おいでよ!スペインの素敵な村 (3)-カンタブリア州-カルモナ(Carmona)

スペイン北部 カンタブリア州内陸部にあるスペインで最も美しい村

今年の夏は例年以上に暑い毎日で、避暑を兼ねて8月末に2泊3日の小旅行に出かけました。その日カステージャ・イ・レオン州では37℃というかなり厳しい暑さでしたが、スペイン北部のカンタブリア州に入った途端一気に気温がドンドン下がっていき、車で15分も走ると17℃になり20度も差がありました。車から降りてみると、ちょっと寒いくらい!隣の州なのにこんなにも気温差があるのかと改めて驚かされました。

カンタブリア州は、州都サンタンデールをはじめ有名どころの観光地はカンタブリア海の海岸沿いに連なっています。スペイン旅行をされた方の中には、スペインを代表する建築家ガウディの「エル・カプリチョ」という建物があるコミージャス(Comillas)や海岸線から少し内陸部に入ったところにあり14世紀から18世紀の建物が残存する古く美しい街並みのサンティジャーナ・デル・マール(Santillana del Mar)を訪れたことがあるのではないでしょうか。もしかすると、サンティジャーナ・デル・マール(Santillana del Mar)の近くにあるアルタミラ洞窟まで足を延ばされたかもしれません。

今回ご紹介する村は、カンタブリア州内陸部の山地にある美しい村カルモナ(Carmona)です。1985年に歴史的・芸術的な村として指定されたカルモナは、2019年には「スペインで最も美しい村」という協会からスペインで最も美しい村の一つとしても認定されました。「日本で最も美しい村」という日本版の協会もあるのでご存知の方も多いかもしれません。ちなみに、この「スペインで最も美しい村」という協会は2011年に設立され、人口1万5000人以下(歴史地区の人口は5000人以下)であること、建築的遺産または自然遺産があることなどを条件に、村内の環境、宿泊施設、案内板に至るまで厳正に審査し、登録を認定しています。(ウィキペディアより)

半円アーチを持つ入口とバルコニー、そして切り石建築はこの山間部の村に見られる典型的な建築(写真:筆者撮影)

カルモナ(Carmona)の邸宅(Palacio)でお昼ご飯

村に入り、ぶらぶらと散歩していると、他の建物とは異なる立派な邸宅(Palacio)がありました。正面門の上部には、かなり大きな家紋が彫られています。現在ホテル兼レストランとして活躍しているディアス家、カッシオ家、カルデロン家、ミエル家の邸宅(Palacio de los Díaz de Cossio, Calderón y Mier)です。この邸宅は、1715年に建てられたマドリードのバロック(barroco madrileño)様式と地元の典型的な建築様式が融合した建物で、柱に3つの半円アーチを持つ中央部分と、それを挟む2つの高い塔で構成されています。

二つの建築様式が見事に調和され、バランスの取れた切り石建築と中央の大きな紋章が特徴(写真:筆者撮影)

特に目を引く大きな紋章はディアス家、コシオ家、カルデロン家、ミエル家の4つの家の紋章で、紋章の両脇には長槍で武装した二人の巨大な兵士の彫刻が浮き彫りにされています。

紋章の上には飾り付きの兜が(写真:筆者撮影)

丁度お昼ご飯の時間だったので、邸宅のレストランでお昼を食べることに。中に入るとレストラン部分の隣に小さな中庭がありテーブルが用意されていたので、心地よい風の吹く中庭でお食事を。ウエイターの方にお薦め料理を尋ねると、「狩猟で捕獲したこの辺りの野生鳥獣の肉を使ったジビエ料理だね!」という返事が返ってきました。味付けの方はカレーのスパイシーなもので、伝統料理というよりも地元の伝統的な素材を使って作る創作料理という感じのものでしたが、日本人の私にとっては口に合う味付けでした。

カレー味のピチョンと呼ばれる鳩の雛肉(Pichón)料理(写真:筆者撮影)

他にもカルモナ村では、コシード・モンタニェス(Cocido montañés)と呼ばれる煮込み料理や、カルモナ村から約10㎞程にあるサハ川で獲れるマスを使った料理等も有名だそうです。

村で取れた洋梨を使ったサラダ。数年前からスペインでもよく使われるようになったイタリアのブッラータチーズ入り(写真:筆者撮影)

レストランの上部分には野外テラスがあり、そこから見る自然に囲まれた風景は心癒されるものがありました。

バロック時代の家々

カルモナ村を歩いていてすぐ気付いたことは、村の家々が私が住むカステージャ・イ・レオン州の村の家々の造りとはかなり異なっていることです。

まず、結構大きな家が多く存在していてバロック時代(17世紀から18世紀)に造られたものです。特徴としては、入口は半円アーチがあり、「ソラーナ(Solana)」と呼ばれるバルコニーがあります

百聞は一見に如かず。下の写真をご覧ください。こちらはカルモナ村の典型的な家です。

入口は半円アーチがあり、「ソラーナ(Solana)」と呼ばれる左右を厚い石造りの防火壁で囲まれたバルコニーがある(写真:筆者撮影)

次に下の写真をご覧ください。こちらは、カステージャ・イ・レオン州の「カンデラリオ(Candelario)」村の典型的な家です。入口、バルコニー等かなり趣が異なっていることがお分かりになると思います。

カンデラリオ(Candelario)についてもっと知りたい方はこちらもどうぞ。

この「ソラーナ(Solana)」とは左右を厚い石造りの防火壁で囲まれたバルコニーで、カンタブリア地方特有の建築様式です。下部の壁には梁受け(はりうけ ménsulas)が突き出していてバルコニー部分を支えています。そして、「ソラーナ(Solana)」であるためには南向きに造られ、冬の日差しを存分に浴びることができるように考えられています。(一般的なスペイン語の「ソラーナ(Solana)」の意味は、「日なた、日だまり」等の意味があるからです。)

村に残存する建築物から、その村に住む人たちの生活の知恵、生活様式、生活のニーズが見えてきます。そして、村人たちの美的感覚や村に対する愛着まで訪れる人に伝わってくることはとても興味深く、歴史的・芸術的な村を訪れる醍醐味ともいえるでしょう。

カルモナ村の木工細工「アルバルカ(Albarca)」

この村の伝統的な職業として木工細工があります。特に「アルバルカ(Albarca)」という木靴を作る「アルバルケロ(Albarquero)」という職業が典型的で、現在もこの村で作られ使われています。日本の下駄とは異なりつま先が靴のように覆われていて、歯は前の方に2本、後ろの方に1本、合計3本付けられています。この木靴は、雨の多いこの地方で、湿気や水たまりから足を守るために考案されたもので、カンタブリア地方からスペイン北部のその他の地方へも伝わっていきました。木靴というと歩きにくいように感じてしまいますが、3本の歯が足を高くして歩行に敏捷性を与えるため、悪路やぬかるんだ場所だけでなく雪の中での歩行に実用的な靴だということです。

カンタブリア地方西部が原産のトゥダンカ牛(Wikipedia Public Domain)

またこの地方では、「トゥダンカ(Tudanca)」という名前のスペイン特有の牛の品種が多く生息していて、このトゥダンカ牛の畜産が盛んですが、牧人たちが牛を放牧している間に副業としてこの木靴「アルバルカ(Albarca)」を作っていたということです。

