ちょっとスペイン語 -1- (Cuarentena-検疫期間) 

ここでは、ちょっとしたスペイン語の言い回しや、ことわざ、話し言葉など、辞書には載っていない単語も含めて紹介していきます。スペイン語を勉強している方には言葉の幅が広がるお手伝いができればいいなと、スペイン語には興味ないという方には雑学として楽しんでいただければいいなと思っています。

Cuarentena-検疫期間 

2020年3月16日現在、ここスペインでは新型肺炎コロナウイルスが猛威を振るっていて、先日「警戒事態」が正式に発表され、更に本日、陸路を通じたスペインへの入国を制限することが発表されました。外出禁止令が出され、不必要な外出は一切できないようになり、こういう体験は初めてのことで戸惑うばかりです。

さて、この新型肺炎コロナウイルスのニュースでよく耳にするようになった言葉がこの Cuarentena(クワレンテーナ)。Cuarenta(クワレンタ-40という意味)から派生した語で、40日間というのがもともとの意味ですが、病に罹った人を一定期間隔離し、感染を防ぐためにする検疫期間のこと。かつては、この検疫期間が40日だっためこういわれるようになりました。

¿Sabías que Elena está en cuarentena? Es que fue de vacaciones a Italia y por si las moscas está haciendo la cuarentena en casa voluntariamente.

エレナが検疫中だって知ってた?イタリアにバカンスで行ってたから、用心して自主的に家で隔離しているんだって。

一体、いつまでこういう状況が続くのか…。この「警戒事態」、長丁場になりそうなのです。本当に、1日も早く新型肺炎コロナウイルスの感染が終息し、平常通りの生活に戻れることを願うばかりです。

スペインの春を呼ぶ花アーモンド

パッと見は桜と見間違う

今年のスペインは記録的な暖冬で、ここサラマンカではしばらく20度近い気温が続いていました。その暖かな気候に誘われて、一気にアーモンドの花があちこちで咲き誇っています。

20年以上前に初めてここスペインにやってきて、サラマンカでスペイン語を勉強し始めたのも丁度2月の寒い時期でした。あの頃は、もっと寒くてかなり雪が降ったりして、もっと温暖なスペインの冬を想像していた私は、あまりの寒さに毎日震えていたのを思い出します。そして、3月に入りサラマンカからちょっと田舎に足を延ばしたら、なだらかな丘に桜の花が咲いているのが見え、「えー!サラマンカでも桜が咲くんだ!でもまだ3月の頭なのに、まだまだ寒いのに・・・?」と不思議に思い友人のスペイン人に尋ねると、「あれはアーモンドの花だよ。」と教えてくれました。「へー、アーモンドの花って桜の花そっくり!」と驚いたことを今も鮮明に覚えています。

アーモンドの花と桜の花の見分け方

アーモンドの花と桜の花がよく似ているのもそのはず。アーモンドは、バラ科さくら属の落葉樹です。桜とは従妹同士のようなもの。似ているはずです。我が家のお向いさんの庭にも立派なアーモンドの木があり、花を楽しんだ後はアーモンドの実も楽しめる、”花も団子も楽しめる”楽しみの多い木です。アーモンドの花は、桜と同じように花弁が5枚あり、花弁の先が少し割れています。色も白っぽいものからピンクのものまでありますが、我が家付近のアーモンドの花は、日本の桜の花より薄いピンク色のものが多いようです。本当に、パッと見ただけまたは遠目に見ただけではアーモンドと桜の花の違いを見分けるのは難しいでしょう。では、どうやって見分けたらよいのでしょうか。桜の花はご存知の通り、枝から花柄(かへい)が出てその先に花が咲きます。しかし、アーモンドには花柄がないか極端に短く、枝から直接花が咲いています。一般的に、アーモンドのほうが桜より1か月以上前に花が咲き始めるので、今の時期に桜そっくりの花をスペインで見かけたら、アーモンドの花に間違いないです。

花弁がなく直接枝に花が咲いている

アーモンド栽培

アーモンドの木がスペインで栽培されるようになったのは、なんと2000年以上も前から。東から交易などできた人-フェニキア人-によって、中央アジア原産のアーモンドがペルシャやメソポタミアを通って西の果てスペインまでもたらされたらしい。その後は、ローマ人がさらに広めていったとのこと。

2018年のデータでは、スペインは米国に次ぐ世界第2位のアーモンド生産国です。それだけに、もしこのアーモンドの花の時期にスペインを訪れる機会がある方は、きっと色んな所でこの桜によく似たアーモンドの花を見ることができますよ。

色々なアーモンド製品

お菓子に飲み物、肌のクリームなど、スペインでは色んなアーモンド製品を見ることができます。クリスマスの時期に必ずスペイン中の家庭で食べられるお菓子トゥロン(Turrón)。アーモンドの実から作るこのトゥロンは、アーモンドの実が丸ごとたっぷり入っているハードタイプと、アーモンドの実をすりつぶしてペースト状にし、油を加えて柔らかでかつチョット粘り気のあるソフトタイプの2種類があります。個人的には、ハードタイプのものが大好きですね。他には、やはりクリスマスによく食べられるマジパン(Mazapan)。巡礼の街サンティアゴ・デ・コンポステーラのお菓子タルタ・デ・サンティアゴ(Tarta de Santiago)は、アーモンドを粉状にしたアーモンド・プードルで作られていて、しっとりとした口触りが何とも言えず美味!是非、サンティアゴ・デ・コンポステーラに行く方は試食していただきたいお薦めのお菓子です。日持ちも良いので、お土産にも喜ばれますよ。

飲み物では、アーモンドのオルチャータ(Horchata de almendra)と呼ばれるアイスドリンクも夏場にはお薦め。また、アーモンドオイルもシャワー後に全身に塗ると保湿効果抜群、低刺激なので赤ちゃんに塗っている人も多いですね。日本ではあまり見られないかもしれませんが、アーモンドオイル入りのシャンプーなども多いです。アーモンドオイル物をお土産にするのもいいかもしれません。

チョコレートのトゥロン、丸ごとアーモンドが使われています

美術におけるアーモンド

キリスト教の国スペインを旅していると、度々Mandorla(マンドルラ)と呼ばれるアーモンド形の光輪を見ます。もともとイタリア語でアーモンドという意味だとか。ロマネスク様式やビザンチン様式の美術品によくみられ、特に復活したキリストを表現する際にこのマンドルラが使われています。また、聖母マリアや聖人にも使われています。下の写真でも、アーモンド形のマンドルラの中にキリストが座っています。このような彫刻、絵画はロマネスク様式が多く存在するスペイン北部ではよくみられるので、注意して見てくださいね。

モアルべス・デ・オヘダの聖ヨハネ教会(パレンシア県)

アーモンドのお花見

至る所にアーモンドの木があり、花真っ盛り(ラ・フラヘネーダ(La Frageneda)

ここサラマンカ県にあるラ・フラヘネーダ(La Frageneda)という村には村の人口の何倍ものアーモンドの木が栽培されています。ポルトガルとの国境をなすドゥエロ川とアゲダ川の合流点にあるこの村は、2月末から3月頭はアーモンドの花盛りです。アーモンドのお花見に行くにはもってこい。お弁当ならぬスペインのボカディージョ(フランスパンで作ったスペイン式サンドイッチ)を持って、是非ラ・フラヘネーダ(La Frageneda)までお花見をしにぶらぶら散策しませんか。きっと、お決まりの観光コースだけでは味わえない、ディープな旅が楽しめること間違いなしです!

スペインの古代ローマ遺跡 - 大邸宅 ラ・オルメダ(La Olmeda)

遺跡はすっぽりと建物に覆われて劣化から守られてる(筆者撮影)

スペインにも古代ローマ時代の遺跡が残っていますが、やはり一番有名なのはセゴビアにある水道橋でしょうか。それともタラゴナの古代劇場でしょうか。セゴビアと同じカスティージャ・イ・レオン州にあるパレンシア県のラ・オルメダと呼ばれる古代ローマ時代の大邸宅は、日本人の観光客がほとんどいない穴場的存在で一見の価値が十分にあります。特にここで発掘されたモザイク画は、ヨーロッパの中でも最も保存状態の良いものの一つです。今日は、日本では知られていない古代ローマ時代の大邸宅ラ・オルメダを紹介します。

ラ・オルメダについて

紀元4世紀、このラ・オルメダと呼ばれる大邸宅は造られました。この大邸宅は当時の大地主が所有し、生活の場として奴隷や使用人達も暮らすあたかも村の縮図といえるようなところだったようです。建物自体の面積が4,400㎡にもおよび、中央には中庭が設けられ、その周りには精緻なモザイク画が施された4つの部屋がありました。部屋が35部屋もあり、そのうちの12部屋には古代ローマの床下暖房の設備が整っていました。また、その35部屋のうちの26部屋には多色装飾されたモザイク画がありそのモザイク画の占める面積は1,450㎡もありました。大邸宅には4つの塔があり、2つは四角形、残りの2つは八角形でした。

