ドゥエロ川はスペイン国内で3番目に長い川で、カスティーリャ・イ・レオン州ソリア県にあるピコス・デ・ウルビオン(Picos de Urbión)を水源地とし、全長約897km、そのうち213kmはポルトガルを流れています。ポルトーワインで有名なポルトーを流れる川でもあり、大西洋に流れ込んでいます。ドゥエロ川が流れるスペインとポルトガルの国境地帯がロス・アリーベス(Los arribes)と呼ばれる地帯です。ここはカスティーリャ・イ・レオン地方の中でも比較的低いところにあるため、気候も温暖です。3月14日に行ってきましたが、ミモザの花も終わり、場所によってはアマポーラの花が咲いていたのでびっくりしました。同じサラマンカ県とはいえ、サラマンカ市内ではアマポーラの花は4月から5月にかけて咲く花です。1ヶ月くらい早いですね。今回は、ドゥエロ・ロス・アリーベス自然公園内にあるバードウォッチングスポットを紹介します。
バードウォッチャーにとっても、あまりバードウォッチングに興味のない人にとっても、お薦めの野鳥観察スポットは、ピコン・デ・フェリペ展望台(Mirador del Picón de Felipe)とフライレ展望台(Mirador del Fraile)です。かなりの数のシロエリハゲワシ(Buitre Leonado)が、切り立った断崖を背にして飛び交ったり、私たちの頭上または眼下で飛び交う姿は、鳥に興味がない人にとっても忘れられない思い出になること間違いなしです。なんせ、普通シロエリハゲワシを見ることができても遠い空のかなたを飛んでいる鳥なので、ここの展望台から見れるようにすぐ目の前でそれも眼下に見れる場所はそうそうないからです。今回は日が暮れる前の6時から7時(3月14日はまだスペインでは冬時間です)にかけて見に行きましたが、30~40羽のシロエリハゲワシ(Buitre Leonado)がどこからともなく現れて空を飛んでいました。この時間帯には風の流れに乗って飛べるため、本当に沢山のシロエリハゲワシが悠々と飛び交い、なかなか見れない光景でした。肉眼でもシロエリハゲワシの顔や翼の模様まで見えて、訪れていた家族連れなどから感嘆の声があがっていました。バードウォッチャーやシロエリハゲワシの写真を撮りたい方には絶好のスポットです。
フライレ展望台は車で近くまで行くことができますが、ピコン・デ・フェリペ展望台へは、駐車場から1km以上歩いたところにあります。途中歩きにくいところもあるので、できれば歩きやすい靴を履いていくことをお薦めします。ここからは雄大なドゥエロ川とスペイン領、ポルトガル領が見渡せます。また、1960年代にスペインとポルトガル両国共同で造られたアルデアダビラダム(Presa de Aldeadávila)があり、両国の技術の粋を尽くして建設したダムのある風景も一見の価値があります。車がないと行くのは難しいですが、レンタカーでスペインを旅行される場合は、是非足を延ばして頂きたい場所の一つです。勿論、バードウォッチングするにはとてもお薦めスポットです。
今回は、カスティーリャ・イ・レオン州のサモーラ県にある自然保護区で、ラムサール条約登録地でもある、「ビジャファフィラ・ラグーン(Lagunas de Villafafila)」に行ってきました。ここは、地球上にいる飛べる鳥類としては世界一大きな鳥「ノガン(Avutarda)」が生息していることで有名で、ヨーロッパ中のバードウォッチャーがやってきます。コロナウイルス感染者が増加中であるにもかかわらず、イギリスから来たというバードウォッチャーにも今回出会いました。「ノガン」は、オスの方がメスより大きいのですが、オスは全長115㎝、18㎏です。なかなか飛んでいるところは見れないのですが、飛ぶ姿はなかなかの見物です。久しぶりに見れたらいいな~と期待しながら行ってきました。私が住んでいるサラマンカからは車で約1時間ちょっと。この日はお天気にも恵まれ、とても気持ちの良い一日でした。
・カワラバト(学名:Columba livia / 西:Paloma Doméstica o Paloma Bravía)
「ノガン(Avutarda)」との再会
さて、オテロ・デ・サリエゴ(Otero de Sariego)からビジャファフィラ(Villafafila)まで行き、ビジターセンターに寄ろうとしましたが、残念ながらコロナウイルス感染予防のため、ビジターセンターの中には入れませんでした。このビジターセンターは、ビジャファフィラ・ラグーンで昔塩が取れていたその歴史や塩の採取方法などが詳しく説明されたパネルなどもあり、一見の価値ありです。次回行くときはコロナウイルスが終息していることを祈りながら、ビジターセンターの外の敷地内での野鳥観察に行きました。敷地内には、幾つものハイドが造られていて、ゆっくりバードウォッチングを楽しめます。
飛ぶ「ノガン」には出会えませんでしたが、ビジターセンター(Casa del Parque)敷地内で傷ついた「ノガン」を飼っていて、ハイドからゆっくり観察することができました。本当に近くから見るとかなり大きいサイズの鳥だということを実感できます。このビジャファフィラ・ラグーンは、スペインの中でも最も「ノガン」が多く生息している場所です。今回は、秋に行ったので野生の「ノガン」はかなり遠くに、かすかに確認できるぐらいにしか見えなかったのですが、恋の季節に当たる3月から4月には、よく見えるそうです。現在、ビジャファフィラで確認されている「ノガン」の数は約3000羽で、ヨーロッパ全体で2万5000羽ほどが生息していると言われています。