ちょっとスペイン語 -25-  (¡Oído cocina!-了解!)

ここでは、ちょっとしたスペイン語の言い回しや、ことわざ、話し言葉など、辞書には載っていない単語も含めて紹介していきます。スペイン語を勉強している方には言葉の幅が広がるお手伝いができればいいなと、スペイン語には興味ないという方には雑学として楽しんでいただければいいなと思っています。

マドリードの生ハムが食べれる有名なバル。店内につるされている生ハムは圧巻です!(写真: 筆者撮影)

¡Oído cocina!-了解!

スペイン王立アカデミー編纂の西西辞典(Real Academia Española)には載っていませんがスペインの日常生活で使う言葉に、「¡Oído cocina!」があります。これは、日本語に訳すと「了解!」という意味で使われています。

「Oído」は「耳、聴覚、音感」等の意味があり、「cocina」には「台所、料理台、料理」等の意味がありますが、「¡Oído cocina!」はどうやらレストラン等の厨房や、飲み物や食べ物を提供する所で使われていた言葉が一般的にも使われるようになったようです。注文が殺到する時間帯の厨房は大変ですが、料理人たちが「厨房でも聞こえたよ!注文了解!」とでも威勢のいい声が返ってきている状況が想像できます。

この厨房等で使われていた言葉は、スペインの日常生活でも、「伝言を正しく受け取ったよ!」「ちゃんと理解したよ!」「了解!」というときに使われています。

1.Mañana a las 17h en la sala de reunión del instituto hay una reunión de los alumnos de segundo. ¡No te olvides de acudirlo!

明日の17時、高校の会議室で2年生のミーティングがあるよ。忘れずに行ってね!

  ¡Oído cocina! Gracias. No te preocupes que no me lo olvido.

了解!サンキュー。忘れないから心配しなくてもいいよ。

2.Si recibe este correo, por favor contéstame aunque sea sólo ¡Oído cocina!

  このメールを受け取ったら、「受け取ったよ!」の一言でもいいから返事をしてね。

街中に沢山の美味しいバルやレストランがある美食の国スペイン。そして、元気の良いスペイン人たち。この言葉は、そんなスペインを彷彿させる表現の一つです。スペインにいらしたら、是非使ってみてください。スペイン文化に溶け込んでいる感覚を味わうことができるかもしれません。

諸聖人の日(Día de Todos los Santos)に食べるスペインのお菓子色々

毎年11月1日は、「諸聖人の日 (Día de todos Los Santos)」としてスペインでは祝日です。これは、カトリック教会の祝日の一つ全ての聖人と殉教者を記念する日で、古くは「万聖節」と呼ばれていました。そして翌日11月2日は死者の日に当たります。既にこの世を去ってしまった家族や友人などに思いを馳せながら、お墓参りをしたり家族で集まって故人を偲んだりします。日本のお盆のようなものと考えてもらえば分かりやすかもしれません。

家族が集まれば、矢張りみんなでワイワイ語りながら食事やお菓子を食べるのはどこの国でも同じこと。日本では、昔に比べるとお盆をお祝いする習慣は廃れてきていると思いますが、それでも地方などではお盆には家族で集まり食事をしたり、落雁を食べる機会もあるでしょう。ここスペインでもこの日はいろいろなお菓子を食べる習慣があります。今回は、諸聖人の日(Día de todos Los Santos)に食べる様々なスペインのお菓子を紹介します

ウエソス・デ・サント(Huesos de Santo)

左側のものは、ココナッツを使い形も骨っぽく仕上げています(写真: 筆者撮影)

「ウエソス・デ・サント(Huesos de Santo)」というは、「聖人の骨」という意味です。日本人の感覚からはちょっと驚きの名前ですが、スペイン人にとっては愛情をこめて死者を象徴する「骨」を食べているようです。もともとカトリック教会では、イエス・キリストや聖母マリアの遺品、キリストの受難にかかわるもの、また諸聖人の遺骸や遺品を「聖遺物(Reliquia)」として大切に保管し、聖人とその遺物に加護と神への取り次ぎを求める願掛けや治癒の奇跡を含む様々な宗教実践が形成されてきました。(ウィキペディアより)もしかすると、「ウエソス・デ・サント(Huesos de Santo)」という「聖人の骨」を表したお菓子を食することにより、庶民のささやかな願掛けや病気で苦しんでいる人の治癒の奇跡を望む切実な願いが込められていたのかもしれません。

ちょっと敬遠したくなるような名前のお菓子ですが、アーモンドの粉と砂糖を練り合わせたマジパンの中に卵黄を使ったクリームが入っていて、結構食べ応えのあるお菓子です。「ウエソス・デ・サント(Huesos de Santo)」の最初のレシピとしては、1611年、スペイン王フェリッペ2世の厨房責任者フランシスコ・マルティネス・モンティーニョ(Francisco Martínez Montiño)著書「料理・菓子・スポンジケーキ(ビスコッチョ)・保存食の方法『Arte de Cocina, Pastelería, Vizcochería y Conservería』」(筆者訳)に記載されていました。

私が住むカステージャ・イ・レオン州では、「諸聖人の日 (Día de todos Los Santos)」に食べる定番のお菓子ですが、スペイン中色んな所で食べられているようです。マジパンの生地に様々な味と色を付けてカラフルな「ウエソス・デ・サント(Huesos de Santo)」が最近では出回っています。