ローマ時代の大邸宅ラ・オルメダの見取図(筆者撮影)

このラ・オルメダで是非見て頂きたいモザイク画は、1,500年という時の経過を感じさせないような当時の色が残る美しいものです。人物画には顔の陰影までモザイク画とは思えないほど緻密に表現され、当時の技術の高さがうかがえます。技術の高さといえば、床下暖房設備には驚かされます。ここカスティーリャ・イ・レオン州の冬は長く厳しいものです。当時、寒い冬の間もこれらの部屋で快適な時間を過ごすことができたことは容易に想像できます。もっと時代が下がり中世のお城を訪れると、暖を取るための暖炉は部屋にありますが、どう考えてもローマ時代の床下暖房設備のほうが断然暖かかったろうなと思うと、つくづく古代ローマの技術の高さに舌を巻きます。

ラ・オルメダの遺跡では、古代ローマの共同浴場や墓地も見れます。また、ローマ時代の様々な道具や屋根瓦なども展示してあり、当時の生活の様子がうかがわれ興味深いです。

ラ・オルメダの発見

1968年、この遺跡は偶然に発見されました。ラ・オルメダ遺跡が1500年以上もの長い年月、誰の目に留まることなく静かに地下で眠っていたその眠りを破られ、発掘によりその姿を現すようになったのは、ハビエル・コルテス氏のひとかたならぬ情熱によるものでした。

ハビエル・コルテス氏は、ラ・オルメダの遺跡が眠る土地の所有者で農業を営んでいました。ある場所で何度もトラクターが引っかかることに疑問を抱き、土を調べると小さな同じ大きさの石のようなものが沢山含まれていることに気づきました。そして、それがモザイク画のモザイクではないかと思い、コルテス氏は独自で発掘を始めたのです。それから何と12年間発掘を自費で続けました。その間、大変保存状態の良いモザイク画や数々の生活用品、ローマ時代の硬貨などが発掘されました。1970年から1984年までは自宅の2部屋を展示室として出土してきた様々な物を展示して一般に公開していました。そして、1980年にパレンシア県に土地・遺跡共々寄贈したのです。

このラ・オルメダ遺跡は、ハビエル・コルテス氏の並々ならぬ遺跡に対する情熱から見つかったといっても過言ではないでしょう。

ラ・オルメダ遺跡(筆者撮影)

モザイク画

1,450㎡も占めていたというモザイク画。中でも大広間にあるモザイク画は、オデュッセウスとアキレウスの神話を表しています。下の写真でもわかりますが、保存状態の良い多色装飾のモザイク画が生き生きと描かれています。動きがあり、緻密な陰影によってより立体的なものに仕上がっているうえ、その大きさにも圧倒されます。当時、モザイク画は専門家が作成していました。おそらくこのモザイク画もどこからか専門家を連れてきて作成したものだと考えられています。

このモザイク画のモチーフとしては、スキーロス島のアキレウス、狩猟の様子、イベリア半島の動物、楕円形をしたメダイヨン、肖像画などが描かれています。周りに施された模様も複雑で丁寧に仕上げられています。

中央上にはスキーロス島のアキレウスが。(筆者撮影)
端正なギリシア風の顔立ち。水鳥とイルカの模様も。(筆者撮影)

当時、色鮮やかで美しいモザイク画がこの大邸宅の住人たちの目を楽しませ、訪れる客人たちを驚嘆させたことでしょう。またカスティーリャ・イ・レオン州の長くて暗い寒い冬にあっても気持ちを明るくさせる役割を果たしていたに違いありません。そして、永い眠りから目覚めさせられ、ハビエル・コルテス氏らの目の前にその姿を現した時の彼らが受けた衝撃的な感動を想像するだけで、こちらまでドキドキさせられます。

大広間とは別の部屋に施された8つの花弁がある花模様。(筆者撮影)

浴場

浴場は、温かいお湯の浴場と冷たい水の浴場の二種類があったとのこと。また、浴槽はかなり大きなもので湯船の中で座る場所も設けられ、四角形の四隅は丸くなっていて快適そうです。また、浴場の隣にはお手洗いもあり、驚いたことには、便座は木製でできていて座り心地も計算されていたようです。そして、浴場からの水を使っての水洗トイレ形式でした!

手前が浴場部分で、角は丸く、段差があるのは座るため。奥がトイレになっていて、木製の便座が。(筆者撮影)

博物館 – 聖ペドロ教会(サルダーニャ)

2020年1月現在は、ラ・オルメダから出土した様々な物は近郊の村サルダーニャの聖ペドロ教会に移され展示されています。訪れた時の説明によると、様々な物が出土され、当時の生活の様子を窺い知ることができます。例えば、ラ・オルメダがあるパレンシア県には海がありません。海がある北に位置するアストゥリアス地方まで行くには200キロ以上の道のりですが、ラ・オルメダ遺跡では大量のカキ(貝)が掘り出されているとか。往復400キロ以上もの道のりも美味しいものを求めてなんのその!何か特別なお祝い事がある毎に、アストゥリアス地方の海岸までカキを採りに行っていたようです。また、出土している装飾品に用いられている石-スペイン語ではアサバッチェ(azabache)と呼ばれる黒石(ジェット/jet)-は、スペインではアストゥリアス地方でしか採れない石です。ここの主人はかなり裕福な生活を送っていたようです。私の目を引いた展示物のひとつに、子供用の靴がありました。皮で作られたものですが、とても1500年以上も昔の靴とは思えない機能的かつ可愛いデザインでした。

子供用の皮のブーツ(筆者撮影)

さいごに

ラ・オルメダは単にローマ時代の遺跡を見れるだけではなく、その発見者であるハビエル・コルテス氏の発掘の歴史を知ることも面白いです。また、この遺跡を覆うように建てられた建物自体も、建築という観点から一見の価値があります。今回ご紹介しませんでしたが、ラ・オルメダ遺跡の近くに別のローマ時代のラ・テハーダ遺跡もありますので、併せて見学されることもできます。

その他、ラ・オルメダ遺跡の出土品が展示してある聖ペドロ教会のあるサルダーニャという村は5kmほどの距離にあり、車だと5分程度で行ける村です。今回、村の広場はあいにく工事中で見れませんでしたが、小さいながらも可愛い村です。ぜひ足を延ばしてみてください。

サルダーニャの村の入口(筆者撮影)
サルダーニャ村にあるねじれた家(筆者撮影)

ラ・オルメダ遺跡 開館情報

住所:ペドロサ・デ・ラ・ベガ、パレンシア(Pedrosa de la Vega, 34116 – Palencia)
GPS検索:G.P.S. Latitud Norte: 42° 28’ 50’’ / Longitud Oeste: 4° 44’ 11’’
開館時間:火~土 10:30~18:30(最終入館 18:15)  
*月曜日(祭日に当たる日は開館している場合もあるのでウエッブページでご確認を)・1月1日・1月6日・12月24日・12月25日・12月31日は休館                    1. 入場料(ラ・オルメダ遺跡と聖ペドロ教会の博物館 共通券):               一般;5ユーロ/1人・割引料金; 3ユーロ/1人・特別料金;1,5ユーロ/1人          *12歳までは無料                                   *国際学生証を提示すれば割引料金適用。英語で書かれた教師証明書などがあれば割引の可能性あり。                                           *5月18日と毎週火曜日15:00以降は無料。但し、火曜日はガイドツアー無し。         2. 入場料(ラ・オルメダ遺跡・聖ペドロ教会の博物館・ラ・テハーダ遺跡 共通券):      一般; 6ユーロ//1人 ・割引料金; 4ユーロ/1人・特別料金;2ユーロ/1人          *12歳までは無料                                   *国際学生証を提示すれば割引料金適用。英語で書かれた教師証明書などがあれば割引の可能性あり。                                           *5月18日と毎週火曜日15:00以降は無料。但し、火曜日はガイドツアー無し。 

ラ・オルメダ 情報

ラ・オルメダ遺跡の公式サイト(英語・スペイン語・フランス語)            https://www.villaromanalaolmeda.com/

当時の様子を再現した3Dの映像がYouTubeで見れます。    https://www.youtube.com/watch?v=MRPaXpr7qU8

サルダーニャ村の公式サイト(スペイン語)                        http://saldana.es/index.php/turismo/

ラ・テハーダ遺跡の公式サイト(英語・スペイン語・フランス語)              https://www.villaromanalaolmeda.com/villa/tejada/presentacion

ナショナルジオグラフィックが選んだスペインのローマ時代の遺跡10選(残念ながらラ・オルメダ遺跡は選ばれていませんでした。)興味のある方はどうぞ。               https://historia.nationalgeographic.com.es/a/10-fantasticos-restos-romanos-espana_11129/2

スペイン ロマネスクへのいざない (1)

聖エウフェミア教会 – Iglesia de Santa Eufemia – パレンシア県(筆者撮影)