スペイン国営テレビによる木靴「アルバルカ(Albarcas)」ととそれを作る職人「アルバルケロ(Albarquero)」について紹介する動画があります。是非ご覧ください。

https://www.rtve.es/play/videos/aqui-la-tierra/albarcas-cantabras-tradicion-region/5646428/

ちょっと足を延ばして

今回は紹介しませんでしたが、カルモナ村から車で約30分位の所に「バルセナ・マヨール(Bárcena Mayor)」という村があります。この村もカルモナ村と同様に歴史的・芸術的な村として指定され、「スペインで最も美しい村」協会からもその一つとして認定されています。そして、カルモナ村と同じような建築様式の家々があり、とてもかわいい村です。カルモナ村に比べると、もっと観光地化している印象を受けましたが、カルモナ村と同様に、この地方の典型的な建築様式が見事に反映された家々を見て歩くのは楽しいものでした。

バルセナ・マヨール村(Bárcena Mayor)(写真:筆者撮影)

カルモナ村もバルセナ・マヨール村も趣がありとても絵になる美しい村です。特にカルモナ村はサハ保護区に含まれているため、恵まれた自然の飛び地に位置していて、この地域特有の森林や景観がとても豊かで、周りを自然に囲まれ、まるで自然から優しく包み込まれているかのような錯覚を覚え、心に安らぎを与えてくれる村です。機会と時間があれば是非訪れてほしいスペインの村の一つです。

カルモナ村へ向かう途中の景色。美しく調和のとれた自然とその中で営む生活の一端(写真:筆者撮影)

情報

・4つ星ホテル兼レストラン ディアス家、カッシオ家、カルデロン家、ミエル家の邸宅「Hotel Arha Carmona」のウエブサイト。

https://www.hotelarhacarmona.com/

・カルモナ村に興味のある方はこちらのウエブサイトもお薦めです。カルモナ村の地図も出ていて便利です。残念ながらスペイン語のみです。

https://www.esenciadecantabria.com/disfruta/turismo-cultural/visitas-autoguiadas/carmona

スペインでバードウォッチング!-種類別 スペインの野鳥 日本語名(カモメ科 アジサシ類)

ここでは、スペインに生息する野鳥の名前を、種類別に集めてみました。スペイン語名をクリックしてもらうと、スペイン鳥学会のホームページに飛びます。残念ながら日本語版はありませんが、英語での鳥の名前は出ています。スペインで野鳥観察されるとき、またはスペインの旅の途中で見かけた鳥のスペイン語名を知りたいときに、少しでもお役に立てれば幸いです。

 サンドウィッチアジサシ(Charrán patinegro) /(写真: アルベルト・F・メダルデ)

Charranes y pagazass = カモメ科 アジサシ類

スペイン語日本語ラテン語//常駐/偶然
Charrancito comúnコアジサシSternula albifrons
Charrán patinegroサンドイッチアジサシSterna sandvicensis常駐
Pagaza piconegraハシブトアジサシGelochelidon nilotica
Charrán comúnアジサシSterna hirundo
Charrán árticoキョクアジサシSterna paradisaea偶然
Charrán rosadoベニアジサシSterna dougallii偶然
Pagaza piquirrojaオニアジサシHydroprogne caspia偶然
Charrán realアメリカオオアジサシSterna maxima偶然
Charrán bengalíベンガルアジサシSterna bengalensis偶然
Charrán sombríoセグロアジサシOnychoprion anaethetus偶然
Charrán de ForsterメリケンアジサシSterna forsteri偶然
Fumarel comúnハシグロクロハラアジサシChlidonias niger
Fumarel cariblancoクロハラアジサシChlidonias hybrida
アジサシ(Charrán común) /(写真: アルベルト・F・メダルデ)

ロマネスクへのいざない (12)- カスティーリャ・イ・レオン州-ブルゴス県 (9)– ミニョン・デ・サンティバニェス村の聖ペドロ教会 (Iglesia de San Pedro en Miñón de Santibáñez)

16世紀に再建されたので外観はロマネスク様式のものとは異なる

ブルゴス市から約20㎞、ミニョン・デ・サンティバニェスという村に聖ペドロ教会はある。この同じブルゴス県にある1011年に設立されたベネディクト会修道院の聖サルバドール・デ・オーニャ修道院に残っている文書によると、ミニョン・デ・サンティバニェスという村の起源は11世紀まで遡る

聖ペドロ教会は、後期ロマネスク様式時代に当たる12世紀の終わりから13世紀の初めにかけて建設された。そのため、ロマネスク様式とは言え、入口の門部分がゴシック様式の影響も受けてわずかながら尖っている。そして、教会は16世紀に再建され、ロマネスク様式はこの入り口部分と教会の中にある洗礼盤のみが残っているのみである。再建された際、出入り口に厚いバットレスが建てられたため、アーキボルトを支える柱頭や入口の門の一部が切断された。もう少し、オリジナルであったロマネスク様式の入口を尊重して完全な形で保存してほしかったと惜しまれるが、今ではなすすべもない。

ミニョン・デ・サンティバニェス村の聖ペドロ教会は、1983年にはスペインの文化財に指定されている。

なんて漫画チック‼

入口の前に来て、入口に彫られているモチーフを見て「なんて漫画チックな彫り物!」というのが第一印象だった。百聞は一見に如かず、とにかく下の写真をご覧いただきたい。

ロマネスク様式の特徴の一つである半円形の入口のとっぺんが心持ち尖っているのはゴシック様式への過渡期であったため

今まで見てきたロマネスク様式の彫り物の中でも、これほど漫画チックなものは見たことはない。今回のブルゴス県のロマネスク様式の旅の中で見た彫り物の中でも異彩を放っている。一見稚拙な印象さえも与える。アーキボルトに施されている18人の姿は、日本の漫画で見たことがあるようなユーモラスで他のものとは一味違うものだ。もう少し近くから見てみよう。

日本の漫画に出てくるような彫り物でちょっと親近感を覚える (笑)

一般的にロマネスク様式の人物像は、施されている場所の空間による制限もあり、極端にバランスが取れていないものも見受けられるが、ここに彫られている楽師たちや書物を持つ人物像等はあまりにも頭でっかちで丸みを帯び漫画チックである。

一見稚拙だが一人一人存在感がありユーモラスな人たち

また、顔つきもちょっと現実離れしたまるでお化けのような顔つきだ。ちなみに、同じブルゴス県にあり同じく12世紀末に造られたアエド・デ・ブトロン村にある聖母の被昇天教会(Iglesia de La Asunción de Ahedo de Butrón)に施されている楽師たちを紹介しよう。

こちらは天使の羽、洋服の襞(ひだ)、表情など細部にわたり緻密な彫り物が施されていて石工達の高度な技術が一目でわかる

同じ時代の、同じ地方の、同じロマネスク様式のものとはかなり違っていることがお分かりになるだろう。

これが何を意味するのか。この入り口を造った石工達が意図的にこのようなユニークな彫り物を施したのか、単に石工達の技術が未熟であったためこのような稚拙ではあるが面白み溢れる独創的な作品になったのか、色んな文献を当たってみたが答えになるものは見つからなかった。ただ、この漫画チックで一度見たら忘れられない入口を造った石工達は、後世に名前を残すこともなかった名もなき、しかし当時人気のあった地元の石工達によって造られたことだけは確かなようだ。

(アエド・デ・ブトロン村の聖母の被昇天教会(Iglesia de La Asunción de Ahedo de Butrón)についてもっと知りたい方はこちらもどうぞ。)

ゾディアック-12個の神秘的なメダイヨン

もう一つ目を引くのは、入り口のアーチとして機能しているアーチボルトに施されている12個のメダイヨンだ。メダイヨンとは円形の浮彫装飾である。

1139年の第2ラテラン公会議で教会自身がモチーフを禁じることに決めた、弓を引き絞る弩(いしゆみ)の射手の姿も見える。「射手座」を表しているのか?