上からオレンジ味、キーウィ味、イチゴ味の「ウエソス・デ・サント(Huesos de Santo)」(写真: 筆者撮影)

ブニュエロス・デ・ビエント(Buñuelos de viento)

諸聖人の日(Día de todos los Santos)には欠かせないブニュエロス・デ・ビエント (Buñuelos de viento)(写真: 筆者撮影)

ブニュエロス・デ・ビエント (Buñuelos de viento)は、ピンポン玉程の大きさで一口サイズの揚げシュークリームです。とても美味しく手食べやすいサイズということも手伝い、ついつい何個でも食べてしまう魅惑のお菓子です。(笑) 

ブニュエロス・デ・ビエント (Buñuelos de viento) の「ブニュエロス (Buñuelos)」は、小麦粉を使った生地を丸めて油で揚げたお菓子のこと、「ビエント(Viento)」は、「風」という意味ですが、ここでは「デ・ビエント (de viento)」で、「膨らんだ(hinchados)」という意味です。この揚げ菓子の中にカスタードクリームやスペインではカベージョ・デ・アンヘル(Cabello de angel)と呼ばれている金糸瓜(またはそうめんかぼちゃ)を使ったクリーム、チョコレートクリームや生クリーム等が入っています。

諸聖人の日(Día de todos los Santos)に食べるお菓子の中でも一番ポピュラーなお菓子です。私が住むサラマンカでは、美味しいお菓子屋さんに前もって予約して10月31日頃から買って食べている人が多いようですね。

パネジェッツ(Panellets)

カタルーニャ州・バレンシア州・バレアレス諸島等で最も伝統的かつポピュラーなお菓子で、アーモンドを使った小さなマジパンに様々な風味を加えてあり、色んなバリエーションを楽しめます。

ちなみに、「パネジェッツ(Panellets)」は、欧州連合(EU)の品質認証に登録され、スペインの「本物の美味しさ」を保証している「伝統的特産品で美味しいもの」の一つに認証されています。これは、伝統的特産品保証(TSG=Traditional Specialties Guaranteed)と呼ばれるもので、本物の「パネジェッツ(Panellets)」は、マジパンに、アーモンド以外のでんぷん(ジャガイモまたはサツマイモ)やリンゴを加えることや保存料、着色料の添加は禁止されていて、伝統的かつ安全な食べ物であることが保証されています。(スペイン農業・漁業・食品省のウエブサイト「伝統的特産品保証TSG(Traditional Speciality Guaranteed)」参照) 但し、お店などで売っているものは、サツマイモが入っているものが一般的のようです。

前述の通り「パネジェッツ(Panellets)」にはバリエーションが多く、カタルーニャ州・バレンシア州・バレアレス諸島に訪れる機会があれば、「パネジェッツ(Panellets)」の食べ比べをされるのも一興でしょう。代表的な「パネジェッツ(Panellets)」を紹介します。

バリエーション豊かで可愛いパネジェッツ(Panellets)」(写真: Wikipedia Domain)

両端 パネジェッツ・デ・ピニョネス(Panellets de piñones)

「パネジェッツ(Panellets)」はカステジャーノ語(一般的にスペイン語と呼ばれている言葉)では、エンピニョナードス (Empiñonados) と呼ばれています。松の実(ピニョネス-Piñones)をマジパンの周りにまぶしてあります

右から4列目 パネジェッツ・デ・カフェ(Panellets de café)

前述のスペイン農業・漁業・食品省のウエブサイト「伝統的特産品保証TSG(Traditional Speciality Guaranteed)」によると、アーモンドと砂糖のみのマジパンに挽いたコーヒーと焦がした砂糖を加えて茶色のコーヒー色に仕上げ、アイシングシュガーでコーティングした後、オーブンで焼きます。コーヒー豆を模した可愛い「パネジェッツ(Panellets)」もありますよ。

右から5列目 Panellets de almendra

こちらは、松の実の代わりにアーモンドをマジパンにまぶしたものです。

真ん中 Panellets de coco

マジパンにもココナッツが入っていて、周りにもココナッツをまぶしてあり、とんがり帽子のように先っぽを尖らせた形に作ってあります。

「パネジェッツ(Panellets)」は、カタルーニャ州・バレンシア州・バレアレス諸島等のお菓子なのでこの地方以外ではなかなか見つかりません。もし、これらの州に行かれる機会があれば、是非ご賞味ください。一口サイズのバラエティー豊かな「パネジェッツ(Panellets)」は、日持ちも良いものも多いのでお土産に買って帰るのもお薦めです。

焼き栗(Castañas asadas)

最後に紹介する「諸聖人の日 (Día de todos Los Santos)」の日に食べるお菓子は「焼き栗」です。

11月は栗の季節です。この時期になると街角で焼き栗を売っていますが、栗のお祭りが各地で開催されます。スペイン北部で催される「マゴスト(Magosto)」やスペイン東部の「カスタニャーダ(La Castañada)」のお祭りが有名どころでしょうか。私が住むサラマンカでも県内各地でそれぞれの栗祭りを楽しんでいます。10月31日から11月11日の間に開催される所が多く、11月1日の「諸聖人の日 (Día de todos Los Santos)」にも焼き栗を食べる習慣があります

もし、この時期にスペイン北部やスペイン東部を訪れる機会がある方は「マゴスト(Magosto)」や「ラ・カスタニャーダ(La castañada)」のお祭りに参加されると面白いと思います。

「焼き栗 (Castañas asadas)」自体はスペインの冬の風物詩で、クリスマス明けくらいまではスペイン各地の街角で焼き栗を売っているので、冬の間にスペインを訪れる方は、是非街角で焼き栗を買って食べてみてくださいね。木枯らしが吹く中、焼き立ての栗を食べるのはいかにもスペインらしく、スペインの秋から冬の楽しみの一つです。

最後に

「諸聖人の日 (Día de todos Los Santos)」という11月1日前後の短い期間のみにしか売っていないお菓子もあるので、この時期にスペイン訪問される方は「諸聖人の日 (Día de todos Los Santos)」のお菓子を是非食べてみてください。旅の良い思い出になること間違いなしです!