スペイン ロマネスクは、スペイン北部のみに存在する

ロマネスク様式が花開いたのは紀元11~12世紀にかけてというのが一般的。しかしスペインでは、13世紀に入ってもロマネスク様式が採用されていることが多い。また、12世紀末から13世紀はロマネスク様式からゴシック様式に移行する過渡期であり、ハイブリッドな教会もスペインでは多々見られる。

この時代、スペインはレコンキスタの真っ最中。そう、スペインはキリスト教世界とイスラム教世界の二つの相反する世界に分かれていた時代。この時代は、スペインという統一国が誕生する以前の複雑な歴史を持っている。スペインを旅していると気づくことの一つは、スペイン南部にはロマネスク建築が存在しないことだ。スペイン北部では至る所でロマネスク建築が見られるが、南部にはない。これは、スペイン南部がこの時代イスラム教世界だったからだ。

ロマネスクと巡礼の道 サンティアゴ・デ・コンポステーラ

また、スペインにはキリスト教三大聖地の一つ「サンティアゴ・デ・コンポステーラ」があるが、そのサンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼が始まったのが10世紀。11世紀にはヨーロッパ中から多くの巡礼者が集まり、最盛期の12世紀には年間50万人を超える人たちが西の果てのこの地へ向かったというから驚きだ。サンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼が活発化する時期とロマネスクの時代は一致する。巡礼者たちのための修道院、救護院、教会がロマネスク建築で多く建てられた。今では、これらのほとんどがひっそりと静かに、まるで息をひそめるかのように建っているが、11~12世紀当時はヨーロッパの様々な国、民族の巡礼者が集まる賑やかで色々な情報を交換する貴重な場所だったのだろうと想像すると不思議な気持ちになる。

聖フアン・バウティスタ教会 – Iglesia de San Juan Bautista – パレンシア県(筆者撮影)

ロマネスク建築と修道院の役割

ロマネスク建築について調べてみると、「フランス、スペイン北部、ドイツ、イングランド、イタリアと、これらに囲まれた地域で形成された建築で、東ヨーロッパなどの周辺部については、わずかながらロマネスク建築の特徴を持った教会堂が点在するが、本質的には西ヨーロッパで興った建築である。」(wikipedia参照)とある。

ロマネスクの発展には、修道院の役割が大きく、特にクリュニー修道院とシトー会の活動によるところが大きい。この時代の修道院は、単なる祈りと労働による共同生活の場所ではなく学問と文化を主導する役割を担っていた。そして修道士たちは、自給自足の共同体として、都市部だけではなく、俗世を離れ、辺境の地でも荒地や森林を開墾して自分たちの修道院を建設していった。前述したように、サンティアゴ巡礼に赴く巡礼者たちに宿舎として提供し、また病気に倒れた巡礼者たちを収容して治療を施したのも多くの修道院だった。修道士たちは、聖職者というだけではなく、農民、職人、技術者、医者、薬剤師、教師等の専門家として積極的に働き、共同体を維持していた。中世時代の修道院は、その当時最も先進的な生産組織であり、かつ学問と芸術の中心であった。ヨーロッパ各地にみられる地方色豊かなロマネスク建築は、これらの修道院の存在なしには考えられない。(「西洋建築の歴史」佐藤達生著より)

ロマネスク建築の特徴

ロマネスク建築の特徴としては、厚い壁と小さな窓、そして円形アーチが挙げられる。厚い壁は、石造りの天井が外側に向かって力を働かせる構造になっているため、その天井の重みを厚い壁で支えている。窓は小さく、大理石に似た粒子の細かい半透明の石、アラバスターと呼ばれる雪花石膏がよく見受けられる。円形のアーチはローマ風。全体的に重厚感があり、装飾も少ない。

しかし、少ない装飾の中に興味深いものがたくさん隠れているのもこのロマネスクの魅力の一つだと言えるだろう。神話や伝説上の動物や当時の楽器を持つ音楽士たち、聖書に基づくモチーフや悪霊を追い払うための顔などなど・・・。一つ一つゆっくりと時間をかけて観察すればするほど色々な発見がある。ゴシック建築のような高度な技術がまだ発達していなかった時代の建造物だが、1000年の時を超えて多くのことを私たちに語り掛けてくれる。

聖マリア教会 – Iglesia de Santa María – サラゴサ県(筆者撮影)

スペインのロマネスク建築の特徴

スペイン北部アストゥリアス地方には、ロマネスク様式以前の様式が存在する。プレロマネスク様式またはアストゥリアス芸術と呼ばれているものだ。ロマネスク様式は、前述したように西ヨーロッパにおけるグローバル化のような様式で、国が異なっていても共通するものが多くあるが、ここスペイン北部では独自の様式-プレロマネスク様式またはアストゥリアス芸術-が花開いていた。そこには、西ゴート (ゲルマン民族の一部族で、5世紀にイベリア半島で西ゴード王国を建てた) 、モサラべ (イスラム教徒の治下に混在したキリスト教徒のこと) 、そしてスペイン北部アストゥリアス独自の文化が融合して花開いたものである。

バルディオスのサン・サルバドール教会 – Iglesia de San Salvador de Valdediós – アストゥリアス州(筆者撮影)

これから少しづつスペイン北部に点在するロマネスクをこのブログで紹介していくつもりだ。特に、私が住むカスティーリャ・イ・レオン州にはロマネスク建築である教会、救護院、修道院が多く、ロマネスクの粋といわれるフロミスタの聖マルティン教会もここカスティーリャ・イ・レオン州にある。

スペインの建築物というとガウディのサグラダ・ファミリアやグラナダのアルハンブラ宮殿、セビリア大聖堂などが真っ先に頭に浮かんでくるかもしれないが、スペインのロマネスクの魅力もお伝えしたい。是非、スペイン観光のコースにロマネスク教会や修道院への訪問を加えて頂き、自分の目でみて、重厚感あふれる1000年もの歴史を持つ石たちに触れてほしい。

参考

スペイン・ロマネスク・アカデミー(日本)とAmigos de Románico

スペイン・ロマネスク美術の研究組織で、知識・普及・交流を目的にしている。写真も多く説明もわかりやすい。https://arej.jimdofree.com/ 

スペインでも「Amigos de Románico」という組織があり、本の出版や独自のウェブサイトでスペインのロマネスクに関して貢献している。スペイン語のみだが興味のある方はどうぞ。https://www.amigosdelromanico.org/

おいしいポタージュを召し上がれ!

寒くなってきました。私が住むサラマンカも最高気温が10℃前後で、最低気温は4~5℃ほど。  寒くなると食べたくなるものの一つは、ポタージュです。たっぷり野菜が入って体にも優しく、のど越しも良いポタージュは、病気の母が大好きだった食べ物でした。病院食でもこのおいしいポタージュがもっと普通に出ればいいのに…と漏らしていた言葉を思い出します。確かに、ポタージュ自体は日本でもよく知られている料理ですが、一般家庭で普通に作るメニューのひとつとは言い難いかもしれません。ここスペインの一般家庭では、よく色んな種類のポタージュを作って食べています。野菜嫌いの子供もポタージュにすると食べられるので、食事を作る親にとってはありがたい料理のひとつです。子供にもお年寄りにも食べやすく、それに何といっても美味しいポタージュを日本の方々にももっと食べてほしいので、3種類のポタージュを紹介します。

にんじんのポタージュ

クルトンを入れても美味しいですよ

材料:4人分

・人参                       中4本

・ジャガイモ                    中2個

・玉葱                       中1個

・ニンニク                     1片

・チキンスープストック(市販のものでも結構です)  1リットル

・白ワイン                     100ml

・塩、オリーブオイル                適宜

作り方

1.鍋に多め(大匙2~3杯)のオリーブオイルを入れて、ざっくりとみじん切りにしたニンニクと玉葱を入れて炒める。その後、輪切りにしたジャガイモと人参を加えてさらに炒める。

2.白ワインを入れ、ジャガイモと人参が少し柔らかくなるまで煮込む。

3.塩、スープストックを加えて中火で約30分間煮る。

4.具が柔らかくなったら、ハンドミキサーにかけて出来上がり。

*好みによって濃度を調節してください。もっとサラッとしたポタージュが好みであればスープストックを多めに入れてください。

*もし、自家製のスープストックを作るのであればご参考までに。

鶏ガラ1羽分/人参 大1本/玉葱 中½個/長ねぎ 1本/セロリ 1本/ローレル 1枚/水 1,3リットル を火にかけ沸騰したら中~弱火で1~2時間ほど煮る。その間灰汁を丁寧に何度も取り除く。火を止めた後は、濾してスープストックをとる。

