus ater / 西:Carbonero Garrapinos)/ 写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

・エナガ(学名:Aegithalos caudatus / 西:Mito)

エナガ(学名:Aegithalos caudatus / 西:Mito)/ 写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

・カササギ(学名:Pica pica / 西:Urraca)

カササギ(学名:Pica pica / 西:Urraca)/ 写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

・シロエリハゲワシ(学名:Gyps fulvus / 西:Buitre Leonado)

シロエリハゲワシ(学名:Gyps fulvus / 西:Buitre Leonado)/ 写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

・アカゲラ(学名:Dendrocopos major / 西:Pico Picapinos)

アカゲラ(学名:Dendrocopos major / 西:Pico Picapinos)/ 写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

・チャイロツバメ(学名:Ptyonoprogne rupestris / 西:Avión Roquero)

チャイロツバメ(学名:Ptyonoprogne rupestris / 西:Avión Roquero)/ 写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

・モリバト(学名:Columba palumbus / 西:Paloma Torcaz)

モリバト(学名:Columba palumbus / 西:Paloma Torcaz)/ 写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

カンデラリオの村についてすぐの公園で、持参したサンドウィッチのお弁当を広げお昼にしましたが、その公園内にはたくさんの木が植えてあり、そこでも様々な鳥に出会えました。愉快だったのは、夫が持参していた携帯電話のアプリを使って鳥の鳴き声を付けると、シジュウカラやアオガラ、マミジロキクイタダキなどが近くの木に集まってきたことです!! あまりにたくさんの鳥たちが集まってきたのでびっくりしました。鳥の鳴き声のアプリって、鳥を引き寄せるには効果的なんですね!

ここカンデラリオの村は2015年に「スペインで最も美しい村」に登録された、坂の多いとてもかわいい村です。バードウォッチングをした後は、村でゆっくり観光してみませんか?バードウォッチングと美しい村観光という二重の楽しみを味わえますよ!

カンデラリオ(Candelario)の村 / 写真:筆者撮影

スペインでバードウォッチング!-世界一大きな飛べる鳥「ノガン」を見に行こう!-カスティーリャ・イ・レオン州「ビジャファフィラ・ラグーン(Lagunas de Villafafila)」

                              観察日:2020年10月18日

                               観察した鳥の種類:34種類

ビジャファフィラ・ラグーン(ビジターセンターが見えている)/写真:筆者撮影

ヨーロッパ中のバードウォッチャーがやってくるバードウォッチングの聖地

今回は、カスティーリャ・イ・レオン州のサモーラ県にある自然保護区で、ラムサール条約登録地でもある、「ビジャファフィラ・ラグーン(Lagunas de Villafafila)」に行ってきました。ここは、地球上にいる飛べる鳥類としては世界一大きな鳥「ノガン(Avutarda)」が生息していることで有名で、ヨーロッパ中のバードウォッチャーがやってきます。コロナウイルス感染者が増加中であるにもかかわらず、イギリスから来たというバードウォッチャーにも今回出会いました。「ノガン」は、オスの方がメスより大きいのですが、オスは全長115㎝、18㎏です。なかなか飛んでいるところは見れないのですが、飛ぶ姿はなかなかの見物です。久しぶりに見れたらいいな~と期待しながら行ってきました。私が住んでいるサラマンカからは車で約1時間ちょっと。この日はお天気にも恵まれ、とても気持ちの良い一日でした。

ゴーストタウン「オテロ・デ・サリエゴ(Otero de Sariego)」

ビジャファフィラのビジターセンターの開館時間まで、近くの村「オテロ・デ・サリエゴ」に行き、早速、野鳥観察。ちなみに、この村は今では全く住む人のいないゴーストタウンです。今は廃墟となった教会や、この地方でよくみられる鳩舎(Palomar)などが残っていますが、ここの住人はの野ウサギや様々の鳥たちです。鳩舎を再現したハイドが造られていて、ゆっくりのんびり思う存分野鳥観察が楽しめます。今回は、夏から全く雨が降らなかったせいか、村にある大きなラグーンはかなり干上がって小さくなっていて、残念ながら、ここではあまり水鳥は見れませんでした。でも、他の鳥は結構見れましたよ。

