2026年8月12日午後8時28分、スペインで皆既日食を体験をしました!
スペイン北部にあるレオン県のほとんどの場所で、太陽が月にすっぽりと完全に隠れてしまう皆既日食を見ることができるということで、数日前からスペインのみならず、ヨーロッパや世界各国の人達がレオン県を訪れていて、レオン市内を歩いているとびっくりするほど人が多く、皆既日食を楽しもうという人達で溢れていました。
私はなるべく人込みを避けて、できれば自然の中で今回の皆既日食を見たいと思い、レオン市から車で30分位の小さな村に椅子持参で行ってきました。午後7時半位から部分日食が始まり、完全に太陽が隠れるのが午後8時28分、そして再び部分日食となり日食が終了するのが9時半位という、約2時間程の天体ショーでした。
今回の皆既日食のために専用のフィルター付きの眼鏡を事前に購入していたのですが、当日の午前中にワッツアップ(WhatsUp-日本のLINEに当たるものです)で、友人から専用のフィルター付きの眼鏡でも太陽の光線は目によくないので、長く見ないようにという注意が送られてきました。専用のフィルター付きの眼鏡には、小さな小さな文字で3分以上続けて太陽を見ないようという注意書きがしてありました。私のように老眼で目が薄くなっている者にとってはあまりにも小さい字なので、事前に読んでいなかったのですが、注意しなくちゃと改めて気づきました。良かった!
いよいよ8時28分がやって来た!
当日は最高気温が36度もありとても暑かったのですが、皆既日食が始まる午後7時半頃でもまだまだ暑くて、外に居るのが辛かったので、8時頃に着くように出かけました。
20:05p.m. お目当ての村に着き、車を駐車して車の中から太陽をフィルター付きの眼鏡で見てみると、オレンジ色の太陽がかじられているような、欠けた月のような形をした太陽が見えました。駐車する場所が無かったら困るなと思いながら行きましたが、取り越し苦労でした。村の細い道を抜けたところに開けた場所があり、山々が連なって見えるその左側にかなり低くなった太陽があり、私たちの近くのその開けた場所には、プロのカメラマンの様な男性二人と家族連れで来ているのか、それとも友人と来ているのか、少人数のグループ一組という拍子抜けするほどの極少人数の人達が、椅子を出しておしゃべりをしながら皆既日食を待っていました。

20:15p.m. 私たちも冷房の効いた車から出て、持参した椅子に座って太陽が完全に隠れるのを待つことにしました。この頃から、明らかに少しずつ空気が涼しくなってきたのを感じました。目にダメージを与えないために、フィルター付きの眼鏡を付けて5秒くらい観察したらすぐに太陽から目をそらし、眼鏡を外して周りの様子を見たりしてワクワクしながら皆既日食を待ちました。
20:20p.m. さらに空気が冷たくなり、少し暗くなってきました。この頃には随分太陽が隠れてきました。
20:25p.m. かなり周囲が暗くなってきました。予定では、私たちが居た村では20:28p.m.に太陽が完全に隠れる予定なので、もうすぐです。私の携帯電話で皆既日食の写真が撮れるかな、と試し撮りしてみましたが全くダメでした。携帯電話用のフィルターも買っていたけど全く役立たずでした。残念!!
20:28p.m. 太陽が完全に隠れ、周りもほぼ完全に暗くなりました。ただ夜の闇とは全く異なり、黒紫色というか、青灰色というか、紫がかった墨色というか、言葉では言い表すことのできない不思議な色に包まれ、と同時に、山々は暗いオレンジ色の光に包まれていました。太陽が完全にかくれると、フィルター付き眼鏡では全く見えなくなり、慌てて眼鏡を外して直接太陽を見ていました。真っ黒の完全な円の周りから光が漏れてダイヤモンドリングが現れ、とても幻想的な太陽を見ることができました。びっくりするような不思議な感覚にとらわれました。とても印象的だったのは自分を取り巻く周りの色合いと空気でした。

20:30p.m. 少しづつ光がさしてきました。私が見ていた場所の皆既日食の時間は1分半くらいだったのですが、本当に短い時間でも十分不思議な感覚を楽しむことができました。再びフィルター付き眼鏡を付けて太陽を見てみると、細い細い月の様な太陽がみえました。
20:32p.m. 再びかなり強い光が注ぎ始め、私の影もくっきりとそして長く映し出されました。いつの間にか全く聞こえなくなった鳥の声でしたが、皆既日食が終わって2~3分経つと、ヨーロッパハチクイ(abejaruco común)という鳥が鳴き始めていました。朝が来たと思ったのでしょうか?

20:45p.m. まだまだ部分日食は続いていましたが、虫が沢山出てきたので、家に帰ることにしました。太陽が完全に隠れた時には全く虫はいなかったので、いきなり現れたのでしょうか?
やっぱり体験しなきゃ!
それにしても、皆既日食の時は周囲が真っ暗になると聞いていましたが、私の今回の体験だと真っ暗ではなく、もっと複雑な色のある暗さで、この暗さは、夕暮れから夜になる時の暗さとも、夜から朝になる時の暗さとも異なる初めて目にする不思議な暗さでした。この自分を取り巻く不思議な色合い、そして、山々はこの不思議な色合いではなくオレンジ色だったこと、そして体にまとわりつく空気がいきなり変化したことが、一番印象的でした。皆既日食の時には、急に気温が下がると聞いていましたが、単に気温が下がっただけではなく、何だか空気の種類が違うような感覚でした。美しい光を放つダイヤモンドリングをこの目で見れたことも感動的でした。ただ、このひんやりとした空気が肌にまとわりつく感覚と、自分を包む不思議な暗さの色合いは、体験しなければ分からない感動だと実感しました。
また、皆既日食直後、ほんの少しのすじのような顔を出した細い細い太陽でもかなりの光があり、周りを照らしていくので、太陽が放つエネルギーの強さ、エネルギー量には改めて驚嘆しました。
部分日食もそれなりに美しく見る価値はありますが、皆既日食のような感覚や不思議な色合いを体験したり、太陽が隠れてから顔を出す瞬間に放たれるエネルギーを実感することはできないので、皆既日食体験をお薦めします。
今回スペイン北部で見ることができた皆既日食は、スペイン国内では実に114年ぶり‼というまさに一生に一度しかできない経験でした。
今回のスペインでの皆既日食を見逃がした皆さん、後悔されているかもしれませんが、実は、スペインでは3年連続の日食を楽しむことができます。1回目が今回2026年8月12日の皆既日食。2回目が来年2027年8月2日の皆既日食。そして3回目が再来年2028年1月26日の金環日食です。今年の皆既日食は主にスペイン北部で見られましたが、来年の皆既日食はスペイン南部で見ることができます。まだスペインでの皆既日食体験はできます!是非、今から来年の旅の計画にスペインでの皆既日食を見ることを加えてみませんか。きっと忘れられない感動の体験ができることでしょう。
参考資料
・スペインの新聞「EL PAIS」では、皆既日食の様々な写真、スペイン各地で皆既日食を楽しむ人たちの姿を報道しています。とても面白い写真や美しい写真もありますので、興味のある方はどうぞ。
https://elpais.com/ciencia/2026-08-12/el-eclipse-solar-de-agosto-en-espana-en-imagenes.html
・今年から3年連続で見られる皆既日食と金環日食について詳しく説明しているサイトもあります。英語版もあります。
Eclipse262728