かぼちゃのポタージュ

材料:4人分

・カボチャ                      750g

・玉葱                        中1個

・人参                        中1本

・長ねぎ                       中1本

・ニンニク                      1片

・ピーマン                      ½ 個

・ナチュラルトマト(市販の缶詰または完熟トマト)   100㏄

・オリーブオイル 大匙2杯

・塩                  適宜

作り方

1.玉葱、人参、長ねぎ、ニンニク、ピーマンをざっくりとみじん切りにし、鍋にオリーブオイルを多め(大匙2~3杯)に入れ、弱火でよく炒める。

2.野菜をいためている間、カボチャを賽の目切りにする。

3.1の野菜がクタクタに炒まったら、2の野菜を入れてさらに5分間ほど炒める。

4.次に野菜がヒタヒタなるまで水を入れ、塩をし、ナチュラルトマトを入れて弱火~中火で約1時間ほど煮る。(圧力鍋を使用すると、短時間でできます。)

5.野菜が柔らかく煮えたら火を止め、塩加減を見て調節し、ハンドミキサーにかけて出来上がり。

野菜たっぷりのポタージュ

材料:4人分

・人参                       中2本

・ジャガイモ                    中2個

・玉葱                       中1個

・長ねぎ                      1本

・緑黄色野菜                    適宜               (ほうれん草、不断草、インゲン、ブロッコリー等、なんでも残っている野菜を使う)

・ニンニク                     1片

・塩、オリーブオイル                適宜

作り方

1.全ての野菜を適当の大きさに切り、ヒタヒタの水と塩を入れて弱火~中火で約1時間ほど煮る。(圧力鍋を使用すると、短時間でできます。)

2.野菜が柔らかく煮えたら火を止め、塩加減を見て調節し、ハンドミキサーにかけて出来上がり。

3.皿に盛り、食べる際にバージン・オリーブオイルを少しかけて混ぜあわせて食べる。

*少し甘みが欲しければ、リンゴのコンポートを少し入れると、緑黄色野菜の苦みが消えて、食べやすくなりますよ。

レオン(León)へいこう!(1)

ここスペインでは、11月1日は諸聖人の日(Día de Todos los Santos)と呼ばれ、祝日となっています。そして翌日11月2日は死者の日(万霊節)です。今年は、1日が金曜日で3連休となったので久しぶりにレオン市(León)に行ってきました。

聖マルコス教会(Iglesia de San Marcos)(筆者撮影)

この日は、スペインの多くの人たちが実家に帰り家族と一緒に過ごします。そして、花を持って年に一回のお墓参りにいきます。最近では、こういう伝統的な過ごし方をする人は少なくなってきましたが、それでもまだまだ健在です。

聖フランシスコ公園(Parque San Francisco)の紅葉(筆者撮影)

レオンの魅力

レオン市は、スペイン、カスティーリャ・イ・レオン州にあり、高度837m、夏は涼しく冬は寒さが厳しい街です。かつてのレオン王国の首都で、その歴史は2,000年にもさかのぼります。レオンの魅力は、レオン市内を歩いて回ると感じることのできる居心地の良い空間、川に沿って伸びる緑地遊歩道を家族連れやお年寄り、カップルがのんびりとおしゃべりしながら散歩するそのゆったりと流れる時間、ロマネスク様式のサン・イシドロ教会(11~12世紀)、ゴシック様式の大聖堂(13世紀)、ルネッサンス様式のサン・マルコス教会(16~17世紀)、モデルニスモでガウディ建築のカサ・ボティネス(19世紀)に代表される各時代の建物が物語る歴史にあると言えるでしょう。

パパラギンダ通り(Paseo de Paparaguinda)を散歩する人たち(筆者撮影)
鳥居の除幕式(筆者撮影)

巡礼道にある街レオン

キリスト教の三大巡礼地に挙げられるサンティアゴ・デ・コンポステーラは、聖ヤコブ(スペイン語では聖サンティアゴ)の遺骸があるとされています。その巡礼地サンティアゴ・デ・コンポステーラへヨーロッパ各国から巡礼者が訪れていました。最盛期の12世紀には年間50万人を超えたというから驚きます。

今も、ユネスコの世界遺産に登録されている「サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路」は、年間約30万人の巡礼者が訪れていて、過去25年間で毎年その数が増えている人気のルートです。

そして、この「サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路」の主要道はレオンの街を通っています。この「サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路」と和歌山の「熊野古道」は、1998年に姉妹道となりました。

そして、ここ巡礼路の主要地であるレオン市内には、レオン市と日本の姉妹交流、協力と歓迎の意味を込めてモニュメントも作られています。それは、「Ruta del Conocimiento(知の道)」と呼ばれ、巡礼者や日本人観光客のためにレオン市が作ったルートで、「サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路」にも重なっているものです。

ちょっと中心地から離れたレオン市入口にあるプエンテ・カストロ地区の公園内に、朱塗りの鳥居が建てられ、桜の木も植えられています。また、ルート内に5つの道標が設置してあり、それぞれの道標にはスペイン語と日本語のメッセージが書かれています。

日本から1万km以上離れた異国の地スペインで、レオン市が日本人観光客を歓迎し、思いがけなく日本の文化を感じる鳥居に出会うという不思議な体験ができます。旅の思い出に立ち寄って見てみるのも一興でしょう。春には、桜の花も見ることができますよ。

コルトとピリッと辛いムール貝のピンチョス   (筆者撮影)

バリオ・ウメド(Barrio Húmedo)VS バリオ・ロマンティコ(Barrio Romántico)

レオンに来て絶対行かなきゃいけないところ!旅の醍醐味は観光のみではありません。地元の人たちが行く気さくなバルやカフェに立ち寄り、まるで自分も地元の一人になった気分になれるようなところ、地元の人たちの素顔を垣間見ることができるところでのんびり過ごすことも旅の楽しみのひとつでしょう。

バリオ・ウメド(Barrio Húmedo)と呼ばれる地区は、昼も夜もとても賑やかなところです。数々のバルやレストランがひしめき合い、通りには冬でも外にテーブルが出て賑わっています。レオンのバルは、それぞれのバルのおつまみがあり、ピリッと辛めの揚げたてポテトチップスが食べたければここ、色んな種類のコロッケが食べたかったらここ、ムール貝だったらここ、という風に、食べたいおつまみで行く店を決めるのがここレオン風です。

最近は、バリオ・ロマンティコ(Barrio Romántico)と呼ばれる地区もとても人気があります。こちらは、バリオ・ウメドに比べるともう少し落ち着いた感じでしょうか。こちらの方が家族ずれが多いようです。サント・ドミンゴ広場からレオン大聖堂に向かって伸びるルア通りを挟んで両方の地区が広がっているので、ぶらぶら歩きながら3~4軒ほどバルに立ち寄りワインまたはビールなどと一緒にピンチョスをつまんでみてはいかがでしょうか。

数件バル巡りをしたい方にお勧めの注文方法は、「コルト(corto)」と呼ばれる小さいコップのサイズのビールとピンチョス。あまりお酒に強くない方は、「コルト・デ・クララ(corto de clara)」がいいかも。これは、小さいコップにソーダ水で割ったビールがでてきます。これだと飲みやすいので、数件はまわれますよ!この小さいサイズの「コルト(corto)」はマドリッドなどではないサイズのビールで、マドリッドで「ウン・コルト・ポルファボール(Un corto, por favor)」と注文しても、きょとんとした顔でウエイターから見られるのでご注意を!

週末はゆっくりバルでおしゃべり(筆者撮影)

レオンの食べ物とワイン

レオンで是非試していただきたい食べ物は、モルシージャとセシーナ、そして子羊料理でしょう。ワインはビエルソ地方のワインがお薦めです。また、レオンは地ビールも種類豊富なので、是非試してくださいね。マラガト地方の郷土料理「コシード」も一度は食べてみたい料理です。マドリッドの「コシード」とは異なり、最後にスープがでてきます。ワインの美味しいビエルソに合う郷土料理は「ボティン」です。また、レオンはジビエ料理も美味しいですよ。また、ビエルソ地方の焼き赤ピーマンは絶品です。お肉の添えやサラダにしても美味しいこの焼き赤ピーマン、是非お試しください。お土産に買って帰るのもいいですね。

マラガト地方のカストリ―ジョ・デ・ロス・ポルバサーレス(Castrillo de los Porvasales)
コシードを食べるなら是非この村で!(筆者撮影)

レオンのお薦めのお土産

まずは、チョコレート。レオンからバスで1時間のアストルガにはチョコレート博物館があり、これは、ヨーロッパで初めてチョコレートが生産されたところがアストルガだからです。カカオ90%というチョコレートや、モルシージャ味のチョコレートなど他ではお目にかかれない不思議な味のチョコレートもあります。

次に、同じアストルガのお菓子「アストルガのパイ(Hojaldres de Astorga)」と「アストルガのマンテカード(Mantecados de Astorga)」もお薦め。マンテカードは、小麦粉、砂糖、卵、バターを材料とするパウンドケーキやマドレーヌに似たお菓子です。

また、「テクラス(Teclas de Hojaldre)」と呼ばれるお菓子や「聖ギジェルモのリボン(Lazos de San Guillermo)」は、私も大好きなお菓子です。是非ご賞味あれ!