廃墟と化した鳩舎(Palomar)/写真:筆者撮影

この地域は野鳥保護区に指定されていて、生息数が激減している「ヒメチョウゲンボウ」もよく見れます。世界の42%に当たるヒメチョウゲンボウが、ここカスティーリャ・イ・レオン州に生息し、そのうち50%がこの野鳥保護区にいるとのこと!。実際、車でゆっくり走っていると道の両側に「飛ぶヒメチョウゲンボウ」や「止まっているヒメチョウゲンボウ」をあちこちで簡単に見ることができます。

オテロ・デ・サリエゴ(Otero de Sariego)のハイド。鳩舎(Palomar)を再現しています。向こう側にはラグーンが広がっているはずでしたが、残念ながら干上がって水がみえません。/ 写真:筆者撮影

この地方は、「パロマール(Palomar)」と呼ばれる鳩舎があちこちで見られます。これは、鳩のひな鳥(Pichón)を食用とし、鳩の糞を肥料に使用するために造られていました。現在では、一般家庭で鳩のひなを食べる習慣はあまりないようですが、レストランでは鳩のひな料理が食べられますよ。

ラグーンには、ローマ時代の橋も残っています。(Puente Romano)/写真:筆者撮影

今回、オテロ・デ・サリエゴ(Otero de Sariego)で出会えた鳥たちは以下の通りです。

・ソリハシセイタカシギ(学名:Recurvirostra avosetta / 西:Avoceta Común)

ソリハシセイタカシギ(学名:Recurvirostra avosetta / 西:Avoceta Común)/ 写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

・ツクシガモ(学名:Tadorna tadorna / 西:Tarro Blanco)

ツクシガモ(学名:Tadorna tadorna / 西:Tarro Blanco)/ 写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

・ハイイロガン(学名:Anser anser / 西:Ansar Común)

ハイイロガン(学名:Anser anser / 西:Ansar Común)/ 写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

・マガモ(学名:Anas platyrhynchos / 西:Anade Azulón)

マガモ(学名:Anas platyrhynchos / 西:Anade Azulón)/ 写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

・アカトビ(学名:Milvus milvus / 西:Milano Real)

アカトビ(学名:Milvus milvus / 西:Milano Real)/ 写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

・ノビタキ(学名:Saxicola rubicola / 西:Tarabilla Común)

ノビタキ(学名:Saxicola rubicola / 西:Tarabilla Común)/ 写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

・クロヅル(学名:Grus grus / 西:Grulla Común)

クロヅル(学名:Grus grus / 西:Grulla Común)/ 写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

10月18日に野鳥観察に行ったのですが、驚いたことに、クロヅルの群れの中に一回り大きく白いツルが一羽混じっていました。どうもこれは日本のタンチョウヅルだったようです。ビジャファフィラの野鳥のサイトにも17日と22日に目撃されたことが出ていました。ちょっと遠くてよくは見えなかったのですが、こんな遠い西の果ての国でタンチョウヅルに出会えるとは嬉しい驚きでした。

・アカアシイワシャコ(学名:Alectoris rufa / 西:Perdíz Roja)

アカアシイワシャコ(学名:Alectoris rufa / 西:Perdíz Roja/ 写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

・ヨーロッパチョウヒ(学名:Circus aeruginosus / 西:Aguilucho Lagunero)

ヨーロッパチョウヒ(学名:Circus aeruginosus / 西:Aguilucho Lagunero)/ 写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

・イソシギ(学名:Actitis hypoleucos / 西:Andarrios Chicos)

イソシギ(学名:Actitis hypoleucos / 西:Andarrios Chicos)/ 写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

・ハタホオジロ(学名:Miliaria calandra / 西:Escribano Triguero)

ハタホオジロ(学名:Miliaria calandra / 西:Escribano Triguero)/ 写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

・タゲリ(学名:Vanellus vanellus / 西:Avefría)

タゲリ(学名:Vanellus vanellus / 西:Avefría)/ 写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

・ハシグロヒタキ(学名:Oenanthe oenanthe / 西:Collalba Gris)

・ヒメチョウゲンボウ(学名:Falco naumanni / 西:Cernícalo Primilla)

ヒメチョウゲンボウ(学名:Falco naumanni / 西:Cernícalo Primilla)/ 写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

・チョウヒワシ(学名:Circaetus gallicus / 西:Águila Culebrera)

チョウヒワシ(学名:Circaetus gallicus / 西:Águila Culebrera)/ 写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

・ワタリガラス(学名:Corvus corax / 西:Cuervo)

・ニシコクマルガラス(学名:Corvus monedula / 西:Grajilla)