それらの装飾は、四足獣、爬虫類、そして人間の姿を、常に円形の枠の形に合わせて描かれており、己の四肢の先端をつかまえたり噛んだりしているもの、S字型にデザイン化しているものなどが見られる。

ミニョン・デ・サンティバニェスの聖ペドロ教会のすぐ近くにある家の教会管理人の方が、教会の簡単な説明が書かれた紙を1枚くれたが、その説明文の中には、装飾的発想に従ってこのようなモチーフを選択したのだろうとあった。

しかし他の研究者たちの意見として、天球上の12星座を示すゾディアックだろうという説もある。例えば、ライオンは「獅子座」、女性は「乙女座」、弓を引き絞る弩(いしゆみ)の射手は「射手座」を意味する。だが、その他のモチーフについては説明できないものもあるとのことだった。

実際、ロマネスク様式の教会にはゾディアックが描かれていることがある。興味深いことは、星によって影響を受けるという占星術は、キリスト教の中では軽蔑すべき異教徒たちの迷信と考えられていた。では何故、天球上の12星座を示すゾディアックを教会の入口の装飾に使ったのだろうか?これは、天球上の12星座を示すゾディアックが示すものは、農業暦のようなものを指していると考えられている。つまり、ロマネスク芸術では、神が絶対的な支配者である1年の月の時系列的なサイクルであり、「時間の支配者である神」という意味が与えられていたのだ。(「Iconografía y Simbolismo Románico 」(「ロマネスク様式 図像と象徴」筆者訳) David de la Garma Ramíez 著 出版社 Arteguias より)

円形の枠の中に合わせたデザインの模様は緻密だ

最後に

アーキボルトに施されている18人のユーモラスで独創的な姿を彫った石工と、12個のメダイヨンのデザインし彫った石工は、全く異なる別の石工達の手による作品だと思われる。何故なら双方のスタイルがあまりにも異なるものだからだ。詳しいことは分からないが、当時の教会装飾に対する考え方や同時代・同地域であっても様々なモチーフが用いられてことは興味深い。

特筆すべき点として、前述した説明書によると、埃除け用覆いの役割を果たしている入口の最後のアーキボルトは3本の細いアーチ型で、ロマネスク様式としては珍しいタイプのアーキボルトで、ブルゴス県では唯一の例だとのこと。

まるで歯のような長方形の飾りの上に3本のアーキボルトがあるが、このようなタイプのアーキボルトはブルゴス県では唯一の例

私の注意を引いた別の点は、ミニョン・デ・サンティバニェスの聖ペドロ教会の入口の柱の高さが他のものよりもかなり低いことである。私の背の高さ位だったので、160㎝程の高さだ。当時の人達にとっても、ちょっと背をかがめて教会に入らなけらばならない高さだったのではないだろうか。

18人の漫画チックな人物像にしても12個のメダイヨンに彫られているモチーフにしても謎だらけだが、何世紀にも亘りこの不思議なモチーフの門をくぐって教会に礼拝してきた村人たちの姿を想像したり、16世紀に再建した際、この入り口だけは壊さず残しておいたその当時の人達のこのモチーフに対する愛情などに想いをはせ、800年以上も昔に名も無き石工達が残した作品を歳月を超えて実際に自分の目で見れる幸運を感じた。

柱頭は劣化が激しいが、肉厚の葉や人魚が二股に分かれた尾をつかんでいる姿をかろうじて認識できる

情報

ここで紹介したミニョン・デ・サンティバニェスの聖ペドロ教会 (Iglesia de San Pedro en Miñón de Santibáñez)は、ブルゴス県のロマネスクを訪ねたルートの中の一つだ。こちらのルートを知りたい方は下のブログを参考にして頂きたい。

・スペイン語だが、教会についてだけではなく、興味深い図面なども見れる。最初に述べた、ロマネスク様式の洗礼盤の写真も掲載されている。

https://www.romanicodigital.com/sites/default/files/pdfs/files/MI%C3%91ON%20DE%20SANTIBA%C3%91EZ.pdf

トマトの時期は、「お手軽パントマト(Pan con tomate)」で朝食を!

やっと我が家の畑のトマトの収穫ピークが訪れました!今年は例年より10日ほど遅い収穫ピークです。周りの畑のトマトはもう既に8月中旬からピークを迎えていたのに、我が家のトマトはなかなか熟しませんでした。

トマトの種類によりけりなのでしょう。今年は、青トマト(Tomate azul)と呼ばれる種種類のトマトを多く植えているからでしょうか。とにかく、畑のトマトの収穫が始まると我が家では毎朝パントマトを食べます。スペインでは一般的に「パントマカ」と呼ばれているカタルーニャ地方の料理がよく知られていますが、我が家では、アンダルシア地方の料理教師である友人のレシピ、「お手軽パントマト」を食べています

カタルーニャ地方では、軽く焼いたフランスパンに半分に切ったニンニクをこすりつけ、更に半分に切ったトマトをこすりつけます。その上にエキストラ・バージンオリーブオイルをたっぷりかけ、仕上げに軽く塩を振って食べます。スペインにいらしたことがある方は、この上に生ハムがのっているものを食べたことがあるのではないでしょうか。これもなかなか美味です!

生ハムがのったカタルーニャ地方料理「パムトマカ」(写真: Wikipedia Domain)

では、我が家のアンダルシア式(というかアンダルシアの友人式)「お手軽パントマト」の作り方を紹介します。

「お手軽パントマト」(Pan con tomate)

材料:4人分

・トマト(あれば完熟)            大 1個

・エキストラ・バージンオリーブオイル      適宜

・塩                     少々                

作り方

1.軽く焼いたフランスパンに、エキストラ・バージンオリーブオイルをたっぷりかける。

2.すりおろしたトマトを上からたっぷりのせる。

3.最後に軽く塩を振って出来上がり。

これぞ我が家のパントマト!(笑)

エキストラ・バージンオイルは、できればあまり癖のないアルベキーナ (Arbequina) のエキストラ・バージンオリーブオイルをお薦めします。アルベキーナというオリーブの実から搾られたオイルは、辛みや苦味がなく、後味に甘みを残すような味です。これだと、トマトの酸味をほんのりと和らげ、トマト本来の味を引き立てれくれます。

アルベキーナ (Arbequina) というオリーブの実から搾られたエキストラ・バージンオリーブオイルをたっぷりつけて!

日本ではピンク系のトマトが主流ですが、スペインでは赤系のトマトが断然人気があります。畑作りをしていると、畑のご近所さんから「このトマトは美味しかったから一度食べてみて!気に入ったら種を取って来年植えるといいよー!」とトマトを頂くことも多々あります。先日、バレンシア地方のトマトを頂きましたが、とっても美味しくて、早速来年用に種を取り、乾燥させています。来年が楽しみです!