ビエルソ地方のワインもお薦めです。ビエルソ地方の特産品赤ピーマンの瓶詰も美味しいですよ。

食べ物以外には、大聖堂の前のお土産屋さんにあるサン・イシドロ教会の暦プレートや手作りのバインダーなどが買える紙のお店屋さん(Abadía)も私のお気に入りのお店です。

聖イシドロ教会バシリカの農業カレンダー

ぜひ、レオン市内、レオン県内の街を散策しながら、あなたのお気に入りを見つけてくださいね。

アストルガの大聖堂(筆者撮影)

レオン観光 情報

http://www.leon.es/leon_turismo/

アストルガのチョコレート博物館 情報

住所:アストルガ市 アベニーダ・デ・ラ・エスタシオン16番地(Avd. de la Estación 16 )
TEL:(34)987 616 220
開館時間:火~土 10:30~14:00、16:30~19:00(最終入館 13:30、18:30)          日・祝 10:30~14:00(最終入館 13:30)  
*月曜日・1月1日・1月5日・1月6日・5月22日・12月24日・12月25日・12月31日は休館    入場料:2,50€                                      ウエッブサイト: http://www.aytoastorga.es/turismo-y-ocio/MUCHA/index.html

レオンお土産・お店 情報

レオンの地元のお菓子はこれ!  http://lazosdesanguillermo.es/es/

「La Rosaleda]-レオン大聖堂の近くにあるレオンの伝統的な食べ物-セシーナ、お菓子、瓶詰の保存食、チーズ、ワイン等-が売ってあります。是非のぞいて見てください!   http://www.despensalarosaleda.com/

「Abadía 」-本当に、素敵な紙が豊富に揃っていて、紙が好きな私はあれもこれも欲しくなってしまうお店です。ウメド地区にあります。  http://encuadernacionabadia.blogspot.com/

かせいた―ドュルセ・デ・メンブリージョ(Dulce de Membrillo) スペインと日本の出会い

スペイン名ドュルセ・デ・メンブリージョ(Dulce de Membrillo)は、マルメロのジャムを煮詰めてかため羊羹のようにしたスペイン・ポルトガル特産の甘い保存食です。メンブリージョは、日本ではマルメロと呼ばれる果物です。渋みが強いので生で食することはできませんが、砂糖で煮て美味しいジャムまたはお菓子になります。実はこのお菓子、17世紀(1634年)に長崎に渡ってきました。そして、日本では「かせいた」と呼ばれるようになりました。なんでも、ポルトガル語の名前であるCaixa da Marmelada(カイシャ・ダ・マルメラーダ)から”カセイタ”という名前が生まれたと言われています。ちなみにCaixa da Marmeladaは、「マルメラーダの箱」という意味です。スペインのドュルセ・デ・メンブリージョ(Dulce de Membrillo)が日本の羊羹のように長方形の形をしていることを鑑みると、「箱型のマルメロ菓子」とでもいう意味だったのでしょう。

マルメロの果実。友人宅庭の収穫をお裾分けしていただきました。

この「かせいた」というお菓子、肥後細川家の初代細川忠興が気に入り、徳川幕府や京都の公卿たちへの献上品として用いられたとのことです。以後、肥後藩主細川家は「かせいた」を毎年4月に幕府へ献上し、この習わしは幕末まで継続されたそうです。そして、江戸時代から戦前まで現熊本県宇土市走潟町の現浜戸川河岸段丘地に、「かせいた」の原材料として使われていたマルメロが栽培され、肥後藩の貴重な献上品として「かせいた」を製造していたということ。

スペイン国内どこにでもあるごく普通の、全く飾り気のない庶民の食べ物が、日本、熊本に渡り、徳川幕府や京都の公卿たちへの献上品という上級社会の限られた人たちのみが食することができる特別な食べ物となり、まるで肥後細川ブランド品ともいえる高級な食べ物に変わったことに、好奇心をそそられます。

日本にポルトガル人がはじめて漂流したのが、1543年。そして、1580年から1640年までは、スペイン王がポルトガル王を兼ねる同君連合が成立していたので、1634年に「かせいた」がポルトガル人によって日本にもたらされたときは、正しくスペインとポルトガルがお互いに影響しあっていた時期です。

スペイン・ポルトガル人はその後日本国内から追放されますが、彼らが残したこの甘い食べ物は幕末まで200年以上「かせいた」として生き残り、当時の重要人物たちが喜んで食べていたことやお茶の際のお菓子として重宝がられたこと等を想像し、きっとその200年の間に「かせいた」の原型である「ドュルセ・デ・メンブリージョ」のことやポルトガル・スペイン人のことはすっかり忘れられていたのだろうな、などと色んなことに思いをはせることは興味深いものです。

実は、今から10年ほど前に熊本城内の城彩苑にある熊本城ミュージアムを訪れた際、スペインでよく食べ親しんでいたドュルセ・デ・メンブリージョ(Dulce de Membrillo)にそっくりなお菓子が展示されていることに気づき、ビックリして説明を読み、調べてみてこのことを知りました。カステラが、ポルトガル人たちによって「カスティージャ地方のお菓子」と呼ばれていたスペインのお菓子だということは結構知られていますが、この「かせいた」については全く初耳だったので驚いたのを覚えています。

さて、この「かせいた」は、明治以降すっかり忘れられていましたが、現在は細川家秘伝の銘菓を復元するという目的で、「加勢伊多」という名前で復活し、熊本市水前寺成趣園内にある古今伝授之間と隣接する茶屋で有料にて味わうことができます。最中の皮で薄く切った濃厚なジャムを挟んであり、上品なお菓子になっていました。ちなみに、マルメロとは言いますが、熊本ではすでに藩御用のマルメロ栽培は無くなったので、原料はカリンだそうです。

もしスペインにいらっしゃることがあれば、ぜひこのドュルセ・デ・メンブリージョ(Dulce de Membrillo)をご賞味ください。真空パック入りのものもスーパーなどで手軽に購入できるので、お土産にも喜ばれると思いますよ。お土産にされる際、是非肥後細川藩の「かせいた」のお話をされると更に話に花が咲くこと間違いなしです!

ここでは、ドュルセ・デ・メンブリージョ(Dulce de Membrillo)のスペイン版のレシピを紹介します。

さっそく我が家でもドュルセ・デ・メンブリージョを作ってみました

ドュルセ・デ・メンブリージョ(Dulce de Membrillo)

材料

・マルメロ(なければカリン)  1㎏(正味)                    

・砂糖             1㎏

・レモン汁           1個分

作り方

1、マルメロの皮をむき芯をとり、ザクザク小さく切る。

2、鍋に1のマルメロと、砂糖、レモン汁、水をヒタヒタに入れる。最初は強火で、煮立ったら中弱火でマルメロが柔らかくなるまで約15分ほど煮る。水分が多いようであれば、水分をきる。

3、2のマルメロをミキサーにかける。

4、ここで砂糖を入れ、もう一度火にかける。弱火で約一時間ほど時々かき混ぜながら煮詰める。

5、モッタリした感じになり、キャラメル色に近い色になったら火を消す。

6、熱いうちに長細い型に入れて、そのまま冷やす。冷えたら固まるので、好みの厚さに切ってパンに乗せたり、チーズと一緒に食べる。

スペイン式の食べ方は、チーズを切ってその上にのせて食べます。カナッペの上にチーズと一緒に乗せると美味!単にパンに塗って食べても美味しいですよ。

チーズと一緒にクルミものせて

切って容器に入れ、冷凍することもできます。是非、このスペインと日本の出会いの物語ある「かせいた」を作ってみてくださいね。

江戸時代の徳川幕府の面々や京都の公卿のみが食べられた肥後細川ブランド品の原型「ドュルセ・デ・メンブリージョ」(Dulce de Membrillo)を是非お試しください!