参考

・欧州の「本物の美味しさ」を保証する認証制について興味のある方は、在日欧州連合代表部の公式ウエブサイトをご覧ください。

https://eumag.jp/issues/c1013/

・伝統的特産品保証(TSG=Traditional Specialties Guaranteed)、スペイン語では「ETG=Especialidad tradicional garantizada)」について興味のある方は、スペイン農業・漁業・食品省のウエブサイトをご覧ください。

https://www.mapa.gob.es/es/alimentacion/temas/calidad-diferenciada/etg/Panellets.aspx

秋から冬のスペイン街角の風物詩-焼き栗(Castañas asadas)

10月も半ばを過ぎ、そろそろ本格的な栗の季節到来です!

この時期になると、スペインの街角ではカスタニェーロ(Castañero)と呼ばれる焼き栗を売る人が栗を焼いている姿をあちこちで見ることができます。新聞紙を円錐形にクルっと作り、12個の焼き栗を売ってくれます。勿論もっと沢山買いたい場合はもっと多い量の焼き栗を売ってくれますが、一般的には、円錐形の新聞紙に12個入りの焼き栗がスペイン人一人が買う焼き栗の量です。特に寒い日には、焼きたての栗を剥いて食べながら散歩する人や、子供に焼き栗を買ってあげる親の姿をよく見ます。日本では町中での立ち食い・歩き食いはお行儀が悪く敬遠されますが、こちらではとてもよくある秋から冬の風物詩です。

カスタニェーロ(Castañero)が作る焼き栗を家でも再現したいと、この時期になると我が家ではよくオーブンで焼き栗を作ります。オーブンがない場合は、フライパンでもできますよ。

焼き栗(Castañas asadas)

材料:4人分

・栗            約500g                

作り方

1.栗に切り込みを入れる。(焼いている間に栗が破裂しないように)

切り込みの入れ方は十字でもよし、縦切り・横切りでもよし、栗の端っこを少し削ぎ切りしてもよし(写真: 筆者撮影)

2.オーブン用の皿に重ならないように並べる。

できるならば大きさを揃えた方がいいのですが・・・(写真: 筆者撮影)

3.200℃に予熱したオーブンで20~25分焼く。(オーブンによっては多少時間が異なるので、途中で焼け具合を見てみる)

4.焼きあがっていたら、オーブンから出して熱いうちに皮をむいて食べる。

焼きたての方が皮がむきやすいですね(写真: 筆者撮影)

熱々の栗なので、火傷しないように軍手などをして皮をむいてくださいね。ホクホクしてとても美味しい焼き栗が簡単にできますよ。寒くなったら是非試してみてください。

おいでよ!スペインの素敵な村 (3)-カンタブリア州-カルモナ(Carmona)

スペイン北部 カンタブリア州内陸部にあるスペインで最も美しい村

今年の夏は例年以上に暑い毎日で、避暑を兼ねて8月末に2泊3日の小旅行に出かけました。その日カステージャ・イ・レオン州では37℃というかなり厳しい暑さでしたが、スペイン北部のカンタブリア州に入った途端一気に気温がドンドン下がっていき、車で15分も走ると17℃になり20度も差がありました。車から降りてみると、ちょっと寒いくらい!隣の州なのにこんなにも気温差があるのかと改めて驚かされました。

カンタブリア州は、州都サンタンデールをはじめ有名どころの観光地はカンタブリア海の海岸沿いに連なっています。スペイン旅行をされた方の中には、スペインを代表する建築家ガウディの「エル・カプリチョ」という建物があるコミージャス(Comillas)や海岸線から少し内陸部に入ったところにあり14世紀から18世紀の建物が残存する古く美しい街並みのサンティジャーナ・デル・マール(Santillana del Mar)を訪れたことがあるのではないでしょうか。もしかすると、サンティジャーナ・デル・マール(Santillana del Mar)の近くにあるアルタミラ洞窟まで足を延ばされたかもしれません。

今回ご紹介する村は、カンタブリア州内陸部の山地にある美しい村カルモナ(Carmona)です。1985年に歴史的・芸術的な村として指定されたカルモナは、2019年には「スペインで最も美しい村」という協会からスペインで最も美しい村の一つとしても認定されました。「日本で最も美しい村」という日本版の協会もあるのでご存知の方も多いかもしれません。ちなみに、この「スペインで最も美しい村」という協会は2011年に設立され、人口1万5000人以下(歴史地区の人口は5000人以下)であること、建築的遺産または自然遺産があることなどを条件に、村内の環境、宿泊施設、案内板に至るまで厳正に審査し、登録を認定しています。(ウィキペディアより)

半円アーチを持つ入口とバルコニー、そして切り石建築はこの山間部の村に見られる典型的な建築(写真:筆者撮影)