左からジグザクに、青トマト、かなり大きいピンクトマト、黒トマト、先がちょっととんがったバレンシアトマト、小粒なガリシアトマト、トマトソースに使う洋ナシ形トマト

素朴な味!スペインの豚リブとジャガイモの煮込み(Costillas con patatas )

この料理は、仲良しのスペイン人男性から教えて頂いたスペイン料理です。レシピはマドリードのレストランのコックさんだったお父様直伝のもので、我が家でも子供たちに人気のあるレシピの一つです。

日本でも手軽に手に入れることができる材料で作ることができ、素朴な味です。是非お試しください。

豚リブとジャガイモの煮込み(Costillas con patatas )

材料:4人分

・豚リブ          800g

・玉葱           1/2個

・ジャガイモ       3~4個

・ピーマン        1個

・トマト         2個

・ニンニク         一片    

・月桂樹の葉 (ローレル)  1枚

・塩            適宜

・パプリカ         大さじ 1杯

・オリーブ油        大さじ 4杯

作り方

1.ニンニクはみじん切りにする。玉葱とピーマンもみじん切りにする。トマトはすりおろしておく。ジャガイモは、一口大の大きさに切る。その際、小さい包丁又はナイフでジャガイモに切り口を入れ、そのまま割るように切る。こうすることにより、断面がデコボコになり、包丁で切るより表面積が広くなり、火の通りや味の含みが良くなる。

切り口がデコボコのジャガイモ。スペインの人達はみんな小さな包丁を使って、ほとんどまな板も使わず料理をしています

2.鍋にオリーブオイルを多めに敷き、オイルが熱くなったら1のみじん切りした野菜-玉葱・ピーマン・ニンニク-を入れ、弱火にして気長に炒める。

気長に炒めていると、野菜がたっぷりオリーブオイルを含み、しんなりとしてきました

3.2の野菜の色が変わり、しんなりしてきたら、豚リブを入れてよく混ぜ合わせる。更に、すりおろしたトマトも入れてしばらく混ぜ合わせながら、豚リブの色が変わるまで炒める。

完熟トマトを使うとより味が濃厚に!我が家では今が収穫時の畑のトマトを使っています

4.豚リブの色が変わったらジャガイモを入れ、よく混ぜ合わせる。

ジャガイモの大きさはなるべく同じ大きさで

5.その後、塩、パプリカ、月桂樹の葉を入れて再び混ぜ合わせ、蓋をして中火弱の火で煮込んでいく。時々、混ぜ合わせながら、水分がなくなりそうになった時は水を足し、ジャガイモが柔らかくなるまで煮込む。最後に塩加減を調整し、出来上がり!

トマト汁も煮詰まってトロリとしたソースになっています

ジャガイモをフォークの背で潰し、煮汁と絡ませながらお肉と一緒に食べるのがスペイン風の食べ方です。それに、パンと一緒に食べます。ソースが残ったら、しっかりパンでソースをつけながら食べるスペイン人達のお皿は、まるでお皿に料理をつぐ前のようにきれいです。(笑)

ちょっとスペイン語 -24-  (Trueque) 物々交換

ここでは、ちょっとしたスペイン語の言い回しや、ことわざ、話し言葉など、辞書には載っていない単語も含めて紹介していきます。スペイン語を勉強している方には言葉の幅が広がるお手伝いができればいいなと、スペイン語には興味ないという方には雑学として楽しんでいただければいいなと思っています。

Trueque(トゥルエケ)というスペイン語を知っていますか?

スペイン語王立アカデミー編纂の西西辞典(Real Academia Española)によると、「金銭を介さない産物やサービスの直接交換」と意味が出ています。いわゆる「物々交換」ですね。

先日私の畑で、畑のお隣さんとこんな会話をしました。

¿Qué es eso?

それは何?

Es una calabaza japonesa.

日本のカボチャだよ。

Pues, es la primera vez que he visto una calabaza japonesa. ¿Está rica?

へー、日本のカボチャって初めて見た。美味しいの?

Está muy rica. Es distinto a la de la española, se come con piel. Te doy una y ¡pruébala!

とっても美味しいよ。スペインのカボチャと違って、皮も食べるんだよ。1個あげるから、食べてみて!

¿De verdad? Pues, gracias. Entonces, te doy la española. Es un trueque.

えっ、いいの?ありがとう。じゃ、スペインのカボチャあげる。物々交換だね。

Vale, gracias. Luego, te mandaré una receta de la calabaza japonesa.

ありがとう。後で日本のカボチャレシピを送ってあげるね。

Sí, por favor.

うん、お願い。

ちなみに動詞は、Trocar (トロカール)です。前置詞「por」と一緒に使い、「~と物々交換する、取り換える」という意味になります。

¿Vamos a trocar mi chaqueta por tu bolso?

私のジャケットとあなたのバッグを取り換えない

今回は、ちょっと珍しい単語Trueque(トゥルエケ)について紹介しました。機会があれば使ってみてくださいね!

スペインでバードウォッチング!-種類別 スペインの野鳥 日本語名(カモメ科 カモメ類)

ここでは、スペインに生息する野鳥の名前を、種類別に集めてみました。スペイン語名をクリックしてもらうと、スペイン鳥学会のホームページに飛びます。残念ながら日本語版はありませんが、英語での鳥の名前は出ています。スペインで野鳥観察されるとき、またはスペインの旅の途中で見かけた鳥のスペイン語名を知りたいときに、少しでもお役に立てれば幸いです。

キアシセグロカモメ(Gaviota patiamarilla)  /(写真: アルベルト・F・メダルデ)

Gaviotas = カモメ科 カモメ類

スペイン語日本語ラテン語//常駐/偶然
Gaviota reidoraユリカモメChroicocephalus ridibundus常駐
Gaviota picofinaハシボノカモメChroicocephalus genei
Gaviota de BonaparteボナパルトカモメChroicocephalus philadelphia偶然
Gaviota canaカモメLarus canus
Gaviota de DelawareクロワカモメLarus delawarensis
Gaviota cabecinegraニシズグロカモメLarus melanocephalus常駐
Gaviota argénteaセグロカモメLarus argentatus
Gaviota patiamarillaキアシセグロカモメLarus michahellis常駐
Gaviota de AudouinアカハシカモメLarus audouinii常駐
Gavión altánticoオオカモメLarus marinus
Gaviota sombríaニシセグロカモメLarus fuscus常駐
Gaviota rosadaヒメクビワカモメRhodostethia rosea偶然
Gaviota enanaヒメカモメHydrocoloeus minutus
Gaviota tridáctilaミツユビカモメRissa tridactyla
Gaviota de SabineクビワカモメXema sabini偶然
Gavión hiperbóreoシロカモメLarus hyperboreus偶然
Gaviota groenlandesaアイスランドカモメLarus glaucoides偶然
Gaviota guanaguanareワライカモメLarus atricilla偶然
Gaviota pipizcanアメリカズグロカモメLarus pipixcan偶然
ユリカモメ(Gaviota reidora)  /(写真: アルベルト・F・メダルデ)

ズッキーニってどうやって食べるの?ズッキーニの詰め物(Calabacín relleno)