追記

この南蛮菓子の日本版「かせいた」についての動画があります。現在唯一、「かせいた」の由緒正しい技術を継承されてご自身で作られ、お茶会でお茶菓子として出されている茶道の村上美枝子先生にインタビューした貴重な動画です。雅美な菓子として復刻したこの「かせいた」についてのいきさつなども興味深いものです。是非、ご覧ください。

熊本と言えば「くまモン」!と肥後細川家の九曜紋の入ったお菓子(写真: 筆者撮影)

スペインでバードウォッチング!-鳥の名前 スペイン語 - 用語集(日本語からスペイン語)

ここでは、これまでこのブログに出てきたスペインに生息する野鳥の名前を、日本語名からスペイン語名を探すときに便利なようにアイウエオ順で集めてみました。スペインで野鳥観察されるとき、またはスペインの旅の途中で見かけた鳥のスペイン語名を知りたいときに、少しでもお役に立てれば幸いです。

ア行

・アオアシシギ(学名: Tringa nebularia / 西:Archibebe claro)

・アオガラ(学名: Cyanistes caeruleus / 西:Herrerillo común)

・アオカワラヒワ(学名:Chloris chloris/ 西:Verderón común)

・アオサギ(学名: Ardea cinerea / 西:Garza real)

・アカアシイワシャコ(学名:Alectoris rufa / 西:Perdíz roja)

・アカアシシギ(学名: Tringa totanus / 西:Archibebe común)

・アカゲラ(学名:Dendrocopos major / 西:Pico picapinos)

・アカトビ(学名:Milvus milvus / 西:Milano real)

・イエスズメ(学名:Passer domesticus / 西:Gorrión común)

・イソシギ(学名: Actitis hypoleucos / 西:Andarríos chico)

・イソヒヨドリ(学名:Monticola solitarius / 西:roquero solitario)

・イベリアカタシロワシ(学名:Neophron percnopterus / 西:Águila imperial ibérica)

・エジプトハゲワシ(学名:Neophron peronopterus / 西:Alimoche común)

・エナガ(学名: Aegithalos caudatus / 西:Mito)

・エリマキシギ(学名:Philomachus pugnax / 西:Combatiente)

・オオカモメ(学名:Larus marinus / 西:Gavión atlántico)

・オオバン(学名:Fulica atra / 西:Focha común)

・オカヨシガモ(学名:Mareca strepera/ 西:Ánade friso)

・オナガ(学名:Cyanopica cyanus / 西:Rabilargo)

・オナガムシクイ(学名:Sylvia undata / 西:Curruca rabilarga)

カ行

・カイツブリ(学名:Tachybaptus ruficollis / 西:Zampullín común o Zampullín chico)

・カケス(学名:Garrulus glandarius / 西:Arrendajo euroasiático 又は Arrendajo común) 

・カササギ(学名:Pica pica / 西:Urraca)

・カワセミ(学名: Alcedo atthis / 西:Martín pescador)

・カワラバト(学名: Columba livia / 西:Paloma barvía)

・カンムリガラ(学名:Lophophanes cristatus / 西:Herrerillo capuchino)

・カンムリヒバリ(学名:Galerida cristata / 西:Cogujada común)

・キアシセグロカモメ(学名:Larus michahellis / 西:Gaviota patiamarilla)

・キタヤナギムシクイ(学名: Phylloscopus trochilus / 西:Mosquitero musical)

・キョウジョシギ(学名: Arenaria interpres / 西:Vuelvepiedras)

・キンクロハジロ(学名:Aythya fuligula/ 西:Porrón moñudo)

・クイナ(学名:Rallus aquaticus / 西:Rascón)

・クロウタドリ(学名: Turdus merula / 西:Mirlo)

・クロガシラムシクイ (学名:Sylvia melanocephala / 西:Curruca cabecinegra)

・クロジョウビタキ(学名:Phoenicurus ochruros / 西:Colirrojo tizón)

・クロヅル(学名:Grus grus / 西:Grulla común)

・クロハゲワシ(学名:Aegypius monachus / 西:Buitre negro)

・コサギ(学名: Egretta garzetta / 西:Garceta común)

・コシアカツバメ(学名:Hirundo daurica / 西:Golondrina dáurica)

・ゴシキヒワ(学名:  Carduelis carduelis / 西:Jilguero)

・ゴジュウカラ(学名:Sitta europaea / 西:Trepador azul)

・コチドリ(学名:Charadrius dubius / 西:Chorlitejo chico)

サ行

・サヨナキドリ(学名: Luscinia megarhynchos / 西:Ruiseñor común )

・サンドイッチアジサシ(学名:Thalasseus sandvicensis / 西:Charrán patinegro)

・シジュウカラ(学名:Parus major / 西:Carbonero común)

・シメ(学名:Coccothraustes coccothraustes / 西:Picogordo común)

・シラヒゲムシクイ(学名:Sylvia cantillans / 西:Curruca carrasqueña)

・シロエリハゲワシ(学名:Gyps fulvus / 西:Buitre leonado)

・シロハラアマツバメ(学名:Tachymarptis melba / 西:Vencejo real)

・シュバシコウ(学名:Ciconia ciconia / 西:Cigueña blanca)

・スズメ(学名:Passer montanus / 西:Gorrión molinero)

・ズアオアトリ(学名:Fringilla coelebs / 西:Pinzón)

・ズグロムシクイ(学名:  Sylvia atricapilla / 西:Curruca capirotada)

・セアカモズ(学名:Lanius collurio / 西:Alcaudón dorsirrojo)

・セイタカシギ(学名:Himantopus himantopus / 西:Cigüeñuela común)

・セグロカモメ(学名:Larus argentatus / 西:Gaviota Reidora argéntea)

・セッカ(学名:Cisticola juncidis / 西:Cistícola buitrón)

・ソリハシセイタカシギ(学名:Recurvirostra avosetta / 西:Avoceta común) 

タ行

・タイリクハクセキレイ(学名:Motacilla alba / 西:Lavandera blanca)

・ダイサギ(学名:Egretta alba / 西:Garceta grande)

・タゲリ(学名:Vanellus vanellus / 西:Avefría)

・タシギ(学名:Gallinago gallinago / 西:Agachadiza común)

・タンシキバシリ(学名:Certhia brachydactyla / 西:Agateador europeo 又は Agateador común)

・チフチャフ (学名:Phylloscopus collybita / 西:Mosquitero común)

・チャイロツバメ(学名:Ptyonoprogne rupestris / 西:Avión roquero)

・チョウゲンボウ(学名:Falco tinnunculus / 西:Cernícalo vulgar)

・チョウシャクシギ(学名:Numenius phaeopus / 西:Zarapito trinador)

・チョウヒワシ(学名:Circaetus gallicus / 西:Águila culebrera)

・ツクシガモ(学名:Tadorna tadorna / 西:Tarro blanco)

・ツバメ(学名:Hirundo rustica / 西:Golondrina común)

・ツメナガセキレイ(学名: Motacilla flava / 西:Lavandera boyera)

・トビ(学名: Milvus migrans / 西:Milano negro)

ナ行

・ナベコウ(学名:Ciconia nigra / 西:Cigüeña negra)

・ニシイワツバメ(学名:Delichon urbicum / 西:Avión común)

・ニシコクマルガラス(学名:Corvus monedula / 西:Grajilla)

・ニシノビタキ(学名:Saxicola rubicola / 西:Tarabilla europea)

・ノガン(学名:Otis tarda / 西:Avutarda)

・ノビタキ(学名:Saxicola rubicola / 西:Tarabilla común)

ハ行

・ハイイロガン(学名:Anser anser / 西:Ansar común)

・ハシグロヒタキ(学名:Oenanthe oenanthe / 西:Collalba gris)

・ハシボソガラス(学名:Corvus corone / 西:Corneja negra)

・ハシビロガモ(学名:Anas clypeata / 西:Pato cuchara)

・ハジロコチドリ(学名: Charadrius hiaticula / 西:Cholitejo grande)

・ハタホオジロ(学名:Miliaria calandra / 西:Triguero)

・ハマシギ(学名:Calidris alpina / 西:Correlimos común)

・バン(学名:Gallinula chloropus / 西:Gallineta común)

・ヒガラ(学名:Periparus ater / 西:Carbonero garrapinos)

・ヒゲホオジロ(学名:Emberiza cia / 西:Escribano montesino)

・ヒメクマタカ(学名:Hieraaetus pennatus / 西:Aguililla calzada )

・ヒメチョウゲンボウ(学名:Falco naumanni / 西:Cernícalo primilla)

・ヒメヨシゴイ(学名:Ixobrychus minutus / 西:Avetorillo común)

・ヒドリガモ(学名:Anas penelope / 西:Ánade silbón)

・ヘラサギ(学名:Platalea leucorodia / 西:Espátula común)

・ホシハジロ(学名:Aythya ferina / 西:Porrón europeo)

・ボネリークマタカ(学名:Aquila fasciata / 西:Águila-azor perdicera)

マ行

・マガモ(学名: Anas platyrhynchos / 西:Ánade azulón)

・マキバタヒドリBisbita pratense(学名:Anthus pratensis / 西:Bisbita pratense)

・マダラヒタキ(学名: Ficedula hypoleuca / 西:Papamoscas cerrojillo)

・マミジロキクイタダキ(学名:Regulus ignicapilla / 西:Reyezuelo listado)

・ミソサザイ(学名:Troglodytes troglodytes/ 西:Chochín común)

・ミヤコドリ(学名: Haematopus ostralegus / 西:Ostrero)

・ムジホシムクドリ(学名:Sturnus unicolor / 西:Estornino negro)

・ムネアカヒワ(学名:Carduelis cannabina / 西:Pardillo común)

・モリバト(学名:Columba palumbus / 西:Paloma torcaz)

・モリヒバリ(学名:Lullula arborea / 西:Alondra totovía)

ヤ行

・ヤツガシラ(学名:Upupa epops / 西:Abubilla)

・ユリカモメ(学名:Larus ridibundus / 西:Gaviota reidora)

・ヨーロッパアマツバメ(学名:Apus apus / 西:Vencejo común)

・ヨーロッパセリン(学名: Serinus serinus / 西:Serín verdecillo)

・ヨーロッパチョウヒ(学名:Circus aeruginosus / 西:Aguilucho lagunero)