・カワラバト(学名:Columba livia / 西:Paloma Doméstica o Paloma Bravía)

「ノガン(Avutarda)」との再会

さて、オテロ・デ・サリエゴ(Otero de Sariego)からビジャファフィラ(Villafafila)まで行き、ビジターセンターに寄ろうとしましたが、残念ながらコロナウイルス感染予防のため、ビジターセンターの中には入れませんでした。このビジターセンターは、ビジャファフィラ・ラグーンで昔塩が取れていたその歴史や塩の採取方法などが詳しく説明されたパネルなどもあり、一見の価値ありです。次回行くときはコロナウイルスが終息していることを祈りながら、ビジターセンターの外の敷地内での野鳥観察に行きました。敷地内には、幾つものハイドが造られていて、ゆっくりバードウォッチングを楽しめます

カサ・デル・パルケ(Casa del Parque)と呼ばれるビジターセンター / 写真:筆者撮影

今回見た鳥たちは以下の通りです。

・ノガン(学名:Otis tarda / 西:Avutarda)

ノガン(学名:Otis tarda / 西:Avutarda)/ 写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

・カイツブリ(学名:Tachybaptus ruficollis / 西:Zampullín Común o Zampullín Chico)

カイツブリ(学名:Tachybaptus ruficollis / 西:Zampullín Común o Zampullín Chico)/ 写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

・オオバン(学名:Fulica atra / 西:Focha Común)

オオバン(学名:Fulica atra / 西:Focha Común)/ 写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

・タシギ(学名:Gallinago gallinago / 西:Agachadiza Común)

タシギ(学名:Gallinago gallinago / 西:Agachadiza Común)/ 写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

・ハシビロガモ(学名:Anas clypeata / 西:Pato Cuchara)

・オカヨシガモ(学名:Mareca strepera/ 西:Ánade Friso)

オカヨシガモ(学名:Mareca strepera/ 西:Ánade Friso)/ 写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

・ヒドリガモ(学名:Anas penelope / 西:Ánade Silbón)

ヒドリガモ(学名:Anas penelope / 西:Ánade Silbón)/ 写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

・コサギ(学名:Egretta garzetta / 西:Garceta Común)

コサギ(学名:Egretta garzetta / 西:Garceta Común)/ 写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

・ダイサギ(学名:Egretta alba / 西:Garceta Grande)

ダイサギ(学名:Egretta alba / 西:Garceta Grande)/ 写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

・イエスズメ(学名:Passer domesticus / 西:Gorrión Común)

イエスズメ(学名:Passer domesticus / 西:Gorrión Común)/ 写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

・カササギ(学名:Pica pica / 西:Urraca)

カササギ(学名:Pica pica / 西:Urraca)/ 写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

・バン(学名:Gallinula chloropus / 西:Gallineta Común)

・シュバシコウ(学名:Ciconia ciconia / 西:Cigueña Blanca)

シュバシコウ(学名:Ciconia ciconia / 西:Cigueña Blanca)/ 写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

・アオサギ(学名:Ardea cinerea / 西:Garza Real)

アオサギ(学名:Ardea cinerea / 西:Garza Real)/ 写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

・ヨーロッパノスリ(学名:Buteo buteo / 西:Busardo Ratonero)

・ムジホシムクドリ(学名:Sturnus unicolor / 西:Estornino negro)

・ムジホシムクドリ(学名:Sturnus unicolor / 西:Estornino negro) / 写真:アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

飛ぶ「ノガン」には出会えませんでしたが、ビジターセンター(Casa del Parque)敷地内で傷ついた「ノガン」を飼っていて、ハイドからゆっくり観察することができました。本当に近くから見るとかなり大きいサイズの鳥だということを実感できます。このビジャファフィラ・ラグーンは、スペインの中でも最も「ノガン」が多く生息している場所です。今回は、秋に行ったので野生の「ノガン」はかなり遠くに、かすかに確認できるぐらいにしか見えなかったのですが、恋の季節に当たる3月から4月には、よく見えるそうです。現在、ビジャファフィラで確認されている「ノガン」の数は約3000羽で、ヨーロッパ全体で2万5000羽ほどが生息していると言われています。

ビジターセンター(Casa del Parque )敷地内にあるハイドの一つ / 写真:筆者撮影

是非、一度は世界一大きな飛べる鳥「ノガン」や、「ヒメチョウゲンボウ」に会いに、ビジャファフィラ・ラグーンまで望遠鏡持参で来てくださいね!