日本の野菜コーナーでもすっかりお馴染みになったズッキーニ。でも、どうやって食べようか?って悩まれている方も多いと思います。今回は、詰め物のレシピを紹介します。

ズッキーニの詰め物(Calabacín relleno)

材料:4人分

・ズッキーニ         大2本

・玉葱            中1個

・パプリカまたはピーマン   大1個 

・トマト           大1個

・マッシュルーム(好みで)  6~8個

・バージンオリーブオイル   適量

・塩             適宜

・黒胡椒           適宜

・とろけるチーズ       200g

作り方

1.ズッキーニを縦に半分に切って、中身をスプーンですくい取る。

皮を破らないように気を付けながら、中身をくりぬいていく

2.中身をくりぬいたズッキーニは、オーブン用のトレイにオーブン・ペーパーを敷いた上にのせる。

中身をくりぬき皮の入れ物状態にする

3. 全ての野菜を細かく切っておく。フライパンにバージンオリーブオイルを入れ、熱したら2の切った野菜の玉ねぎ、パプリカ、ズッキーニを熱する。

バージンオリーブオイルは、少し多めに入れた方が美味しくできる

4. 3の野菜がしんなりしてきたら、マッシュルーム、トマトも入れてさらに炒める。

蓋をして時々炒める。野菜をくたくたになるまで炒めるのがスペイン風

5. 野菜がくたくたになったら、塩胡椒で味を調える。出来上がったら火を止めて、2のズッキーニに詰めていく。

均等になるように中身を詰める

6. 詰め終わったら、上にとろけるチーズをかける。予め180℃に温めておいたオーブンの中段に入れ、約20~30分ほど焼く。

上からお好みのとろけるチーズをかける

180℃で焼くので、中身を入れた生のズッキーニもしっかり柔らかく焼き上がり、野菜の優しい味を楽しめますよ。

チーズはちょっとパリッとして中身はジュワッと野菜の旨味を引き立てる

どうぞ召し上がれ! ¡Qué aproveche!

番外編 バードウォッチング!-「羊と鳥の楽園シェットランド諸島」-3-(スコットランド/シェットランド諸島/メインランド島)

観察日: 2023年6月11日

スペインではないのですが、番外編として3回シリーズで、英国最北端に位置するシェットランド諸島でのバードウォッチングについて紹介しています。

シェットランド諸島バードウォッチングの旅、最終回はシェットランド諸島のメインランド島(Mainland island)とマウサ島(Mousa island) です。

サンバラ岬からの風景。こちらも木が全くない所です/ 写真: 筆者撮影

スピギー湖 (Loch of Spiggie) & スピギー海岸 (Spiggie Beach)

スピギー湖 (Loch of Spiggie)は、野生生物保護の目的で特別保護地区および特別科学関心地区に指定されています。英国王立鳥類保護協会 (RSPB) のウエブサイトとによると、秋から冬にかけてはオオハクチョウ (Cisne cantor)、コガモ (Cerceta común)、ヒドリガモ (Silbón europeo) が、春から夏にかけてはキョクアジサシ (Charrán ártico)、キタオオトウゾクカモメ (Págalo grande)、キンクロハジロ(Porrón moñudo)、マガモ (Ánade azulón) が湖で見られ、沼地では様々な渉禽類が見られると紹介されています。

スピギー湖 (Loch of Spiggie) 沿いにある野鳥観察舎(ハイド)/ 写真: 筆者撮影

ハイドに入ってスピギー湖を眺めるとすぐにコブハクチョウ(Cisne vulgar)が見えました。

コブハクチョウ(学名:Cygnus olor / 西:Cisne vulgar)/(写真: アルベルト・フェルナンデス・メダルデ)

英国王立鳥類保護協会 (RSPB) のウエブサイトに紹介されていたキョクアジサシ(Charrán ártico)もいました。

キョクアジサシ(学名:Sterna paradisaea / 西:Charrán ártico)/(写真: アルベルト・フェルナンデス・メダルデ)

ハイドの横にあった草むらでは、マキバタヒバリ(Bisbita pratense)が上手に虫を捕っている姿を観察できました。

マキバタヒバリ(学名:Anthus pratensis / 西:Bisbita pratense)/(写真: アルベルト・フェルナンデス・メダルデ)

残念ながらキタオオトウゾクカモメ (Págalo grande)、キンクロハジロ (Porrón moñudo)はいませんでした。

その後、スピギー湖と反対側に歩いていきスピギー・ビーチに着きました。とても清澄な海が広がっていて、私がこれまで見てきた海岸の中でもかなり気に入ったものの一つとなりました。海の色が薄く、透明感が強く、清涼な空気も手伝い、日本の海ともスペインの海とも印象が異なっていました。双眼鏡をのぞいてみると、向こう岸に20頭ほどのアザラシが浜辺で日向ぼっこしている姿が見えましたよ。

人っ子一人いない浜辺は、波の音と鳥の声のみの心地よい世界。/(写真: 筆者撮影)

全く人けのない海辺で、キタオオトウゾクカモメ (Págalo grande) が水浴びをしていました。離れた場所から双眼鏡を通して観察していると、かなり長い時間をかけて水浴びをしていました。

水浴びするキタオオトウゾクカモ(学名:Stercorarius skua / 西:Págalo grande)/(写真: アルベルト・フェルナンデス・メダルデ)

時々、アジサシ(Charrán común)が海の上を飛んできては魚を捕まえようとしていました。

アジサシ(学名:Sterna hirundo / 西:Charrán común)/(写真: アルベルト・フェルナンデス・メダルデ)

浜辺の岩肌には、フルマカモメ(Fulmar)たちの巣も沢山ありました。

フルマカモメ(学名:Fulmarus glacialis / 西:Fulmar) /(写真: アルベルト・フェルナンデス・メダルデ)

海の水に手を入れてみて驚いたのは、思ったより海の水が冷たくないということ。スペイン北部の大西洋側の海の水の方がずっと冷たいなと思いました。海辺の岩に座り、飽きもせずいつまでも海を見ていて、この浜辺から離れがたい思いでした。

穴場的なスポット、スピギー海岸 (Spiggie Beach) / 写真: 筆者撮影

サンバラ岬(Sumburgh head)

前回もサンバラ岬(Sumburgh head)には行き、沢山のフルマカモメ(Fulmar)が目の前で、私の目線と同じ高さで飛んでいたのがとても印象的でした。今回も彼らは飛んでいましたが、数的にはかなり少なかったようです。やはり去年の鳥インフルエンザの災難がフルマカモメたちにも降りかかってきたのでしょうか。はっきりとしたことは分かりませんでした。

フルマカモメ(学名:Fulmarus glacialis / 西:Fulmar) /(写真: アルベルト・フェルナンデス・メダルデ)

サンバラ岬(Sumburgh head)の駐車場で車をとめ、灯台まで歩いていく途中、海を見下ろしてみてびっくり!大きな岩の上にウミガラス(Arao común)のコロニーが!所狭しと無数のウミガラスたちがひしめき合っています。前回来たときは8月下旬ということもあり、殆ど姿を見ることができなかったウミガラスでしたが、今回は卵を孵化させているようです。面白いことに、ウミガラスはフルマカモメやパフィンのように巣作りはせず、岩の割れ目など卵が海に落ちていかない場所に卵を産み落としていました。

柔らかい草などで卵を保護することもなく、岩の上にそのまま卵が産み落としてあります / 写真: アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