・ヨーロッパノスリ(学名:Buteo buteo / 西:Busardo ratonero)

・ヨーロッパヒメウ(学名: Phalacrocorax aristotelis / 西:Cormorán moñudo)

ラ行

・ワカケホンセイインコ(学名: Psittacula krameri / 西:Cotorra de kramer)

・ワタリガラス(学名:Corvus corax / 西:Cuervo)

スペインでバードウォッチング!-鳥の名前 スペイン語 - Glosario(用語集)(スペイン語から日本語)

ここでは、これまでこのブログに出てきたスペインに生息する野鳥の名前を、スペイン語名から日本語名を探すときに便利なようにアルファベット順で集めてみました。スペインでバードウォッチングされるとき、またはスペインの旅の途中で見かけた鳥のスペイン語名を知りたいときに、少しでもお役に立てれば幸いです。

《A》

・Abubilla(学名:Upupa epops / 日:ヤツガシラ)

・Agachadiza común(学名:Gallinago gallinago / 日:タシギ)

・Agateador europeo o Agateador común(学名:Certhia brachydactyla / 日:タンシキバシリ)

・Águila-azor perdicera(学名:Aquila fasciata / 日:ボネリークマタカ)

・Águila culebrera(学名:Circaetus gallicus / 日:チョウヒワシ)

・Águila imperial ibérica(学名:Neophron percnopterus / 日:イベリアカタシロワシ)

・Aguililla calzada(学名:Hieraaetus pennatus / 日:ヒメクマタカ )

・Aguilucho lagunero(学名:Circus aeruginosus / 日:ヨーロッパチョウヒ)

・Alcaudón dorsirrojo(学名:Lanius collurio / 日:セアカモズ)

・Alimoche común(学名:Neophron peronopterus / 日:エジプトハゲワシ)

・Alondra totovía(学名:Lullula arborea / 日:モリヒバリ)

・Ánade azulón(学名: Anas platyrhynchos / 日:マガモ)

・Ánade friso(学名:Mareca strepera/ 日:オカヨシガモ)

・Ánade silbón(学名:Anas penelope / 日:ヒドリガモ)

・Ansar común(学名:Anser anser / 日:ハイイロガン)

・Archibebe claro(学名: Tringa nebularia / 日:アオアシシギ)

・Arrendajo euroasiático 又は Arrendajo común(学名:Garrulus glandarius / 日:カケス)

・Andarríos chico(学名: Actitis hypoleucos / 日:イソシギ)

・Archibebe común(学名: Tringa totanus / 日:アカアシシギ)

・Avefría(学名:Vanellus vanellus / 日:タゲリ)

・Avetorillo común(学名:Ixobrychus minutus / 日:ヒメヨシゴイ)

・Avión común(学名:Delichon urbicum / 日:ニシイワツバメ)

・Avión roquero(学名:Ptyonoprogne rupestris / 日:チャイロツバメ)

・Avoceta común(学名:Recurvirostra avosetta / 日:ソリハシセイタカシギ)

・Avutarda(学名:Otis tarda / 日:ノガン)

《B》

・Bisbita pratense(学名:Anthus pratensis / 日:マキバタヒドリ)

・Buitre leonado(学名:Gyps fulvus / 日:シロエリハゲワシ)

・Buitre negro(学名:Aegypius monachus / 日:クロハゲワシ)

・Busardo ratonero(学名:Buteo buteo / 日:ヨーロッパノスリ)

《C》

・Carbonero común(学名:Parus major / 日:シジュウカラ)

・Carbonero garrapinos(学名:Periparus ater / 日:ヒガラ)

・Cernícalo primilla(学名:Falco naumanni / 日:ヒメチョウゲンボウ)

・Cernícalo vulgar(学名:Falco tinnunculus / 日:チョウゲンボウ)

・Charrán patinegro(学名:Thalasseus sandvicensis / 日:サンドイッチアジサシ)

・Chochín común(学名:Troglodytes troglodytes/ 日:ミソサザイ)

・Chorlitejo chico(学名:Charadrius dubius / 日:コチドリ)

・Chorlitejo grande(学名: Charadrius hiaticula / 日:ハジロコチドリ)

・Cigüeña blanca(学名:Ciconia ciconia / 日:シュバシコウ)

・Cigüeña negra(学名:Ciconia nigra / 日:ナベコウ)

・Cigüeñuela común(学名:Himantopus himantopus / 日:セイタカシギ)

・Cistícola buitrón(学名:Cisticola juncidis / 日:セッカ)

・Cogujada común(学名:Galerida cristata / 日:カンムリヒバリ)

・Colirrojo tizón(学名:Phoenicurus ochruros / 日:クロジョウビタキ)

・Collalba gris(学名:Oenanthe oenanthe / 日:ハシグロヒタキ)

・Combatiente(学名:Philomachus pugnax / 日:エリマキシギ)

・Cormorán moñudo(学名: Phalacrocorax aristotelis / 日:ヨーロッパヒメウ)

・Corneja negra(学名:Corvus corone / 日:ハシボソガラス)

・Correlimos común(学名:Calidris alpina / 日:ハマシギ)

・Cotorra de kramer(学名: Psittacula krameri / 日:ワカケホンセイインコ)

・Cuervo(学名:Corvus corax / 日:ワタリガラス)

・Curruca cabecinegra (学名:Sylvia melanocephala / 日:クロガシラムシクイ)

・Curruca capirotadaズグロムシクイ(学名:  Sylvia atricapilla / 日:ズグロムシクイ)

・Curruca carrasqueña(学名:Sylvia cantillans / 日:シラヒゲムシクイ)

・Curruca rabilarga(学名:Sylvia undata / 日:オナガムシクイ)

《D》

《E》

・Escribano montesino(学名:Emberiza cia / 日:ヒゲホオジロ)

・Escribano triguero(学名:Miliaria calandra / 日:ハタホオジロ)

・Espátula común(学名:Platalea leucorodia / 日:ヘラサギ)

・Estornino negro(学名:Sturnus unicolor / 日:ムジホシムクドリ)

《F》

・Focha Común(学名:Fulica atra / 日:オオバン)

《G》

・Gallineta común(学名:Gallinula chloropus / 日:バン)

・Garceta común(学名: Egretta garzetta / 日:コサギ)

・Garceta grande(学名:Egretta alba / 日:ダイサギ)

・Garza real(学名: Ardea cinerea / 日:アオサギ)

・Gavión atlántico(学名:Larus marinus / 日:オオカモメ)

・Gaviota patiamarilla(学名:Larus michahellis / 日:キアシセグロカモメ)

・Gaviota reidora(学名:Larus ridibundus / 日:ユリカモメ)

・Gaviota reidora argéntea(学名:Larus argentatus / 日:セグロカモメ)

・Golondrina común(学名:Hirundo rustica / 日:ツバメ)

・Golondrina dáurica(学名:Hirundo daurica / 日:コシアカツバメ)

・Gorrión Común(学名:Passer domesticus / 日:イエスズメ)

・Gorrión molinero(学名:Passer montanus / 日:スズメ)

・Grajilla(学名:Corvus monedula / 日:ニシコクマルガラス)

・Grulla común(学名:Grus grus / 日:クロヅル)

《H》

・Herrerillo capuchino(学名:Lophophanes cristatus / 日:カンムリガラ)

・Herrerillo común(学名: Cyanistes caeruleus / 日:アオガラ)

《I》

《J》

・Jilguero europeo(学名:  Carduelis carduelis / 日:ゴシキヒワ)

《K》

《L》

・Lavandera blancaタイリクハクセキレイ(学名:Motacilla alba / 日:タイリクハクセキレイ)

・Lavandera boyera(学名: Motacilla flava / 日:ツメナガセキレイ)

《M》

・Martín pescador(学名: Alcedo atthis / 日:カワセミ)

・Milano negro(学名: Milvus migrans / 日:トビ)

・Milano Real(学名:Milvus milvus / 日:アカトビ)

・Mirlo común(学名: Turdus merula / 日:クロウタドリ)

・Mito(学名: Aegithalos caudatus / 日:エナガ)

・Mosquitero común (学名:Phylloscopus collybita / 日:チフチャフ)

・Mosquitero musical(学名: Phylloscopus trochilus / 日:キタヤナギムシクイ)

《N》

《O》

・Ostrero(学名: Haematopus ostralegus / 日:ミヤコドリ)

《P》

・Paloma torcaz(学名:Columba palumbus / 日:モリバト)

・Paloma barvía(学名: Columba livia / 日:カワラバト)

・Papamoscas cerrojillo(学名: Ficedula hypoleuca / 日:マダラヒタキ)

・Pardillo común(学名:Carduelis cannabina / 日:ムネアカヒワ)

・Pato cuchara(学名:Anas clypeata / 日:ハシビロガモ)

・Perdíz roja(学名:Alectoris rufa / 日:アカアシイワシャコ)

・Picogordo común(学名:Coccothraustes coccothraustes / 日:シメ)

