スペインでバードウォッチング-サラマンカ・トルメス川沿い

コロナウイルス危機により、スペインではいまだに警戒事態が続いていて、6月21日以降にやっと警戒事態宣言終了となる予定です。スペインの警戒事態宣言は罰金を伴った外出禁止令が出され、日本の非常事態宣言に比べるととても厳しいもの。必需品の買い物、許可された職場や病院等へ行く以外では全く外出ができない時期が約50日間も!その間、車も人も全く姿を消した街の中では、鳥たちのさえずりの声がひときわよく聞こえ、こんなにも鳥がこの町には居たのか!と今更ながらの驚きの発見でした。鳥たちのさえずりは、家から出れない不自由な身を辛く感じ、自由な身の鳥たちを心底羨ましく思うと同時に、心を癒してくれるものでもありました。そして、外に出れないながらも鳥たちのさえずりの声によって春の訪れを感じることができた初めての経験でもありました。

2020年6月17日現在も、感染者数が多く死亡者も多かったマドリッドに近いサラマンカは県外への移動は禁止されています。そういう状況なので、今回は我が家から歩いて15分位にあるトルメス川沿いへ、家の中から声だけ聴いていた鳥たちを探しにバードウォッチングに行ってきました。

夕方6時くらいから1時間半くらいゆっくり歩いて、川沿いや遊歩道沿いの鳥たちを楽しめました。久しぶりに鮮やかな青色が美しいカワセミに出会ったり、本来ならばスペインでは見られないワカケホンセイインコも見ました。家で観賞用に飼っていたインコが逃げたか、逃がされたのか、どちらにしても今やすっかり野生化してかなりの数のワカケホンセイインコが、トルメス川沿いにコロニーを作り居ついています。鳴き声がかなりうるさいくらいです。散歩道の真ん中にズアオアトリが降りてきて、自転車に乗った若者が通るまでじっくり観察できました。日本では見られない鳥で、名前の通り頭が青く体は茶色のかわいらしい姿に魅せられました。

今日会った鳥たちは次の通りです。

・カワセミ(学名:Alcedo atthis / 西:Martín Pescador)

・モリバト(学名:Columba palumbus / 西:Paloma Torcaz)

モリバト(学名:Columba palumbus / 西:Paloma Torcaz)/ 写真 アルベルト・F・メダルデ

・ツバメ(学名:Hirundo rustica / 西:Golondrina común)

ツバメ(学名:Hirundo rustica / 西:Golondrina común)/ 写真 アルベルト・F・メダルデ

・ニシイワツバメ(学名:Delichon urbicum / 西:Avión común)

ニシイワツバメ(学名:Delichon urbicum / 西:Avión común)/ 写真 アルベルト・F・メダルデ

・ヨーロッパアマツバメ(学名:Apus apus / 西:Vencejo común)

・ズアオアトリ(学名:Fringilla coelebs / 西:Pinzón)

ズアオアトリ(学名:Fringilla coelebs / 西:Pinzón)/ 写真 アルベルト・F・メダルデ

・エナガ(学名: Aegithalos caudatus / 西:Mito)

エナガ(学名: Aegithalos caudatus / 西:Mito)/ 写真 アルベルト・F・メダルデ

・アオガラ(学名: Cyanistes caeruleus / 西:Herrerillo común)

アオガラ(学名: Cyanistes caeruleus / 西:Herrerillo común)/ 写真 アルベルト・F・メダルデ

・ヒガラ(学名:Periparus ater / 西:Carbonero Garrapinos)

ヒガラ(学名:Periparus ater / 西:Carbonero Garrapinos)/ 写真 アルベルト・F・メダルデ

・クロジョウビタキ(学名:Phoenicurus ochruros / 西:Colirrojo Tizón)

クロジョウビタキ(学名:Phoenicurus ochruros / 西:Colirrojo Tizón)/ 写真 アルベルト・F・メダルデ

・クロウタドリ(学名: Turdus merula / 西:Mirlo)

クロウタドリ(学名:Turdus merula / 西:Mirlo)/ 写真 アルベルト・F・メダルデ

・マガモ(学名: Anas platyrhynchos / 西:Ánade Azulón)

マガモ(学名: Anas platyrhynchos / 西:Ánade Azulón)/ 写真 アルベルト・F・メダルデ

・ワカケホンセイインコ(学名: Psittacula krameri / 西:Cotorra de Kramer)

ワカケホンセイインコ(学名: Psittacula krameri / 西:Cotorra de Kramer)/ 写真 アルベルト・F・メダルデ

・イエスズメ(学名:Passer domesticus / 西:Gorrión común)

イエスズメ-雌(学名:Passer domesticus / 西:Gorrión Común)/ 写真 アルベルト・F・メダルデ

・トビ(学名: Milvus migrans / 西:Milano negro)

トビ(学名: Milvus migrans / 西:Milano negro)/ 写真 アルベルト・F・メダルデ

・ゴシキヒワ(学名:  Carduelis carduelis / 西:Jilguero)

ゴシキヒワ(学名:  Carduelis carduelis / 西:Jilguero)/ 写真 アルベルト・F・メダルデ

・ズグロムシクイ(学名:  Sylvia atricapilla / 西:Curruca capirotada)

ズグロムシクイ(学名:  Sylvia atricapilla / 西:Curruca capirotada)/ 写真 アルベルト・F・メダルデ

・カササギ(学名:Pica pica / 西:Urraca)

カササギ(学名:Pica pica / 西:Urraca)/ 写真 アルベルト・F・メダルデ

コロナウイルスのせいでなかなか遠出もできない状況ですが、歩いていける近所でも色んな鳥たちに会えるかもしれませんよ。是非、双眼鏡持参で近場のバードウォッチングを楽しんでくださいね。

圧巻!スペインのアマポーラ畑-アマポーラの海

5月も終わり6月も半ばです。2020年の約半分が過ぎていこうとしています。世界中で感染が広がった新型肺炎コロナウイルスに翻弄された2020年前半、後半は「新しい生活様式(スペインでは”Nueva normaldad”です)」と呼ばれる窮屈な生活、「古い生活様式」(Vieja normalidad)が恋しくなる生活が始まることになりそうです。特効薬やワクチンがない以上、まだまだ気を抜かず手洗い励行、距離を置く、なるべく家に居る、というような感染対策が続きます。

さて、去年のブログにも5月はアマポーラの季節だと書きましたが、今年は4月に雨が多く、更に丁度外出禁止令が出ていて踏み荒らされることもなく、各地で素晴らしいアマポーラ畑が広がっています。今日は、友人から送られてきたカスティーリャ・イ・レオン州、サモーラの街のアマポーラ畑の写真を紹介します。

真っ赤な絨毯を敷き詰めたような美しさで、深い赤と石造りの建物がマッチしています。高さは約1メートルほどにもなり、まるでアマポーラの海のよう。

今年のアマポーラの季節はそろそろ終わりを迎えます。コロナウイルスも終わりを迎え、来年にはここスペインの美しいアマポーラ畑を見に来ていただきたいなと心から願っています。