ウィキペディアによると、このウミガラスの卵は、他の鳥の卵に比べ一端が尖っている「セイヨウナシ型」と呼ばれている形状のもので、この形状だと転がってもその場で円を描くようにしか転がらないため、断崖から落ちにくいものだそうです。なるほど!と感心すると同時に安堵しました。

右上のウミガラスに注目!ウミガラス(学名:Uria aalge / 西:Arao común) /(写真: アルベルト・フェルナンデス・メダルデ)

上の写真を見ていただくとお気づきになると思いますが、まるで白いサングラスをかけているようなウミガラスがいます。これは、大西洋などに分布する目の後ろ側に白い線の入ったウミガラスです。

サンバラ岬(Sumburgh head)は、パフィンのコロニーが見れる所でもあります。ただ、このブログの番外編の第1回で紹介したアンスト島(Unst island)にあるハーマネス国立自然保護区(Hermaness Natural Reserve)で見たようなパフィンのコロニーを見ることはできませんでした。そしてハーマネス国立自然保護区ほど近くでパフィンを見ることはできませんが、かなり近い距離で岩肌に居るパフィン達の姿を見ることができました。

パフィンまたはニシツノメドリ(学名:Fratercula arctica / 西:Frailecillo atlántico) / (写真: アルベルト・フェルナンデス・メダルデ)

その他、サンバラ岬で見れた鳥たちは次の通りです。

-ヨーロッパタヒバリ(学名:Anthus petrosus / 西:Bisbita costero)

岬中に小さな花が咲いていて、遅い春の真っ盛りという感じでした / 写真: アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

-マキバタヒバリ(学名:Anthus pratensis / 西:Bisbita pratense)

虫を捕まえて雛へ持っていくのかもしれません / 写真: アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

-ヨーロッパヒメウ(学名:Gulosus aristotelis / 西:Cormorán moñudo)

巣作りに精を出すヨーロッパヒメウ(学名:Gulosus aristotelis / 西:Cormorán moñudo) / 写真: アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

-オオカモメ(学名:Larus marinus / 西:Gavión atlántico)

オオカモメ(学名:Larus marinus / 西:Gavión atlántico) / 写真: アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

-ミツユビカモメ(学名:Rissa tridactyla / 西:Gaviota tridáctila)

こちらにはミツユビカモメの巣があるようです。ミツユビカモメ(学名:Rissa tridactyla / 西:Gaviota tridáctila) / 写真: アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

-キバシヒワ(学名:Linaria flavirostris / 西:Pardillo piquigualdo)

キバシヒワ(学名:Linaria flavirostris / 西:Pardillo piquigualdo) / 写真: アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

プール・オブ・バーキー(Pool of Virkie)

サンバラ岬(Sumburgh head)のすぐ近くにプール・オブ・バーキー(Pool of Virkie)があります。サンバラには空港がありますが、滑走路を横切って!! プール・オブ・バーキーまで行きました。

滑走路を車で横切るなんて体験はなかなかできるものではありません(笑) / 写真: 筆者撮影

ここは入江になっていて、サンバラ空港の滑走路の横に位置します。海辺の横には少し背の高い草地があり、鳥たちが巣を作るには格好の場所です。私たちが観察している間に、ダイシャクシギ(Zarapito real)が草むらから飛び立ち入江に降りてきました。

入江に降りてきたダイシャクシギ(学名:Numenius arquata / 西:Zarapito real) / 写真: アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

その他、プール・オブ・バーキーで見れた鳥たちは次の通りです。

-ハジロコチドリ(学名:Charadrius hiaticula / 西:Chorlitejo grande)

ハジロコチドリ(学名:Charadrius hiaticula / 西:Chorlitejo grande) / 写真: アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

-アビ(学名:Gavia stellata / 西:Colimbo chico)

アビ(学名:Gavia stellata / 西:Colimbo chico) / 写真: アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

-ヨーロッパヒメウ(学名:Gulosus aristotelis / 西:Cormorán moñudo)

サンバラ岬で巣作りしていたヨーロッパヒメウ(学名:Gulosus aristotelis / 西:Cormorán moñudo)/ 写真: アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

-ミユビシギ(学名:Calidris alba / 西:Correlimos tridáctilo)

忙しそうに食べ物を探して食べるミユビシギ(学名:Calidris alba / 西:Correlimos tridáctilo) / 写真: アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

-セグロカモメ(学名:Larus argentatus / 西:Gaviota argéntea europea)

セグロカモメ(学名:Larus argentatus / 西:Gaviota argéntea europea) / 写真: アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

マウサ島(Mausa island)

今回、夜にマウサ島(Mausa island)へ行き、ヒメウミツバメ (Paíño europeo) を見に行きました。

この島には、「モウサ島のブロッホ(Broch of Mousa)」と呼ばれる石組みの円形城塞形の塔があることでも有名です。ブロッホ(Broch)は、鉄器時代(紀元前700年~紀元200年)にスコットランド北部と西部に数多く作られていたものですが、「モウサ島のブロッホ(Broch of Mousa)」は、その中でも最も保存状態が良く最も大きいもので、高さ13メートルにも及びます。

ブロッホ(Broch)が何に使用されていたのかは未だに謎に包まれていて、研究者たちが様々な使用目的を指摘しています。捕虜たちの収容場所、島の有力者たちの富や権力を敵に見せ示すための建物、食料や薬の保存庫、共同の台所、また比較的最近の時代には密輸業者の秘密の貯蔵庫等々、様々な用途が想像されていますが、ハッキリとしたことは分かっていません。

船から降りてモウサ島に着き、案内人の説明を聞きながら「モウサ島のブロッホ(Broch of Mousa)」へ向かいました / 写真: 筆者撮影

夜10時半にメインランドを出発しましたが、こちらはまだ明るく島へ上陸した後もしばらくは光がありましたが、「モウサ島のブロッホ(Broch of Mousa)」に着くころにはもうかなり暗くなっていました。案内人は、所々で止まって島の歴史などの紹介をしてくれましたが、スコットランド訛りが強く理解するのに苦労しました。(笑)

彼が話してくれたモウサ島の面白い話の一つに次のような話がありました。18世紀のシェットランド、ある夫婦が暮らしていましたが、妻の方がアルコール依存症となり、夫はアルコールが簡単には手に入らないモウサ島へしばらく住むことで妻のアルコール依存症を治癒しようと考えました。ところが、モウサ島へやってきても妻の依存症はなかなかよくなりません。どうしたことかと不思議に思っていると、実はこの島にはアルコール密輸商人たちが沢山いたので、妻は彼らからアルコールを簡単に手に入れていたのです。ちなみに、19世紀からこの島には人は誰も住んでいません。

ヒメウミツバメ (Paíño europeo) は、この「モウサ島のブロッホ(Broch of Mousa)」の住人ならぬ住鳥のようです。円形の石組みの窪みや穴を利用して巣を作っていした。数多くのヒメウミツバメ (Paíño europeo) がブロッホ(Broch)の周りを飛び回っていましたが、私の顔をかすめていくヒメウミツバメ もいました。暗闇の中、いきなりすぐ近くを飛び回っているヒメウミツバメには驚かされました。

