6月にスペインを訪れる方必見!「光とアバンギャルドフェスティバル」

サラマンカ新大聖堂(左部分)と旧大聖堂(右側部分)/ フォト: Alberto F. Medarde

開催期間と場所

第4回「光とアバンギャルド フェスティバル」がスペインのサラマンカ市で6月13日から16日まで開催されます。

「光とアバンギャルド フェスティバル」とは

サラマンカの中心にある世界遺産に指定されているモニュメントをスクリーンに見立てて、最新のトレンドである前衛芸術(アバンギャルド)、光による美しく幻想的なプロジェクションマッピングショーが繰り広げられます。

初めて見たのは第2回目のフェスティバルでしたが、スクリーンとなるモニュメントの形なども計算された素晴らしい光の芸術に目を見張りました。そして、ビジュアル効果だけではなくそのショーに適した音楽の効果も手伝い、まるで、建物自体に生命が吹き込まれたかのような自由自在の動きに目が釘付けになりました。

ここスペインでは、約6~7年前からこういった前衛芸術の一つとしての、建物などに光を当てて様々なテーマを演出するプロジェクションマッピングショーが盛んにおこなわれています。(本日6月2日時点ではまだ日程がはっきり決まっていませんが、9月の週末にはトレドで、「ルクス・グレコ」祭りと呼ばれる画家エル・グレコの作品をベースにしてモニュメントをキャンパスに見立てた光の祭典が行われる予定です。)

コンクールの参加国と賞

サラマンカ市役所がこのフェスティバルを、世界の”サラマンカ・ブランド”に位置付けるものにするため強い後押しをしていることもあり、2016年の第1回当時は参加国が2ヵ国だけだったこのフェスティバル、4回目となる今年は、このフェスティバルのためのコンクールに14ヵ国からの参加がありました。参加国の顔ぶれもスペイン国内だけではなく、ヨーロッパ(イタリア、イギリス、ウクライナ、ドイツ、ハンガリー、ブルガリア)や南米(コロンビア、チリ、ブラジル、メキシコ)そしてアジア(中国、タイ、日本)と世界中から参加しています。日本からも参加があり嬉しい限りですね。

審査員賞受賞者には賞金15,000ユーロが、また、一般の見学者からの投票で選ばれる観客賞には、3,000ユーロの賞金が授与されます。この観客賞は、6月13日の開会式が始まってから6月17日午前1時までの間に、ウエッブサイト https://luzyvanguardias.com 宛に自分が好きな作品に投票するというシステムで、フェスティバル終了直後に結果が発表されます。

今年の新しいニュース

今年の新しいニュースとして、「Joven Talento (若き才能)」と銘打った、サラマンカ大学芸術・視聴覚コミュニケーション学部とサラマンカ・ポンティフィシア大学視聴覚コミュニケーション学部の学生制作のプロジェクションマッピングが、多くの人に見てもらう機会を得るという目的で、披露されることです。また、このフェスティバルに招待されたアーティストの一人が、トルメス川にかかるエンリケ・エステバン橋にプロジェクションマッピングを投影します。

学生たちの若い感性をもって作られた作品や、川にかかる橋をスクリーンに見立てたプロジェクションマッピングがどんなものか、今から興味がそそられます。

プロジェクションマッピングが行われる建物

フェスティバル期間中、次の4か所の建物でプロジェクションマッピングが繰り広げられます。

1、マヨール広場にあるサラマンカ市役所

2、アナヤ広場にある新大聖堂

3、パティオ・デ・エスクエラにある歴史的建造物サラマンカ大学

4、トルメス川にかかるエンリケ・エステバン橋

さいごに

日が沈み暗くなってから始まるこのフェスティバルは、昼間の暑さからも解放され、若者はもちろん、子供もお年寄りもみんな街に繰り出して気軽に楽しめるものです。夜ご飯を食べた後、散歩がてらに街をぶらぶら歩き、4か所で行われている光のショーを楽しみ、好きな作品に投票し参加してみてはいかがでしょうか。きっと素敵な旅の思い出になること間違いなしですよ。

公式サイトは、https://luzyvanguardias.com/ です。英語版もあります。

5月のスペインはアマポーラの季節

ここカスティーリャ・イ・レオン州の5月の気候は、急に夏が来たかと思うとまた冬に逆戻りの毎日。最高気温が30℃を超えて半袖でいたら、日が暮れると同時に10℃以下まで一気に下がるという1日の気温差が20℃を超えることも!