カルモナ(Carmona)の邸宅(Palacio)でお昼ご飯

村に入り、ぶらぶらと散歩していると、他の建物とは異なる立派な邸宅(Palacio)がありました。正面門の上部には、かなり大きな家紋が彫られています。現在ホテル兼レストランとして活躍しているディアス家、カッシオ家、カルデロン家、ミエル家の邸宅(Palacio de los Díaz de Cossio, Calderón y Mier)です。この邸宅は、1715年に建てられたマドリードのバロック(barroco madrileño)様式と地元の典型的な建築様式が融合した建物で、柱に3つの半円アーチを持つ中央部分と、それを挟む2つの高い塔で構成されています。

二つの建築様式が見事に調和され、バランスの取れた切り石建築と中央の大きな紋章が特徴(写真:筆者撮影)

特に目を引く大きな紋章はディアス家、コシオ家、カルデロン家、ミエル家の4つの家の紋章で、紋章の両脇には長槍で武装した二人の巨大な兵士の彫刻が浮き彫りにされています。

紋章の上には飾り付きの兜が(写真:筆者撮影)

丁度お昼ご飯の時間だったので、邸宅のレストランでお昼を食べることに。中に入るとレストラン部分の隣に小さな中庭がありテーブルが用意されていたので、心地よい風の吹く中庭でお食事を。ウエイターの方にお薦め料理を尋ねると、「狩猟で捕獲したこの辺りの野生鳥獣の肉を使ったジビエ料理だね!」という返事が返ってきました。味付けの方はカレーのスパイシーなもので、伝統料理というよりも地元の伝統的な素材を使って作る創作料理という感じのものでしたが、日本人の私にとっては口に合う味付けでした。

カレー味のピチョンと呼ばれる鳩の雛肉(Pichón)料理(写真:筆者撮影)

他にもカルモナ村では、コシード・モンタニェス(Cocido montañés)と呼ばれる煮込み料理や、カルモナ村から約10㎞程にあるサハ川で獲れるマスを使った料理等も有名だそうです。

村で取れた洋梨を使ったサラダ。数年前からスペインでもよく使われるようになったイタリアのブッラータチーズ入り(写真:筆者撮影)

レストランの上部分には野外テラスがあり、そこから見る自然に囲まれた風景は心癒されるものがありました。

バロック時代の家々

カルモナ村を歩いていてすぐ気付いたことは、村の家々が私が住むカステージャ・イ・レオン州の村の家々の造りとはかなり異なっていることです。

まず、結構大きな家が多く存在していてバロック時代(17世紀から18世紀)に造られたものです。特徴としては、入口は半円アーチがあり、「ソラーナ(Solana)」と呼ばれるバルコニーがあります

百聞は一見に如かず。下の写真をご覧ください。こちらはカルモナ村の典型的な家です。

入口は半円アーチがあり、「ソラーナ(Solana)」と呼ばれる左右を厚い石造りの防火壁で囲まれたバルコニーがある(写真:筆者撮影)

次に下の写真をご覧ください。こちらは、カステージャ・イ・レオン州の「カンデラリオ(Candelario)」村の典型的な家です。入口、バルコニー等かなり趣が異なっていることがお分かりになると思います。

カンデラリオ(Candelario)についてもっと知りたい方はこちらもどうぞ。

この「ソラーナ(Solana)」とは左右を厚い石造りの防火壁で囲まれたバルコニーで、カンタブリア地方特有の建築様式です。下部の壁には梁受け(はりうけ ménsulas)が突き出していてバルコニー部分を支えています。そして、「ソラーナ(Solana)」であるためには南向きに造られ、冬の日差しを存分に浴びることができるように考えられています。(一般的なスペイン語の「ソラーナ(Solana)」の意味は、「日なた、日だまり」等の意味があるからです。)

村に残存する建築物から、その村に住む人たちの生活の知恵、生活様式、生活のニーズが見えてきます。そして、村人たちの美的感覚や村に対する愛着まで訪れる人に伝わってくることはとても興味深く、歴史的・芸術的な村を訪れる醍醐味ともいえるでしょう。

カルモナ村の木工細工「アルバルカ(Albarca)」

この村の伝統的な職業として木工細工があります。特に「アルバルカ(Albarca)」という木靴を作る「アルバルケロ(Albarquero)」という職業が典型的で、現在もこの村で作られ使われています。日本の下駄とは異なりつま先が靴のように覆われていて、歯は前の方に2本、後ろの方に1本、合計3本付けられています。この木靴は、雨の多いこの地方で、湿気や水たまりから足を守るために考案されたもので、カンタブリア地方からスペイン北部のその他の地方へも伝わっていきました。木靴というと歩きにくいように感じてしまいますが、3本の歯が足を高くして歩行に敏捷性を与えるため、悪路やぬかるんだ場所だけでなく雪の中での歩行に実用的な靴だということです。

カンタブリア地方西部が原産のトゥダンカ牛(Wikipedia Public Domain)

またこの地方では、「トゥダンカ(Tudanca)」という名前のスペイン特有の牛の品種が多く生息していて、このトゥダンカ牛の畜産が盛んですが、牧人たちが牛を放牧している間に副業としてこの木靴「アルバルカ(Albarca)」を作っていたということです。

スペイン国営テレビによる木靴「アルバルカ(Albarcas)」ととそれを作る職人「アルバルケロ(Albarquero)」について紹介する動画があります。是非ご覧ください。

https://www.rtve.es/play/videos/aqui-la-tierra/albarcas-cantabras-tradicion-region/5646428/