ブロッホ(Broch)の中にも入り、狭くて急な階段を上っていくと一番上に着きます。人がやっとすれ違うことができるくらいの円形状に沿ったスペースがあり、真ん中は下まで筒抜けです。ここでもヒメウミツバメたちがせわしく飛び回っていました。

ヒメウミツバメ (Paíño europeo) を実際にゆっくり観察することはかなり難しいものでした。というのも、日中は海に居てモウサ島には暗くなってから巣に戻ってきます。ただ、とにかくジッとしていない鳥たちで常に飛び回っているという感じです。巣の中に止まることは勿論ありますが、暗くなっているのでハッキリと見ることはできませんでした。残念ながら、写真は1枚も撮れませんでした。

これは wikipedia domain の写真です。こんな鳥だったんですね!(笑)

「eBird」というサイトでは、ヒメウミツバメ (Paíño europeo) 写真やモウサ島で撮影した動画も投稿されていますので、ご覧ください。

https://ebird.org/species/eurstp1?siteLanguage=ja 

ラーウィック (Lerwick)

シェットランド諸島の州都で港町です。17世紀にニシン漁のために建設され、現在も漁港として栄えています。有名な行事として、1月の最終火曜日に毎年開催されているバイキングの伝統を祝う火祭り「ウップヘリ―アー(Up-Helly-Aa)」があります。15世紀までシェットランド諸島はバイキングの子孫の島としてノルウェー領だった歴史があり、実際、ノルウェーの港町ベルゲンからは370㎞の距離しかありません。ノルウェーからシェットランド諸島に個人所有の船で訪れる人も多いようです。

ラーウィック港に停泊していたノルウェーの旗を掲げた船 / 写真: 筆者撮影

ラーウィック(Lerwick)の港は絶好のバードウォッチング・スポットです。すぐ近くで水鳥たちを見ることができます。ウミガラス(Arao común)やハジロウミバト(Arao aliblanco) の姿をよーく観察することができました。

港でのんびり泳いでいたウミガラス(学名:Uria aalge / 西:Arao común) / 写真: アルベルト・フェルナンデス・メダルデ
魚を捕まえたハジロウミバト(学名:Cepphus grylle / 西:Arao aliblanco) / 写真: アルベルト・フェルナンデス・メダルデ

最後に

ラーウィックの街は、小さいながらもなかなか趣のある街です。

ラーウィックの街のメインストリート。お店やレストラン等々 / 写真: 筆者撮影

6月7月は観光にも適し、バードウォッチングも一年の中で一番良い時期ということもあり、今回はシェットランド諸島での宿泊施設を探すのにかなり苦労しました。アドバイスとして、旅程が決まったらなるべく早めに宿泊施設を予約された方が良いでしょう。

前回はラーウィックではB&Bに泊まったのですが、今回はメインストリートにある由緒ある「グランド・ホテル(The Grand Hotel Lerwick)」に泊り、時代を感じさせる建物の中を見ることができました。口コミではあまり高い評価をされていなかったのですが、スタッフ皆とても温かく迎えてくれ、居心地の良いホテルでした。ただ、古い建物の改装などがなかなか行き届いていないようで、エレベーターやエスカレーターはなく階段のみなので大きな荷物を持っている人にとってはちょっと大変かもしれません。朝食は希望を尋ねられ、英国特有の朝食がでてきました。ビーンズやブラックプディングもおいしくて大満足!

ベーコン・目玉焼き・焼きトマト・ソーセージ・ビーンズ・2種類のブラックプディング。その他、トーストなども出てきました / 写真: 筆者撮影

ただ、前回泊まったB&Bではキッパー(Kippers)が出てきてとても美味しかったのですが、今回のシェットランド旅行では1度もキッパー(Kippers)が出てこなかったのがとっても残念でした。キッパー(Kippers)はニシンの燻製で、日本の干し魚を思い出させます。ラーウィックはもともとニシン漁港として発達したので、当然キッパー(Kippers)が朝食に出てくると思い込んでいたので落胆度も大きかったです。(苦笑)

グランド・ホテルの食堂。歴史を感じさせる内装です / 写真: 筆者撮影

4泊5日のシェットランド諸島バードウォッチングの旅は、お天気にも恵まれ、沢山の珍しい鳥たちにも出会えて、とても充実した毎日でした。そして、島々で出会った人たちの温かさに心も満たされた旅となりました。バードウォッチングが目的の人達にも、単に自然に身を任せてのんびり過ごしたいという人達にも大いに推薦したい場所です。英国へ行かれる方は、思い切ってシェットランド諸島まで足を伸ばしてみてください!

参考

・英国王立鳥類保護協会 (RSPB) のウエブサイトはこちらです。

https://www.rspb.org.uk/reserves-and-events/reserves-a-z/loch-of-spiggie/

・今回訪れたルートは次の通りです。

・モウサ島(Mousa island)の場所はここです。

・モウサ島(Mousa island)までのツアーはこちらから予約しました。

https://www.mousa.co.uk/storm-petrel-trip

第1回で紹介したアンスト島(Unst island)について興味のある方は、こちらからどうぞ。

第2回で紹介したフェトラー島(Fetlar island)について興味のある方は、こちらからどうぞ。

番外編 バードウォッチング!-「羊と鳥の楽園シェットランド諸島」-2-(スコットランド/シェットランド諸島/フェトラー島)

観察日:2023年6月10日

スペインではないのですが、番外編として今回から3回シリーズで、英国最北端に位置するシェットランド諸島でのバードウォッチングについて紹介します。

第2回は、第1回に紹介したアンスト島(Unst island)から近いフェトラー島(Fetlar island)です。

フェトラー島にある教会と教会墓地。(写真: 筆者撮影)

シェットランドの庭 (The Garden of Shetland)

アンスト島(Unst island)からフェリーに乗ってフェトラー島(Feltar island)に渡りました。

この島には、多様な動植物や野生生物が生息していて、島の3分の2は特別科学保護区(SSSI)、自然保護特別地域(SAC)、英国王立鳥類保護協会(RSPB)の保護区など、何らかの形で保護区や特別地域として指定されています。(フェルター島公式サイトより)また、土壌肥沃度が高く、200種以上の野花が確認されていて、「シェットランドの庭 (The Garden of Shetland)」と呼ばれています

「シェットランドの庭 (The Garden of Shetland)」と呼ばれるフェトラー島には、可憐な花が沢山咲いていました。(写真: 筆者撮影)

フェルター島公式サイトによると、現在、この島には69人が住んでいます。たった69人!とびっくりしましたが、2009年初頭の人口48人に比べると少しですが増えているようです。

島にあったコーヒーショップ兼雑貨屋さんの前に居た立派なニワトリたち。(写真: 筆者撮影)

アカエリヒレアシシギ(Falaropo picofino)に会いに行く!