なんせ、「5月40日まではマントを脱ぐな!」
”Hasta el cuarenta de mayo no te quites el sayo”ということわざがあるくらいです。5月40日って、6月9日ですよ!そのくらいまでは、まだまだ寒い日が結構あるということですが、住んでみて肌で納得です。もし、この時期にカスティーリャ・イ・レオン州に訪れるかたは、くれぐれもジャケットをお忘れなく!暑くなったら玉葱のようにどんどん脱いでいけるようにジャケット・カーディガンなど羽織物、そしてスカーフをスーツケースに入れておくと重宝しますよ。

5月といえば、私にとってはやはりアマポーラ(ひなげしの花)です。ここスペインに住み始めたころ、歩いて街を出るとすぐ色んな所でアマポーラ畑が広がっていて、その広い大地に真っ赤な絨毯が敷かれているような景色に魅了されました。
車でカスティーリャ・イ・レオン州を旅すると、色んな所でこのアマポーラ畑を見ることができます。

サラマンカ郊外にあるアマポーラ畑

「アマポーラ」といえば、ホセ・カラジョ作曲、ルイス・ロルダン作詞の歌を思い浮かべる人も多いと思います。私は、日本で最初にこの曲を英語歌詞で聞きとても好きになりましたが、スペインに来てスペインを代表するテナー歌手プラシド・ドミンゴが歌う「アマポーラ」を聞いて、やはりスペイン語がぴったり!と思ったものです。よければ聞いてみてください。

アマポーラの花は、一本一本は可憐な花です。風に吹かれて揺れる様子は、まるで愛らしい少女のよう。でも、しなやかさがあって飄々としたその姿は、まさしくこの歌の歌詞にぴったり。実際にスペインのアマポーラの花を見た後で、もう一度この歌を聞いてみるのも一興ですね。

スペインといえば、ひまわり畑を見に来る人も多いですが、是非、この時期のアマポーラを見に来てください!真夏の太陽の下でのひまわり畑見学は辛いですが、今の時期は気持ちいいですよ。

5月にスペインを訪れる5つの理由

一年中、色んな顔を持つスペイン。いつ訪れてもきっと素晴らしい思い出が作れるでしょう。でも5月のスペインは特に美しい季節で、旅をするのには最適な月といえます。

ここカスティーリャ・イ・レオン州に住むようになり、学生時代も含めて既に20年以上になりますが、毎年5月になると、多色なバラの花がご近所の庭に咲き始め、少し郊外に行くと真っ赤な絨毯を敷いたようなアマポーラ畑の美しさに出会えます。そう、一年中で一番好きな季節です。(残念なことに、イネ科の植物に花粉症のある私にはつらい時期でもありますが―。)

この美しい5月に是非スペインに訪れてほしい5つの理由を挙げます。

1. 気候が良い

まだまだ朝晩冷える日もありますが、日中は20℃以上を超える日が多くなり、観光して周るのに気持ち良い気候です。また、秋や春に比べ比較的雨が少ない月です。この季節に訪れる方は、ジャケットやスカーフを持参していらっしゃると便利ですよ。

2. サマータイムで日が長い

ここスペインでは、他の欧州諸国と同様に、毎年3月の最終日曜日に冬時間から夏時間へと変更されます。今年2019年は、3月31日(日)午前2時(スペイン時間)に変更されました。昨日まで、夜8時頃に暗くなっていたのに、サマータイムが始まると夜9時頃まで明るいというこの不思議な感覚は、なかなか日本人にはなじめないものです。でも、旅行者にとっては、1時間分明るい時間が増えて得した気分。

ちなみに、昨日5月22日のここサラマンカの日の入りの時刻は、午後9時40分です。東京は午後6時45分が日の入り時刻なので、約3時間も違うんですね!

3. 観光客が比較的少ない時期

聖週間(イースター)休暇も終わり、まだ夏休みが始まる前の5月は、スペイン人の国内旅行観光客が少ないだけではなく、ヨーロッパ各国からの観光客も少ない時期です。フランスに次いで世界第2位の観光客数を誇る観光大国スペイン。ハイシーズンになると美術館やサグラダファミリア、アルハンブラ宮殿などの入場券も手に入りにくくなったり、長時間並んだりと、せっかくはるばるスペインまで来たのに、見たいものも見れず、入りたいところにも入れずに日本に帰ることにもなりかねません。5月だったら大丈夫。

4. 果物の種類が豊富

旅の楽しみの一つはやっぱり食べること!

果物好きな方には、5月はお薦めの季節です。春の果物の代表各イチゴもまだ出回っていますし(イチゴは分類的には野菜になるのですが、ここでは果物扱いとしておきます)、サクランボ・アプリコット・メロンなどの果物が出回り始めますよ。スペインに来たら是非食べてほしいイチオシは、サクランボです!特に、「ピコタ」と呼ばれている種類は、ワインレッド色で大粒、甘みの強いとても美味しい種類。ぜひ、市場によって買って食べてみてください。やみつきになりますよ!

5. 日本からの航空券が割安

日本から欧州行きの飛行機の一番のローシーズンは2月と11月ですが、ゴールデンウイークが終わり、夏休み前までのこの時期は、割安なチケットが手に入る時です。また、比較的予約を取りやすい時期といえます。

6. まとめ

以上のように、気候的にも、経済的にも、旅行中に回れる実質時間の長さや待ち時間などの節約という面でも、スペインを訪れるならやはり5月が最適でしょう。

現地のスペイン人のおばちゃん、おじちゃん達が行く市場に、あなたも積極的に立ち寄ってみて、おいしいスペインの果物や食べ物を試食してみてくださいね!スペイン語が話せなくても、きっとお店の人たちとのゼスチャー会話で盛り上がり、旅の良き思い出となることでしょう。