ちょっと足を延ばして

今回は紹介しませんでしたが、カルモナ村から車で約30分位の所に「バルセナ・マヨール(Bárcena Mayor)」という村があります。この村もカルモナ村と同様に歴史的・芸術的な村として指定され、「スペインで最も美しい村」協会からもその一つとして認定されています。そして、カルモナ村と同じような建築様式の家々があり、とてもかわいい村です。カルモナ村に比べると、もっと観光地化している印象を受けましたが、カルモナ村と同様に、この地方の典型的な建築様式が見事に反映された家々を見て歩くのは楽しいものでした。

バルセナ・マヨール村(Bárcena Mayor)(写真:筆者撮影)

カルモナ村もバルセナ・マヨール村も趣がありとても絵になる美しい村です。特にカルモナ村はサハ保護区に含まれているため、恵まれた自然の飛び地に位置していて、この地域特有の森林や景観がとても豊かで、周りを自然に囲まれ、まるで自然から優しく包み込まれているかのような錯覚を覚え、心に安らぎを与えてくれる村です。機会と時間があれば是非訪れてほしいスペインの村の一つです。

カルモナ村へ向かう途中の景色。美しく調和のとれた自然とその中で営む生活の一端(写真:筆者撮影)

情報

・4つ星ホテル兼レストラン ディアス家、カッシオ家、カルデロン家、ミエル家の邸宅「Hotel Arha Carmona」のウエブサイト。

https://www.hotelarhacarmona.com/

・カルモナ村に興味のある方はこちらのウエブサイトもお薦めです。カルモナ村の地図も出ていて便利です。残念ながらスペイン語のみです。

https://www.esenciadecantabria.com/disfruta/turismo-cultural/visitas-autoguiadas/carmona

スペインでバードウォッチング!-種類別 スペインの野鳥 日本語名(カモメ科 アジサシ類)

ここでは、スペインに生息する野鳥の名前を、種類別に集めてみました。スペイン語名をクリックしてもらうと、スペイン鳥学会のホームページに飛びます。残念ながら日本語版はありませんが、英語での鳥の名前は出ています。スペインで野鳥観察されるとき、またはスペインの旅の途中で見かけた鳥のスペイン語名を知りたいときに、少しでもお役に立てれば幸いです。

 サンドウィッチアジサシ(Charrán patinegro) /(写真: アルベルト・F・メダルデ)

Charranes y pagazass = カモメ科 アジサシ類

スペイン語日本語ラテン語//常駐/偶然
Charrancito comúnコアジサシSternula albifrons
Charrán patinegroサンドイッチアジサシSterna sandvicensis常駐
Pagaza piconegraハシブトアジサシGelochelidon nilotica
Charrán comúnアジサシSterna hirundo
Charrán árticoキョクアジサシSterna paradisaea偶然
Charrán rosadoベニアジサシSterna dougallii偶然
Pagaza piquirrojaオニアジサシHydroprogne caspia偶然
Charrán realアメリカオオアジサシSterna maxima偶然
Charrán bengalíベンガルアジサシSterna bengalensis偶然
Charrán sombríoセグロアジサシOnychoprion anaethetus偶然
Charrán de ForsterメリケンアジサシSterna forsteri偶然
Fumarel comúnハシグロクロハラアジサシChlidonias niger
Fumarel cariblancoクロハラアジサシChlidonias hybrida
アジサシ(Charrán común) /(写真: アルベルト・F・メダルデ)

ロマネスクへのいざない (12)- カスティーリャ・イ・レオン州-ブルゴス県 (9)– ミニョン・デ・サンティバニェス村の聖ペドロ教会 (Iglesia de San Pedro en Miñón de Santibáñez)

16世紀に再建されたので外観はロマネスク様式のものとは異なる

ブルゴス市から約20㎞、ミニョン・デ・サンティバニェスという村に聖ペドロ教会はある。この同じブルゴス県にある1011年に設立されたベネディクト会修道院の聖サルバドール・デ・オーニャ修道院に残っている文書によると、ミニョン・デ・サンティバニェスという村の起源は11世紀まで遡る

聖ペドロ教会は、後期ロマネスク様式時代に当たる12世紀の終わりから13世紀の初めにかけて建設された。そのため、ロマネスク様式とは言え、入口の門部分がゴシック様式の影響も受けてわずかながら尖っている。そして、教会は16世紀に再建され、ロマネスク様式はこの入り口部分と教会の中にある洗礼盤のみが残っているのみである。再建された際、出入り口に厚いバットレスが建てられたため、アーキボルトを支える柱頭や入口の門の一部が切断された。もう少し、オリジナルであったロマネスク様式の入口を尊重して完全な形で保存してほしかったと惜しまれるが、今ではなすすべもない。

ミニョン・デ・サンティバニェス村の聖ペドロ教会は、1983年にはスペインの文化財に指定されている。

なんて漫画チック‼

入口の前に来て、入口に彫られているモチーフを見て「なんて漫画チックな彫り物!」というのが第一印象だった。百聞は一見に如かず、とにかく下の写真をご覧いただきたい。

ロマネスク様式の特徴の一つである半円形の入口のとっぺんが心持ち尖っているのはゴシック様式への過渡期であったため

今まで見てきたロマネスク様式の彫り物の中でも、これほど漫画チックなものは見たことはない。今回のブルゴス県のロマネスク様式の旅の中で見た彫り物の中でも異彩を放っている。一見稚拙な印象さえも与える。アーキボルトに施されている18人の姿は、日本の漫画で見たことがあるようなユーモラスで他のものとは一味違うものだ。もう少し近くから見てみよう。