今回この島へ足を延ばした目的は、アカエリヒレアシシギ(Falaropo picofino)に会うためです。島の東にあるファンジー湖(Loch of Funzie)は、アカエリヒレアシシギの繁殖地があります。他にも、チョウシャクシギ(Zarapito Trinador)やクロトウゾクカモメ(Págalo parásito)の繁殖地があるとのことですが、残念ながら、チョウシャクシギとクロトウゾクカモメを見ることはできませんでした。

アカエリヒレアシシギ(Falaropo picofino)は、ファンジー湖(Loch of Funzie)へ行く途中の道の右側の海辺で見ることができました。丁度、別のバードウオッチャーが車を止めて、海辺で大きなカメラを据えて写真を撮っている姿が見えたので、私たちも車を止めて海辺へ降りていくと、数羽のアカエリヒレアシシギ(Falaropo picofino)の姿が見えました。かなり近い場所で見ることができ、大満足でした!もっと大きな鳥かと想像していたら、とても小さく20cmにも満たない大きさです。

車を止めて海岸へ降りていく途中に、ここがアカエリヒレアシシギ(Falaropo picofino)を見れるビューポイントだという掲示板がありました。(写真: 筆者撮影)

この浜辺に着いたのが午前11時過ぎ頃。5~6羽のアカエリヒレアシシギがしきりと水の中に嘴を突っ込んで食事中でした。上の写真の掲示板に注意書きがあるように、草べりから観察するようにとありますが、十分に近い距離だったので問題なくゆっくり観察することができました。

つがいのアカエリヒレアシシギ。鳥の中では珍しく、首が赤く美しい方がメス。アカエリヒレアシシギ(学名:Phalaropus lobatus / 西:Falaropo picofino)/(写真: アルベルト・フェルナンデス・メダルデ)

この海辺では、アカエリヒレアシシギの近くにホンケワタガモ(Éider común)の親子が気持ちよさそうに泳いでいました。4羽の雛たちはお母さんガモから少し離れると、お母さんガモから呼び戻されているようでした。ここではお父さんガモの姿は見れませんでした。

お母さんガモと一緒に泳ぎ回る4羽の雛たち。ホンケワタガモ(学名:Somateria mollissima / 西:Éider común)/(写真: アルベルト・フェルナンデス・メダルデ)

他にも、これまたすぐ近くにミヤコドリ(Osterero)がいました。人間自体が極端に少ないせいか、野生の鳥でありながら殆ど私たちに対して警戒心を示すこともなく、お陰で私は草べりの岩に座り込んでゆっくり観察することができました。

オレンジ色の嘴、足、目の周りが印象的なミヤコドリ(学名:Haematopus ostralegus / 西:Ostrero euroasiático)/(写真: アルベルト・フェルナンデス・メダルデ)

道の右側は海岸沿いでしたが、左側は草原が広がりシェットランド・ポニーたちがのんびり草を食んでお食事中でした。シェットランド・ポニーは、シェトランド諸島が原産の小型のウマです。以前、北海道で見た日本の「どさんこ」を彷彿とさせます。どちらも小型の割にはがっちりとした体形です。

フェトラー島もアンスト島と同じく、全く自生の木がない島です。シェットランド・ポニーが草を食んていました。(写真: 筆者撮影)

ファンジー湖(Loch of Funzie)とその周辺

お目当てのアカエリヒレアシシギ(Falaropo picofino)をじっくり観察でき、大満足で最初の目的地だったアカエリヒレアシシギの繁殖地ファンジー湖(Loch of Funzie)に向かいました。

広い湖には鳥たちの姿はなく、期待していたアカエリヒレアシシギ(Falaropo picofino)を見ることはできませんでした。ここに着く前に十分見れたので良かったけれど、もしそのまままっすくここに来ていたらアカエリヒレアシシギに会えず、残念至極だったと思います。湖の先の方に野鳥観察舎(ハイド)があったので、そこから野鳥観察することにしました。

フェトラー島の野鳥観察舎(ハイド)に入る道は、鳥がいる水辺側に低木が植えてあり、ハイドに出入りする人間の姿が鳥たちから見えないように工夫されています。(写真: 筆者撮影)

ハイドに入ると、すぐ手前の水辺にタジキ(Agachadiza común)が居るのを発見しました。じっと観察していると、羽の身繕いの最中のようです。念入りに羽の身繕いをする姿は、まるで若い女性が念入りに化粧をしている様子と似ています。こんな鳥の様子に出会うと、鳥の観察って面白いなとつくづく思いますね。

入念に羽の身繕いをするタジキ(学名:Gallinago gallinago / 西:Agachadiza común)/(写真: アルベルト・フェルナンデス・メダルデ)

ファンジー湖(Loch of Funzie)の周辺にある別の小さな湖の岸辺には、アビ(Colimbo chico)が居ました。卵を温めているのでしょうか、じっと動かずにちょっとぐったりしている様子でした。

アビ(学名:Gavia stellata / 西:Colimbo chico) / (写真: アルベルト・フェルナンデス・メダルデ)

その他の鳥たち

ファンジー湖(Loch of Funzie)を後にして、多分この島にある唯一のコーヒーショップに立ち寄って手作りのケーキとビスケットをお茶と一緒に頂きました。素朴な味で何だか気持ちがほっこりしました。その後、フェリーの時刻までかなりの時間があったので、海辺に降りていき散歩することにしました。

ここでも別の種類の鳥たちに出会うことができたので、紹介します。

-アジサシ(学名:Sterna hirundo / 西:Charrán común)

かなり足が短くて、飛んでいる姿の方が美しいですね。アジサシ(学名:Sterna hirundo / 西:Charrán común)

-ハジロコチドリ(学名:Charadrius hiaticula / 西:Chorlitejo grande)

あっちへ行ったりこっちへ来たり、じっとしていない鳥ハジロコチドリ(学名:Charadrius hiaticula / 西:Chorlitejo grande)

-ユリカモメ(学名:Chroicocephalus ridibundus / 西:Gaviota reidora)

ユリカモメ(学名:Chroicocephalus ridibundus / 西:Gaviota reidora)

-ニシセグロカモメ(学名:Larus fuscus / 西:Gaviota sombría)

ニシセグロカモメ(学名:Larus fuscus / 西:Gaviota sombría)

クロトウゾクカモメ(Págalo parásit)には会えませんでしたが、同じトウゾクカモメの仲間キタオオトウゾクカモメ(Págalo grande)には会えました。

-キタオオトウゾクカモメ(学名:Stercorarius skua / 西:Págalo grande)

キタオオトウゾクカモメ(学名:Stercorarius skua / 西:Págalo grande)

車をのんびり走らせていると、道路沿いの家から人が出てきました。私たちの方を見ると手を挙げて挨拶しニッコリ笑顔をこちらに向けていました。この島に住む人たちは、島の訪問者たちにも温かい気持ちで接してくれます。居心地の良い所、そんなフェトラー島でした

参考

旅のアドバイスとして、ちょっと一言。

フェトラー島往復のフェリーは、事前に予約していかれることを強くお薦めします。私たちは、フェリーの事前予約ができることに気が付かず、予約していませんでした。時間に余裕をもってフェリー乗り場まで行って待っていましたが、フェリー待機場所には予約済の車専用レーンと予約していない車専用レーンの二つがあり、予約していない車は私たちだけでした。幸運なことに、最後の1台分の場所に滑り込むことができ、無事にフェトラー島からイェル島(Yell island)のガッチャー(Gucher)フェリー港ま行くことができ、ほっと胸をなでおろしました。

下のウエブサイトからフェリーの予約ができますので、参考にしてください。

・フェリー時刻表・予約のウエブサイト

https://ferry.shetland.gov.uk/booking/web100.asp

・フェルター島についての公式サイト

https://www.fetlar.org/

第1回で紹介したアンスト島(Unst island)について興味のある方は、こちらからどうぞ。

https://goo.gl/maps/Un5g1xAVUKCm5to37