ビジャファフィラ 情報

・ビジャファフィラ・ラグーンについての一般情報やビジターセンター、「ノガン(Avutarda)」や「ヒメチョウゲンボウ(Cernícalo Primilla)」の情報が紹介されています。ただ、残念ながらスペイン語版のみです。左側の「Fauna」の「Avistamientos」をクリックすると、最新の目撃された鳥の名前が出てきます。

https://villafafila.com/default2.asp

・カスティーリャ・イ・レオン州の公式観光ウエッブページ。これは英語もあります。

https://www.turismocastillayleon.com/es/rural-naturaleza/espacios-naturales/reserva-natural-lagunas-villafafila#locale=es_ES!nearLat=41.85600299999999!nearLon=-5.593235999999992!nearDistance=40!minLat=44.385354163710005!minLon=-2.4190489023474515!maxLat=39.145651419206914!maxLon=-8.78936102683819!zoom=6

・サモーラ県観光ウエッブページ。英語版もあります。

https://www.turismoenzamora.es/villafafila/

ビジャファフィラ近辺 観光情報

・スペイン観光公式サイト。サモーラ県の10点の魅力を日本語で紹介しています。

https://www.spain.info/ja/toppu/samora-wo-otozureru-riyuu/

・ビジャファフィラから割と近くに廃墟となった12世紀のシトー会の修道院「サンタ・マリア・デ・モレルエラ修道院(Monasterio de Santa María de Moreruela)」があります。興味のある方は立ち寄ってみてください。

https://www.romanicozamora.es/es/monumentos/ver/monasterio-granja-de-moreruela/141

スペインでバードウォッチング-サラマンカ・トルメス川沿い

コロナウイルス危機により、スペインではいまだに警戒事態が続いていて、6月21日以降にやっと警戒事態宣言終了となる予定です。スペインの警戒事態宣言は罰金を伴った外出禁止令が出され、日本の非常事態宣言に比べるととても厳しいもの。必需品の買い物、許可された職場や病院等へ行く以外では全く外出ができない時期が約50日間も!その間、車も人も全く姿を消した街の中では、鳥たちのさえずりの声がひときわよく聞こえ、こんなにも鳥がこの町には居たのか!と今更ながらの驚きの発見でした。鳥たちのさえずりは、家から出れない不自由な身を辛く感じ、自由な身の鳥たちを心底羨ましく思うと同時に、心を癒してくれるものでもありました。そして、外に出れないながらも鳥たちのさえずりの声によって春の訪れを感じることができた初めての経験でもありました。

2020年6月17日現在も、感染者数が多く死亡者も多かったマドリッドに近いサラマンカは県外への移動は禁止されています。そういう状況なので、今回は我が家から歩いて15分位にあるトルメス川沿いへ、家の中から声だけ聴いていた鳥たちを探しにバードウォッチングに行ってきました。

夕方6時くらいから1時間半くらいゆっくり歩いて、川沿いや遊歩道沿いの鳥たちを楽しめました。久しぶりに鮮やかな青色が美しいカワセミに出会ったり、本来ならばスペインでは見られないワカケホンセイインコも見ました。家で観賞用に飼っていたインコが逃げたか、逃がされたのか、どちらにしても今やすっかり野生化してかなりの数のワカケホンセイインコが、トルメス川沿いにコロニーを作り居ついています。鳴き声がかなりうるさいくらいです。散歩道の真ん中にズアオアトリが降りてきて、自転車に乗った若者が通るまでじっくり観察できました。日本では見られない鳥で、名前の通り頭が青く体は茶色のかわいらしい姿に魅せられました。

今日会った鳥たちは次の通りです。

・カワセミ(学名:Alcedo atthis / 西:Martín Pescador)

・モリバト(学名:Columba palumbus / 西:Paloma Torcaz)

モリバト(学名:Columba palumbus / 西:Paloma Torcaz)/ 写真 アルベルト・F・メダルデ

・ツバメ(学名:Hirundo rustica / 西:Golondrina común)

ツバメ(学名:Hirundo rustica / 西:Golondrina común)/ 写真 アルベルト・F・メダルデ

・ニシイワツバメ(学名:Delichon urbicum / 西:Avión común)

ニシイワツバメ(学名:Delichon urbicum / 西:Avión común)/ 写真 アルベルト・F・メダルデ

・ヨーロッパアマツバメ(学名:Apus apus / 西:Vencejo común)