日本の漫画に出てくるような彫り物でちょっと親近感を覚える (笑)

一般的にロマネスク様式の人物像は、施されている場所の空間による制限もあり、極端にバランスが取れていないものも見受けられるが、ここに彫られている楽師たちや書物を持つ人物像等はあまりにも頭でっかちで丸みを帯び漫画チックである。

一見稚拙だが一人一人存在感がありユーモラスな人たち

また、顔つきもちょっと現実離れしたまるでお化けのような顔つきだ。ちなみに、同じブルゴス県にあり同じく12世紀末に造られたアエド・デ・ブトロン村にある聖母の被昇天教会(Iglesia de La Asunción de Ahedo de Butrón)に施されている楽師たちを紹介しよう。

こちらは天使の羽、洋服の襞(ひだ)、表情など細部にわたり緻密な彫り物が施されていて石工達の高度な技術が一目でわかる

同じ時代の、同じ地方の、同じロマネスク様式のものとはかなり違っていることがお分かりになるだろう。

これが何を意味するのか。この入り口を造った石工達が意図的にこのようなユニークな彫り物を施したのか、単に石工達の技術が未熟であったためこのような稚拙ではあるが面白み溢れる独創的な作品になったのか、色んな文献を当たってみたが答えになるものは見つからなかった。ただ、この漫画チックで一度見たら忘れられない入口を造った石工達は、後世に名前を残すこともなかった名もなき、しかし当時人気のあった地元の石工達によって造られたことだけは確かなようだ。

(アエド・デ・ブトロン村の聖母の被昇天教会(Iglesia de La Asunción de Ahedo de Butrón)についてもっと知りたい方はこちらもどうぞ。)

ゾディアック-12個の神秘的なメダイヨン

もう一つ目を引くのは、入り口のアーチとして機能しているアーチボルトに施されている12個のメダイヨンだ。メダイヨンとは円形の浮彫装飾である。

1139年の第2ラテラン公会議で教会自身がモチーフを禁じることに決めた、弓を引き絞る弩(いしゆみ)の射手の姿も見える。「射手座」を表しているのか?

それらの装飾は、四足獣、爬虫類、そして人間の姿を、常に円形の枠の形に合わせて描かれており、己の四肢の先端をつかまえたり噛んだりしているもの、S字型にデザイン化しているものなどが見られる。

ミニョン・デ・サンティバニェスの聖ペドロ教会のすぐ近くにある家の教会管理人の方が、教会の簡単な説明が書かれた紙を1枚くれたが、その説明文の中には、装飾的発想に従ってこのようなモチーフを選択したのだろうとあった。

しかし他の研究者たちの意見として、天球上の12星座を示すゾディアックだろうという説もある。例えば、ライオンは「獅子座」、女性は「乙女座」、弓を引き絞る弩(いしゆみ)の射手は「射手座」を意味する。だが、その他のモチーフについては説明できないものもあるとのことだった。

実際、ロマネスク様式の教会にはゾディアックが描かれていることがある。興味深いことは、星によって影響を受けるという占星術は、キリスト教の中では軽蔑すべき異教徒たちの迷信と考えられていた。では何故、天球上の12星座を示すゾディアックを教会の入口の装飾に使ったのだろうか?これは、天球上の12星座を示すゾディアックが示すものは、農業暦のようなものを指していると考えられている。つまり、ロマネスク芸術では、神が絶対的な支配者である1年の月の時系列的なサイクルであり、「時間の支配者である神」という意味が与えられていたのだ。(「Iconografía y Simbolismo Románico 」(「ロマネスク様式 図像と象徴」筆者訳) David de la Garma Ramíez 著 出版社 Arteguias より)

円形の枠の中に合わせたデザインの模様は緻密だ

最後に

アーキボルトに施されている18人のユーモラスで独創的な姿を彫った石工と、12個のメダイヨンのデザインし彫った石工は、全く異なる別の石工達の手による作品だと思われる。何故なら双方のスタイルがあまりにも異なるものだからだ。詳しいことは分からないが、当時の教会装飾に対する考え方や同時代・同地域であっても様々なモチーフが用いられてことは興味深い。

特筆すべき点として、前述した説明書によると、埃除け用覆いの役割を果たしている入口の最後のアーキボルトは3本の細いアーチ型で、ロマネスク様式としては珍しいタイプのアーキボルトで、ブルゴス県では唯一の例だとのこと。

まるで歯のような長方形の飾りの上に3本のアーキボルトがあるが、このようなタイプのアーキボルトはブルゴス県では唯一の例

私の注意を引いた別の点は、ミニョン・デ・サンティバニェスの聖ペドロ教会の入口の柱の高さが他のものよりもかなり低いことである。私の背の高さ位だったので、160㎝程の高さだ。当時の人達にとっても、ちょっと背をかがめて教会に入らなけらばならない高さだったのではないだろうか。

18人の漫画チックな人物像にしても12個のメダイヨンに彫られているモチーフにしても謎だらけだが、何世紀にも亘りこの不思議なモチーフの門をくぐって教会に礼拝してきた村人たちの姿を想像したり、16世紀に再建した際、この入り口だけは壊さず残しておいたその当時の人達のこのモチーフに対する愛情などに想いをはせ、800年以上も昔に名も無き石工達が残した作品を歳月を超えて実際に自分の目で見れる幸運を感じた。