・Pico picapinos(学名:Dendrocopos major / 日:アカゲラ)

・Pinzón vulgar(学名:Fringilla coelebs / 日:ズアオアトリ)

・Porrón europeo(学名:Aythya ferina / 日:ホシハジロ)

・Porrón moñudo(学名:Aythya fuligula/ 日:キンクロハジロ)

《Q》

《R》

・Rabilargo(学名:Cyanopica cyanus / 日:オナガ)

・Rascón(学名:Rallus aquaticus / 日:クイナ)

・Reyezuelo listado(学名:Regulus ignicapilla / 日:マミジロキクイタダキ)

・Roquero solitario(学名:Monticola solitarius / 日:イソヒヨドリ)

・Ruiseñor común(学名: Luscinia megarhynchos / 日:サヨナキドリ )

《S》

・Serín Verdecillo(学名: Serinus serinus/ 日:ヨーロッパセリン)

《T》

・Tarabilla común(学名:Saxicola rubicola / 日:ノビタキ)

・Tarabilla europea(学名:Saxicola rubicola / 日:ニシノビタキ)

・Tarro blanco(学名:Tadorna tadorna / 日:ツクシガモ)

・Trepador azul(学名:Regulus ignicapilla / 日:ゴジュウカラ)

《U》

・Urraca(学名:Pica pica / 日:カササギ)

《V》

・Vencejo común(学名:Apus apus / 日:ヨーロッパアマツバメ)

・Verderón común(学名:Chloris chloris/ 日:アオカワラヒワ)

・Vencejo real(学名:Tachymarptis melba / 日:シロハラアマツバメ)

・Vuelvepiedras(学名: Arenaria interpres / 日:キョウジョシギ)

《W》

《XYZ》

・Zampullín común o Zampullín chico(学名:Tachybaptus ruficollis / 日:カイツブリ)

・Zarapito trinador(学名:Numenius phaeopus / 日:チョウシャクシギ)

スペインでバードウォッチング!-ガリシア州

9月上旬にガリシア州バイヨーナからアメリカ海岸、そしてパンションに行き、野鳥観察を楽しんできました。この辺りは海鳥も多く、遊歩道には海鳥を観察できる場所も作られていました。遊歩道は、散歩する人やジョギングを楽しむ人のための歩道と自転車道の両方があり、お天気も良かったこともあり家族連れやお年寄り、カップルや若者など多くの人たちが思い思いの方法で遊歩道を楽しんでいました。。

ア・ラマジョサ特別自然保護区

ミニョール川河口地帯と海岸近くの沼地には、様々な鳥たちが生息しています。引き潮時には、忙しそうにお食事中の鳥たちが、そのユーモラスな姿を見せてくれます。沼地のほうに行くと、沢山のカモメとともにアオサギやコサギなども結構見られますよ。今回は、飛んでいるカワセミも見ることができました。今回の散歩で見れた鳥たちは、以下の通り。

・サンドイッチアジサシ(学名:Thalasseus sandvicensis / 西:Charrán Patinegro)

・ユリカモメ(学名:Larus ridibundus / 西:Gaviota Reidora)

ユリカモメ(学名:Larus ridibundus / 西:Gaviota Reidora)/ 写真 アルベルト・F・メダルデ

・キアシセグロカモメ(学名:Larus michahellis / 西:Gaviota Patiamarilla) 

キアシセグロカモメ(学名:Larus michahellis / 西:Gaviota Patiamarilla)/ 写真 アルベルト・F・メダルデ

・オオカモメ(学名:Larus marinus / 西:Gavión Atlántico) 

オオカモメ(学名:Larus marinus / 西:Gavión Atlántico) / 写真 アルベルト・F・メダルデ

・ヨーロッパヒメウ(学名: Phalacrocorax aristotelis / 西:Cormorán moñudo)

ヨーロッパヒメウ(学名: Phalacrocorax aristotelis / 西:Cormorán moñudo)/ 写真 アルベルト・F・メダルデ

・キョウジョシギ(学名: Arenaria interpres / 西:Vuelvepiedras)

キョウジョシギ(学名: Arenaria interpres / 西:Vuelvepiedras)/ 写真 アルベルト・F・メダルデ

・ミヤコドリ(学名: Haematopus ostralegus / 西:Ostrero)

ミヤコドリ(学名: Haematopus ostralegus / 西:Ostrero)/ 写真 アルベルト・F・メダルデ

・ハマシギ(学名:Calidris alpina / 西:Correlimos común)

ハマシギ(学名:Calidris alpina / 西:Correlimos común)/ 写真 アルベルト・F・メダルデ

・チョウシャクシギ(学名:Numenius phaeopus / 西:Zarapito trinador)

チョウシャクシギ(学名:Numenius phaeopus / 西:Zarapito trinador)/ 写真 アルベルト・F・メダルデ

・アカアシシギ(学名:Tringa totanus / 西:Archibebe Común)

アカアシシギ(学名:Tringa totanus / 西:Archibebe Común)/ 写真 アルベルト・F・メダルデ

・アオアシシギ(学名:Tringa nebularia / 西:Archibebe Claro)

アオアシシギ(学名: Tringa nebularia / 西:Archibebe Claro))/ 写真 アルベルト・F・メダルデ

・イソシギ(学名: Actitis hypoleucos / 西:Andarríos Chico)

イソシギ(学名: Actitis hypoleucos / 西:Andarríos Chico)/ 写真 アルベルト・F・メダルデ

・ハジロコチドリ(学名: Charadrius hiaticula / 西:Cholitejo grande)

ハジロコチドリ(学名: Charadrius hiaticula / 西:Cholitejo grande)/ 写真 アルベルト・F・メダルデ

・カワセミ(学名: Alcedo atthis / 西:Martín Pescador)

・タイリクハクセキレイ(学名:Motacilla alba / 西:Lavandera blanca)

タイリクハクセキレイ(学名:Motacilla alba / 西:Lavandera blanca)/ 写真 アルベルト・F・メダルデ

・ヨーロッパセリン(学名: Serinus serinus / 西:Serín Verdecillo)

ヨーロッパセリン(学名: Serinus serinus/ 西:Serín Verdecillo) / 写真 アルベルト・F・メダルデ

・マダラヒタキ(学名: Ficedula hypoleuca / 西:Papamoscas cerrojillo)

マダラヒタキ(学名:Ficedula hypoleuca / 西:Papamoscas cerrojillo) / 写真 アルベルト・F・メダルデ

・キタヤナギムシクイ(学名: Phylloscopus trochilus / 西:Mosquitero musical)

キタヤナギムシクイ(学名: Phylloscopus trochilus / 西:Mosquitero musical)/ 写真 アルベルト・F・メダルデ

・アオサギ(学名: Ardea cinerea / 西:Garza Real)

アオサギ(学名: Ardea cinerea / 西:Garza Real)/ 写真 アルベルト・F・メダルデ

・コサギ(学名: Egretta garzetta / 西:Garceta Común)

コサギ(学名: Egretta garzetta / 西:Garceta Común)/ 写真 アルベルト・F・メダルデ

・マガモ(学名: Anas platyrhynchos / 西:Ánade Azulón)

マガモ(学名: Anas platyrhynchos / 西:Ánade Azulón)/ 写真 アルベルト・F・メダルデ

・クロウタドリ(学名: Turdus merula / 西:Mirlo)

クロウタドリ(学名:Turdus merula / 西:Mirlo)/ 写真 アルベルト・F・メダルデ

・シジュウカラ(学名:Parus major / 西:Carbonero Común)

シジュウカラ(学名:Parus major / 西:Carbonero Común)/ 写真 アルベルト・F・メダルデ

・ヒガラ(学名:Periparus ater / 西:Carbonero Garrapinos)

ヒガラ(学名:Periparus ater / 西:Carbonero Garrapinos)/ 写真 アルベルト・F・メダルデ

・イエスズメ(学名:Passer domesticus / 西:Gorrión Común)

イエスズメ(学名:Passer domesticus / 西:Gorrión Común)/ 写真 アルベルト・F・メダルデ

・セッカ(学名:Cisticola juncidis / 西:Cistícola buitrón)

セッカ(学名:Cisticola juncidis / 西:Cistícola buitrón)/ 写真 アルベルト・F・メダルデ

・モリバト(学名:Columba palumbus / 西:Paloma Torcaz)

モリバト(学名:Columba palumbus / 西:Paloma Torcaz)/ 写真 アルベルト・F・メダルデ

・カワラバト(学名:Columba livia / 西:Paloma Bravia)

・ハシボソガラス(学名:Corvus corone / 西:Corneja negra)

ハシボソガラス(学名:Corvus corone / 西:Corneja negra)/ 写真 アルベルト・F・メダルデ
遊歩道から見える沼地

スペインでも双眼鏡を首から下げて野鳥観察をしてみませんか?               日本には生息していない珍しい鳥たちに出会えるかもしれません。きっとまた違った角度からスペインの旅の楽しみを味わえると思いますよ。