・ズアオアトリ(学名:Fringilla coelebs / 西:Pinzón)

ズアオアトリ(学名:Fringilla coelebs / 西:Pinzón)/ 写真 アルベルト・F・メダルデ

・エナガ(学名: Aegithalos caudatus / 西:Mito)

エナガ(学名: Aegithalos caudatus / 西:Mito)/ 写真 アルベルト・F・メダルデ

・アオガラ(学名: Cyanistes caeruleus / 西:Herrerillo común)

アオガラ(学名: Cyanistes caeruleus / 西:Herrerillo común)/ 写真 アルベルト・F・メダルデ

・ヒガラ(学名:Periparus ater / 西:Carbonero Garrapinos)

ヒガラ(学名:Periparus ater / 西:Carbonero Garrapinos)/ 写真 アルベルト・F・メダルデ

・クロジョウビタキ(学名:Phoenicurus ochruros / 西:Colirrojo Tizón)

クロジョウビタキ(学名:Phoenicurus ochruros / 西:Colirrojo Tizón)/ 写真 アルベルト・F・メダルデ

・クロウタドリ(学名: Turdus merula / 西:Mirlo)

クロウタドリ(学名:Turdus merula / 西:Mirlo)/ 写真 アルベルト・F・メダルデ

・マガモ(学名: Anas platyrhynchos / 西:Ánade Azulón)

マガモ(学名: Anas platyrhynchos / 西:Ánade Azulón)/ 写真 アルベルト・F・メダルデ

・ワカケホンセイインコ(学名: Psittacula krameri / 西:Cotorra de Kramer)

ワカケホンセイインコ(学名: Psittacula krameri / 西:Cotorra de Kramer)/ 写真 アルベルト・F・メダルデ

・イエスズメ(学名:Passer domesticus / 西:Gorrión común)

イエスズメ-雌(学名:Passer domesticus / 西:Gorrión Común)/ 写真 アルベルト・F・メダルデ

・トビ(学名: Milvus migrans / 西:Milano negro)

トビ(学名: Milvus migrans / 西:Milano negro)/ 写真 アルベルト・F・メダルデ

・ゴシキヒワ(学名:  Carduelis carduelis / 西:Jilguero)

ゴシキヒワ(学名:  Carduelis carduelis / 西:Jilguero)/ 写真 アルベルト・F・メダルデ

・ズグロムシクイ(学名:  Sylvia atricapilla / 西:Curruca capirotada)

ズグロムシクイ(学名:  Sylvia atricapilla / 西:Curruca capirotada)/ 写真 アルベルト・F・メダルデ

・カササギ(学名:Pica pica / 西:Urraca)

カササギ(学名:Pica pica / 西:Urraca)/ 写真 アルベルト・F・メダルデ

コロナウイルスのせいでなかなか遠出もできない状況ですが、歩いていける近所でも色んな鳥たちに会えるかもしれませんよ。是非、双眼鏡持参で近場のバードウォッチングを楽しんでくださいね。

圧巻!スペインのアマポーラ畑-アマポーラの海

5月も終わり6月も半ばです。2020年の約半分が過ぎていこうとしています。世界中で感染が広がった新型肺炎コロナウイルスに翻弄された2020年前半、後半は「新しい生活様式(スペインでは”Nueva normaldad”です)」と呼ばれる窮屈な生活、「古い生活様式」(Vieja normalidad)が恋しくなる生活が始まることになりそうです。特効薬やワクチンがない以上、まだまだ気を抜かず手洗い励行、距離を置く、なるべく家に居る、というような感染対策が続きます。

さて、去年のブログにも5月はアマポーラの季節だと書きましたが、今年は4月に雨が多く、更に丁度外出禁止令が出ていて踏み荒らされることもなく、各地で素晴らしいアマポーラ畑が広がっています。今日は、友人から送られてきたカスティーリャ・イ・レオン州、サモーラの街のアマポーラ畑の写真を紹介します。

真っ赤な絨毯を敷き詰めたような美しさで、深い赤と石造りの建物がマッチしています。高さは約1メートルほどにもなり、まるでアマポーラの海のよう。

今年のアマポーラの季節はそろそろ終わりを迎えます。コロナウイルスも終わりを迎え、来年にはここスペインの美しいアマポーラ畑を見に来ていただきたいなと心から願っています。