柱頭は劣化が激しいが、肉厚の葉や人魚が二股に分かれた尾をつかんでいる姿をかろうじて認識できる

情報

ここで紹介したミニョン・デ・サンティバニェスの聖ペドロ教会 (Iglesia de San Pedro en Miñón de Santibáñez)は、ブルゴス県のロマネスクを訪ねたルートの中の一つだ。こちらのルートを知りたい方は下のブログを参考にして頂きたい。

・スペイン語だが、教会についてだけではなく、興味深い図面なども見れる。最初に述べた、ロマネスク様式の洗礼盤の写真も掲載されている。

https://www.romanicodigital.com/sites/default/files/pdfs/files/MI%C3%91ON%20DE%20SANTIBA%C3%91EZ.pdf

トマトの時期は、「お手軽パントマト(Pan con tomate)」で朝食を!

やっと我が家の畑のトマトの収穫ピークが訪れました!今年は例年より10日ほど遅い収穫ピークです。周りの畑のトマトはもう既に8月中旬からピークを迎えていたのに、我が家のトマトはなかなか熟しませんでした。

トマトの種類によりけりなのでしょう。今年は、青トマト(Tomate azul)と呼ばれる種種類のトマトを多く植えているからでしょうか。とにかく、畑のトマトの収穫が始まると我が家では毎朝パントマトを食べます。スペインでは一般的に「パントマカ」と呼ばれているカタルーニャ地方の料理がよく知られていますが、我が家では、アンダルシア地方の料理教師である友人のレシピ、「お手軽パントマト」を食べています

カタルーニャ地方では、軽く焼いたフランスパンに半分に切ったニンニクをこすりつけ、更に半分に切ったトマトをこすりつけます。その上にエキストラ・バージンオリーブオイルをたっぷりかけ、仕上げに軽く塩を振って食べます。スペインにいらしたことがある方は、この上に生ハムがのっているものを食べたことがあるのではないでしょうか。これもなかなか美味です!

生ハムがのったカタルーニャ地方料理「パムトマカ」(写真: Wikipedia Domain)

では、我が家のアンダルシア式(というかアンダルシアの友人式)「お手軽パントマト」の作り方を紹介します。

「お手軽パントマト」(Pan con tomate)

材料:4人分

・トマト(あれば完熟)            大 1個

・エキストラ・バージンオリーブオイル      適宜

・塩                     少々                

作り方

1.軽く焼いたフランスパンに、エキストラ・バージンオリーブオイルをたっぷりかける。

2.すりおろしたトマトを上からたっぷりのせる。

3.最後に軽く塩を振って出来上がり。

これぞ我が家のパントマト!(笑)

エキストラ・バージンオイルは、できればあまり癖のないアルベキーナ (Arbequina) のエキストラ・バージンオリーブオイルをお薦めします。アルベキーナというオリーブの実から搾られたオイルは、辛みや苦味がなく、後味に甘みを残すような味です。これだと、トマトの酸味をほんのりと和らげ、トマト本来の味を引き立てれくれます。

アルベキーナ (Arbequina) というオリーブの実から搾られたエキストラ・バージンオリーブオイルをたっぷりつけて!

日本ではピンク系のトマトが主流ですが、スペインでは赤系のトマトが断然人気があります。畑作りをしていると、畑のご近所さんから「このトマトは美味しかったから一度食べてみて!気に入ったら種を取って来年植えるといいよー!」とトマトを頂くことも多々あります。先日、バレンシア地方のトマトを頂きましたが、とっても美味しくて、早速来年用に種を取り、乾燥させています。来年が楽しみです!

左からジグザクに、青トマト、かなり大きいピンクトマト、黒トマト、先がちょっととんがったバレンシアトマト、小粒なガリシアトマト、トマトソースに使う洋ナシ形トマト

素朴な味!スペインの豚リブとジャガイモの煮込み(Costillas con patatas )

この料理は、仲良しのスペイン人男性から教えて頂いたスペイン料理です。レシピはマドリードのレストランのコックさんだったお父様直伝のもので、我が家でも子供たちに人気のあるレシピの一つです。

日本でも手軽に手に入れることができる材料で作ることができ、素朴な味です。是非お試しください。

豚リブとジャガイモの煮込み(Costillas con patatas )

材料:4人分

・豚リブ          800g

・玉葱           1/2個

・ジャガイモ       3~4個

・ピーマン        1個

・トマト         2個

・ニンニク         一片    

・月桂樹の葉 (ローレル)  1枚

・塩            適宜

・パプリカ         大さじ 1杯

・オリーブ油        大さじ 4杯

作り方

1.ニンニクはみじん切りにする。玉葱とピーマンもみじん切りにする。トマトはすりおろしておく。ジャガイモは、一口大の大きさに切る。その際、小さい包丁又はナイフでジャガイモに切り口を入れ、そのまま割るように切る。こうすることにより、断面がデコボコになり、包丁で切るより表面積が広くなり、火の通りや味の含みが良くなる。

切り口がデコボコのジャガイモ。スペインの人達はみんな小さな包丁を使って、ほとんどまな板も使わず料理をしています

2.鍋にオリーブオイルを多めに敷き、オイルが熱くなったら1のみじん切りした野菜-玉葱・ピーマン・ニンニク-を入れ、弱火にして気長に炒める。

気長に炒めていると、野菜がたっぷりオリーブオイルを含み、しんなりとしてきました

3.2の野菜の色が変わり、しんなりしてきたら、豚リブを入れてよく混ぜ合わせる。更に、すりおろしたトマトも入れてしばらく混ぜ合わせながら、豚リブの色が変わるまで炒める。

完熟トマトを使うとより味が濃厚に!我が家では今が収穫時の畑のトマトを使っています

4.豚リブの色が変わったらジャガイモを入れ、よく混ぜ合わせる。

ジャガイモの大きさはなるべく同じ大きさで

5.その後、塩、パプリカ、月桂樹の葉を入れて再び混ぜ合わせ、蓋をして中火弱の火で煮込んでいく。時々、混ぜ合わせながら、水分がなくなりそうになった時は水を足し、ジャガイモが柔らかくなるまで煮込む。最後に塩加減を調整し、出来上がり!

トマト汁も煮詰まってトロリとしたソースになっています

ジャガイモをフォークの背で潰し、煮汁と絡ませながらお肉と一緒に食べるのがスペイン風の食べ方です。それに、パンと一緒に食べます。ソースが残ったら、しっかりパンでソースをつけながら食べるスペイン人達のお皿は、まるでお皿に料理をつぐ前のようにきれいです。(笑)

ちょっとスペイン語 -24-  (Trueque) 物々交換

ここでは、ちょっとしたスペイン語の言い回しや、ことわざ、話し言葉など、辞書には載っていない単語も含めて紹介していきます。スペイン語を勉強している方には言葉の幅が広がるお手伝いができればいいなと、スペイン語には興味ないという方には雑学として楽しんでいただければいいなと思っています。

Trueque(トゥルエケ)というスペイン語を知っていますか?

スペイン語王立アカデミー編纂の西西辞典(Real Academia Española)によると、「金銭を介さない産物やサービスの直接交換」と意味が出ています。いわゆる「物々交換」ですね。

先日私の畑で、畑のお隣さんとこんな会話をしました。

¿Qué es eso?

それは何?

Es una calabaza japonesa.

日本のカボチャだよ。

Pues, es la primera vez que he visto una calabaza japonesa. ¿Está rica?

へー、日本のカボチャって初めて見た。美味しいの?

Está muy rica. Es distinto a la de la española, se come con piel. Te doy una y ¡pruébala!

とっても美味しいよ。スペインのカボチャと違って、皮も食べるんだよ。1個あげるから、食べてみて!

¿De verdad? Pues, gracias. Entonces, te doy la española. Es un trueque.

えっ、いいの?ありがとう。じゃ、スペインのカボチャあげる。物々交換だね。

Vale, gracias. Luego, te mandaré una receta de la calabaza japonesa.

ありがとう。後で日本のカボチャレシピを送ってあげるね。

Sí, por favor.

うん、お願い。

ちなみに動詞は、Trocar (トロカール)です。前置詞「por」と一緒に使い、「~と物々交換する、取り換える」という意味になります。

¿Vamos a trocar mi chaqueta por tu bolso?

私のジャケットとあなたのバッグを取り換えない

今回は、ちょっと珍しい単語Trueque(トゥルエケ)について紹介しました。機会があれば使ってみてくださいね!

スペインでバードウォッチング!-種類別 スペインの野鳥 日本語名(カモメ科 カモメ類)

ここでは、スペインに生息する野鳥の名前を、種類別に集めてみました。スペイン語名をクリックしてもらうと、スペイン鳥学会のホームページに飛びます。残念ながら日本語版はありませんが、英語での鳥の名前は出ています。スペインで野鳥観察されるとき、またはスペインの旅の途中で見かけた鳥のスペイン語名を知りたいときに、少しでもお役に立てれば幸いです。

キアシセグロカモメ(Gaviota patiamarilla)  /(写真: アルベルト・F・メダルデ)

Gaviotas = カモメ科 カモメ類

スペイン語日本語ラテン語//常駐/偶然
Gaviota reidoraユリカモメChroicocephalus ridibundus常駐
Gaviota picofinaハシボノカモメChroicocephalus genei
Gaviota de BonaparteボナパルトカモメChroicocephalus philadelphia偶然
Gaviota canaカモメLarus canus
Gaviota de DelawareクロワカモメLarus delawarensis
Gaviota cabecinegraニシズグロカモメLarus melanocephalus常駐
Gaviota argénteaセグロカモメLarus argentatus
Gaviota patiamarillaキアシセグロカモメLarus michahellis常駐
Gaviota de AudouinアカハシカモメLarus audouinii常駐
Gavión altánticoオオカモメLarus marinus
Gaviota sombríaニシセグロカモメLarus fuscus常駐
Gaviota rosadaヒメクビワカモメRhodostethia rosea偶然
Gaviota enanaヒメカモメHydrocoloeus minutus
Gaviota tridáctilaミツユビカモメRissa tridactyla
Gaviota de SabineクビワカモメXema sabini偶然
Gavión hiperbóreoシロカモメLarus hyperboreus偶然
Gaviota groenlandesaアイスランドカモメLarus glaucoides偶然
Gaviota guanaguanareワライカモメLarus atricilla偶然
Gaviota pipizcanアメリカズグロカモメLarus pipixcan偶然
ユリカモメ(Gaviota reidora)  /(写真: アルベルト・F・メダルデ)